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馬鹿野郎  作者: 羽山忠
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3/3

そういえば

なんつうかさ


走馬灯なんていうのを見たんだ


厳密にはそうじゃないかもしれない


なんせそれは記憶では無かったから


妄想のような


幻想のような


いやいや、これはただの夢だ


死ぬ間際のただの夢だ


あぁしかし、なんて幸せな夢なんだ


好きなひとの腕のなかで、


涙ながらに看取ってくれるなんて、


あぁ、僕は


満たされてるな


死ぬんだっていうのに


死んでしまうっていうのに


こんな満たされているなんて


そうかぁ


人は、失うと同時に得ることができるんだ


もっと早く死んどけば良かったーーー


ん?


いやいやこれは死者の妄言、亡者の戯れ言


死ぬのは嫌だ


でも、幸せだな


……あぁ


キスまで?


なんてサービス待遇


うあわ


本当に幸せ


あれ……


……ん


ん、んう?


……えーと


あれ?



僕は死んでない


でも、何かが無くなっていた

































泣いている、君はだれでしょうか



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