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第71話

 絵描きさんはカルシラスト様を見て目を見開き椅子をひっくり返し、ひざまずいて頭を下げて口にした。


「王子様、どうぞ失礼をご容赦ください……」


 カルシラスト様は「さあ立ってください」と手を差し出した。


 絵描きさんは立ち上がろうとしてつまずきイーゼルを倒した。あらら。


 絵描きさんは帽子を脱ぎ何度も謝罪した。カルシラスト様は「大丈夫ですから」と返す。


 絵描きさんは心なしか頬が赤い。照れているみたいだわ。


 カルシラスト様の放つ美形オーラにやられちゃったみたい……。


 相手を助け起こすカルシラストに私は憤懣した。イライラが膨張する風船みたいに膨らんでいく。


 これはジェラシーと言うやつ? カルシラスト様の温情を他の人に向けてほしくないのかしら……。


 王子様はたいていの人に親切だし……仕方ないような気もする。


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