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実家に中国版(?)のグリム童話(?)があったので漢文が割と得意だったので書き下した

実家に中国版(?)の白雪姫があったので漢文が割と得意だったので書き下した

作者:
掲載日:2026/04/12


妖鏡(ようきょう)告げて(いは)く、「()の国を傾くべき者は、白雪なり」と。

女王(じょおう)(これ)(おそ)れ、誓って必ず誅伐(ちゅうばつ)せんとす。




白雪は、絶代(ぜつだい)の佳人なり。

六歳にして軍を破り、十歳にして熊を殺す。

()(もっ)(あつもの)()す。

(よはひ)十六に至り、(たけ)十七尺。

重さ千斤に達し、堂々たる淑女なり。


右に蛇矛(だぼう)四百斤を(ひっさ)げ、左に偃月(えんげつ)三百斤を()ぐ。

奮迅縦横(ふんじんじゅうおう)なること、(あたか)飛雪(ひせつ)(ごと)し。

過ぐる所の処、白雪、(みな)(くれない)なり。


(たちま)(しっ)して曰く、「無礼(はなは)だし」と。

姫、(もと)より怒り無く、天性()(たけ)きのみ。

一閃して龍を斬れるは、其の前を過ぎたるを以てなり。

()る所の(くび)幾千万、滅ぼせる国(すで)に十を()ゆ。

(あした)に東を(せい)し、(ゆうべ)に西を撃つ。

四海敵無く、深歎(しんたん)に沈む。


姫、常に曰く、「美人薄命」と。


死地を求めて()まず、然れども死も(また)姫を畏れ、四海に死すべき場無し。

(つい)(たみ)をして急ぎ巨舶(きょはく)を造らしめ、滄海(そうかい)を渡らんと欲し、死地を異域に定む。

屠龍(とりゅう)(わざ)は、無聊(ぶりょう)を慰むるに足らず。


凡馬(ぼんば)は其の重きに堪へず。

故に白象に(またが)る。(すなわ)ち異国の朝貢なり。




 白雪姫のみめうるはしき()御かたち()に王は屈し給ひ、女王はうつつともおぼえで目を背け給へり。


 今日も女王、鏡に問ひ給ふ。


「鏡よ。天の下にいみじく美しきは誰そ」


 鏡、答へて申さく。


「そは女王の御前――」

「いな、しばし待て!」


 御格子、ふと蹴破られぬ。白雪姫の御しわざなり。御背には偃月と申す刀を負ひ、右の御手に蛇矛、左の御手に龍の首を提げ給へり。


 女王、「あなや」と叫ばむとし給へど御声も出でず、ただ恐れおののき給ふ。


「久しう拝し奉らず、母上」


 白き『どれす』、血の朱に染まれり。姫君、蛇矛を壁に立て掛け、心おごりたるさまにて椅子にうち掛け給へり。椅子の軋むをもえ憚らず、龍の首を御机に投げ遣り給ふ。


「土産に侍り。御かたち作りにいとよしと聞き及び侍れば」


 姫君、龍のまなこを抉り出だし、拳の大きさばかりなる玉を御口に投げ入れ給へり。生のまま数度噛みて、やがて飲み下し給ふ。


「眼は『こらあげむ』とかや申すものいと多しと聞き侍り。あな、これぞ『があるずとおく』なるべし」


 御腰に結ばれたる三尺の酒瓶にて御口をすすぎ、猛る御心を鎮め、冷やかにうち笑ひて鏡に歩み寄り給ふ。


「鏡よ! 汝に問ふ! まことに美しきは誰そ!」


 有無をも言はせぬ御けしきなり。


「そは女王の御前――」

「聞こえざるぞ?」


 姫君、鏡ざまに偃月を振り給ふ。されど偃月は傍らなる女王の御鼻先にて止まりぬ。女王はすくみゐ給へり。


「あな? 母上、そこにおはしましけるか」


 そればかり宣ひて、酒を一口含み、ふたたび鏡にただ問ひ給ふ。


「美しきは誰そ?」


「……白雪姫の御前にこそおはしまし侍れ」


 鏡の答へに姫君、やをら頷き給ひ、龍のいま一方の眼を抉り出だし給へり。


「母上もいかがせむ? わがごとき美貌を得ること難からず」


 姫君、うち笑ひて重ね給ふ。


「若さのみは奉るに及ばざれど」


 姫君、いまだ立ち上り給はぬ女王の御口元へ、その目玉を押し付け給へり。


「や、やめ給へ!」


 女王、力の限り抗ひ給ふ。姫君、小首を傾げて御手を留め給ふ。


「かく美味にして肌にもよしと申すを、いとめづらかなることかな」


 掲げたる目玉をみづから落とし、御口にて受け止め飲み下し給へり。


「去れ! ()く去り給へ!」


 いとむつかしき御さまにて、女王もはや堪へ給はず。


「追放と申すか」


 姫君、酒瓶を御手に取り満足げに頷き給へり。


「うむ、これぞ『ぱわああっぷいべんと』なるものぞ。これにて目覚むるとぞ聞く。いとをかし」


 姫君、いと楽しげなり。


「さても母上、しろしめすや? 追放されし者、みそかに賢くおはして、陰より国を支へたる者ありと――かかる物語を。いさ知らず、妾去りなむのち、この国はいかにならむ。平らげし諸国、こぞりて背くやも知れず」


 女王、「そは汝が平らけき国々をことごとく踏みにじりたるゆゑなり」と宣はむとし給へども、つひに一言も発し給はず。


「よし。若さをねたむ心、美しさをそねむ思ひ、同じき女の身としてことわりなり。今日より、母にあらず、娘にもあらず。追放、確かに承りぬ。これぞ『ざまを見よ』といふものよ」


 白雪姫、からからとうち笑ひ給ふ。かくして御局を、城を、国をも後にし給ひけり。




 城を逐はれ給へる白雪姫、やがて一つの森に至り給へり。

 御足にて締めて白象を留め、軽げに地を揺らして飛び降り給ひぬ。


「いとをかし。匂へり、匂へり。息を潜め猛き御けしきを隠し給へども……隠し果つべくもなき血と死の匂ひ。ああ、佳人の宿世(すくせ)なり。死より逃るることえせむや」


 面輪(おもわ)に満つれる笑みをたたへて、森のかたを指し給ふ。


「一、二、三……」


 うち笑ひつつ数へ給ひ、七に至りて止み給ふ。


「妾に死を! 血を! 戦ひを! 薄命の宿世を!」


 姫君、あなづりてもろ御手を広げ誘ひ給へり。

 これに応ふるやうに、森よりかたち清らなる七人の男ども飛び出でたり。


「汝ら、射掛くるや? いや、射掛けざるや」


 姫君、すさまじうあへなき心地して、もろ御手に御得物を構へ給ふ。男ども、地に伏して(ぬか)づきたり。


「なにとぞ、なにとぞお許し給へ。白雪姫君のいみじうたけくおはしますこと、戦場にて承り侍りき。我ら辛うじて生き長らへ、この森に落ち延びたる身に侍り。のどけき末をのみこそ望み侍れ」


「弓を取れ。欲する物は己が手にて勝ち取るものぞ。のどけき末を望まば、この白雪姫を討ち取るがよし。それとも望むは、この妾か?」


 白雪姫、『うゐんく』を一つし給へり。されど面を上げざる男どもには届かざりき。


「たはぶれ言を宣ふな。姫君のいみじき御ほど、よく存じ奉りて侍り。我らが矢の及ぶ御方ならば、はや仕掛け奉りなまし。のどけき暮らし許され侍らずば、ただ御手にかけ給へ」


 姫君、うち嘆き給ひ、ふたたび象に跨り給ひぬ。


「妾は追放されし身ぞ。宿に案内(あない)せよ! 小さき者(こびと)ども!」


 男ども、己らが小さきにはあらず、ただ姫君のおほきにおはしませばこそと思へども、口に出だすべくもあらず、逆らふすべもなくて、隠れ家へと導き奉れり。




 白雪姫、己を薄命の佳人なりと深く信じて疑ひ給はず。かくて、かかる暴君より、人々は辛うじて解き放たれけり。城下は日々の祭のにぎはひにて、喜びの声、天に満ちたり。


 されど、城まで届くかまびすしき響きのうちにも、女王の御心は晴れ給はざりき。

 白雪姫の残し給へる、恨みのほの見ゆる言の葉。これぞ女王の御胸の底に留まりて払はれざりけり。


「かの武威、もし我らに向けられなばいかにせむ」


 この国もまた、踏みにじられし国々の数に入りなむ。あるいは遺臣どもが仇を報いむと企てば、禍事(まがごと)いかばかりならむ、知るべくもあらず。


 我らがうち、ただ一人だに争ひを望む者なし。(やはらぎ)を乞ふとも、さりとて彼ら受け引かむや、知るべくもあらず。


「鏡よ。この国を滅ぼすべき者は誰そ」


 鏡、答へて申さく。


「この国を滅ぼすべき者、白雪姫におはします」


 女王の御心、ここに定まり給ひぬ。いかでか白雪姫を誅せざらむ。刺し違ふるとも討ち果たさむ。


「しかる後、その御首(みしるし)を晒さむ。この国、他国の遺臣の手にて滅ぼさるるとも、ともかくも滅びむ。かの悪鬼を生み出したるは、ひとへに我が罪なればなり」




「いかにや? たぐひなき佳人()に仕へて、果報この上なからむ?」


 白雪姫、うち臥し給ひつつ塩を嘗めて問ひ給ふ。

 第一の小さき者、大団扇にて姫君を扇ぎつつ答へたり。


「仰せのままに侍り」


 その(おもて)には、日々の疲れの色ありありと見えたり。


「汝らが家のうちのことども、みな引き受けて、ひたぶるに留まらむことを乞ひ願ひたれば、妾はよしなくここに留まりたり。塩を嘗め、酒を呑む――邪気祓ひにこれにしかるものなし。え酒呑まぬ小人(のうむ)ども、邪鬼にも劣りていとあはれなるかな」


 姫君、第二の小さき者に酌をさせ給ひ、大皿のごとくなる杯を一息に飲み干し給へり。


「すはや一大事なり! 領主の軍勢、攻め寄せたり!」


 第三の小さき者、まどひ騒ぎて家に飛び入りたれば、姫君は高らかにうち笑ひ給へり。


「佳人の噂を聞きつけたるか。領主なる者には、富と色と勢ひとの他なきと見えたり」


 さもあきれたる御気色にてうちつぶやき給ふ。


「武器を持て」


 第四の小さき者、『どれす』を運び参らせ、第五の小さき者、偃月を負ひ、第六の小さき者、蛇矛を引き摺り、第七の小さき者、白象を牽き参らせたり。


 姫君、これらを奪ふやうに御手に取り、象に跨り給ひぬ。


「昼までには戻らむ! (よね)なりともかしぎ置け!」


 宣ひ放ちて、疾き風のごとくに駆け去り給ひけり。




 領主は、百五十の兵を率ゐたり。


「あはれと思ひて見過ごし来つるに……」


 領主、嘆き怒れる気色、面に顕れたり。

 森に旧王族の郎等の住まふこと、かねてより知れることなり。白雪姫に害はれし者どもを捨て置くのみならず、みそかに庇ひ来つるなり。落人どもも、これまではのどかに過ぐしゐたり。


 されどこのごろ、かの者ども賊となりて、里を襲ふことうち続けり。領主、白雪姫の逐電を知り、再起を図らむとするにやあらむと思へり。


 かの者どもの、姫の果てなき酒肴を貢がむがために、盗賊に身をやつしたりなどとは、夢にも思ひ至らざりけり。

 かくして領主もまた、心づかぬほどに白雪姫の戯れ(義憤)のままに動かさるる者のひとりとなりぬ。


 その領主のもとへ、物見、まどひて立ち帰れり。されどその告げを待つほどもなく、物見が背にははや巨象の影さしたりけり。


 白雪姫、白象に括り付けたる銅鑼をみづから打ち鳴らし、蛇矛と青龍偃月刀とを御手に取り給へり。


「目ある者はしかと見よ! 耳ある者は音に聞け! 妾のぼでぃます指標(びいえむあい)、二十三なるぞ」


 姫君、「ふくよかならず、ただなみなみなり」と宣ひて、ひといきに駆け出で給へり。


 白象に跨り、白き『どれす』を纏ひ給へるおほきなる御姿、一目見るより、いづれも白雪姫よと知りぬ。ただそれのみにて、軍勢は崩れぬ。


 されど姫君は止まり給はざりき。あたり一面、紅の肉のひら、雪のごとく降り積もるまで。




 白雪姫、現れ給ふ。


 その報せに、国中の人々、いみじく愁へ沈みけり。かの姫君の御身を慎み給はむなどとは、ただ一人だに信ずる者なかりけり。まがごとに添へてその御名の伝はるは、かねて思ひまうけしことなり。ただ、しましののどやかさを夢に見侍りしばかりなり。


 民草こぞりて夢に沈むに、女王ただひとり目覚めさせ給ひて、うつし世におはしましけり。


「このまがごと、起こるべきゆゑあればこそ起これれ。今より後、おほきなる(わざはひ)なほ続かむ」


 女王、深く思し召しけり。されば、今より後、二たび起こさせじ。その御心まうけ、いみじう深し。


 いみじきつはものをもただ一打ちに斬り伏せ、龍をほふり、あまたの(つはもの)を追ひ散らし給ふ白雪姫。その姫君に、か弱き女王、いざ挑まむとし給ふ。



御前(ごぜん)、いざ此方へ」


 第一の小さき者、女王を導き聞こえけり。この者どももまた、心定めたり。

 隠れ家のあたりには、いかめしき(いびき)響きわたりたり。大酒を召したる姫君のものなり。


 小さき者と女王、ものも言はず頷き合ひて、家に火を放ちければ、白昼なれど炎いと明らかに燃え立ち、落ち人どもはここにふたたびの落城に逢ひたり。されど落ち人どもの面には、うれしとも悲しとも、力落としたるけしきもなし。ただ、これより後いかなることか起こらむと、行く末おぼつかなく、さりとて心定めたるけしきばかりなり。


「美人薄命~~~!」


 炎の中より、おほきなる欠伸(あくび)とともに白雪姫現れ給ふ。


「おお、母上におはしまさずや。没落か? 没落せしか? 『ざまを見よ』なるか? 今さらに戻り来よと宣ふとも、はや遅し」


 姫君、ねぶたげなる御目を擦り、御身を掻き給へり。落ち人ども、歎き敢へず。


「ほう、白昼より『きゃんぷふぁいやあ』とや? 吾を差し置きて楽しげなること」


 姫君、背後(うしろ)にて己が御寝所の燃え盛るに、やうやう心づき給へる御ありさまなり。


「……汝、()すや?」


 女王、白雪姫に林檎を差し出し奉り給へり。


「おお、あしたの御膳いまだ取らざりき。さすがに母上、御心づかひのよきことよ」


 姫君、皮ながらに食み給ふ。籠に満ちたる林檎、瞬く間に尽きたり。

 女王、おづおづと姫君の御気色(かほいろ)を窺ひて問ひ給ふ。


「……して、御身のありさまはいかにや?」


 姫君、この御問ひをば、娘の身を案ずる母のあはれみと受け止め、うち笑み給へり。


「おお、母上は吾が体を案じ給ふか。よべの酒いささか残れども、かくいとつつがなし」


 姫君、快げに己の御腹を打ち叩き給へり。女王、いぶかしみつつ、重ねて問ひ給へり。


「さ、さやうか。なれば、その……林檎の味はひはいかなりしや?」


 姫君、心ゆきたるさまに頷きて答へ給へり。


「うむ。舌を刺すやうなめづらかなる心地いとをかしく、いとうまき林檎なりき。母の情け、確かに味はひたり」


 さ宣ひてふたたび横たはり給ひ、「酒の後は、なほ『ふるうつ』にしかるものなし」と宣ひ鼾をかき始め給へり。


 せむすべ尽き給へる女王、小さき者どもにあまたの物どもを賜びて、その費えを贖ひ給ひて、うちしをれて帰りゆき給ひけり。




 白雪姫、槍を投げ給ふ。この数日、朝ごとのならはしなり。

 広げ給へる御手(たなごころ)に、小さき者どもが第二の槍を載せ奉れり。


 白雪姫、ふたたび投げ給ふ。


 槍の向かふ方は、王城なり。遥かなる彼方に届く、娘が親君に贈る『もうにんぐこおる』なり。


「なにとぞ許させ給へ……。大殿(おほとの)北の方(きたのかた)におはしますを」


 耐へかねたる小さき者、諫め奉りぬ。姫君、その頭を押さへつけ給へり。小さき者、死を思ひまうく。


「親子の縁を切れと申すか? 母は過ちを悔い、おろかにこそあれ詫びに参りしなり。娘たる者、恨みを留めず交はりをふたたび結ぶは、人のならひにあらずや」


 姫君にのみは人の道を説くべきすぢなし――小さき者ども、心中かく呟けり。


「湯殿、沸きたるや? 朝の湯浴みて一献、いささか奢りに過ぐるや。ゆめゆめ覗き見るべからず」


 世に長らふる限り湯に浴み居給へ、また出で来給ふな――かく念ずれども、小さき者は口に出だすべくもあらず。



 かかる姫君のもとへ訪れし者ありしは、日たけて後のことなりけり。


 酔ひ痴れて出迎へ給へる姫君の前に現れしは、遥けき国より遣はされたる使ひなり。いみじき武勇のほまれ高く、死に所を求めて海を渡らむと宣ふ白雪姫の御うはさ、遠く伝はりければ、ともがらとならむこと(手出し無用)を乞はむとて遣はされたるなり。


「初めてまみえつかまつり侍り、白雪姫の御前。御名は遠く我が国までも伝はりて侍り」


 若くかたちよき使ひを前に、姫君、やをら問ひ掛け給へり。


「汝、王子なりや? 妾を狙ひて参りしか? 妾を望むか?」


「否、さにはあら――」


 姫君、いらへを待たず使ひを御肩に担ぎ上げ給へり。


「よし、王子に攫はれてやらむ」


 さて後、白象に跨り給ひぬ。


 小さき者ども、うれし涙にむせぶばかりなり。今しも姫君は去りなむ、おのれらもやうやうのがれぬべしと思ひあへり。


「小さき者どもよ! 付き従ひて参れ! (いち)はよきところぞ。酒も女も金も奪ふに任すなり。よからぬ小さき者(ごぶりむ)なれば、かかる物を好むものならむ?」


 小さき者どもいと本意なう思ひ、使ひはものにもあらずあきれゐたるを、姫君のみぞ心ゆきたるさまにてひとりごち給ふ。


「かの地、いかなる死地が妾を待ち居るか、心躍るかな」


 姫君、したりがほにうなづき給へり。


常世の国(ゔぁるはら)にて、かたちよく(すぱ)優しき背の君に(だりに)あつく愛しまるる(溺愛さるる)のどけき暮らし(すろうらいふ)なり。この佳人、薄命のいのち終ふるまで。しかして追放せし者は、鉄にて焼きたる靴を履かせられ『ざまを見る』――かかる運びにこそおはすれ」


 さて後、からからとうち笑ひ給ひけり。


漢文って身の丈◯尺って書いてあるイメージだったけど違うのを知りました。

勉強になりました。やっぱり漢文って難しい!

あと、なんか少し違うのは流石は中国ですね!

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― 新着の感想 ―
朝に龍を屠り 夕に妖鏡を黙らしむること 全て女王のためなれば 追放の憂き目にあひし姫の 心中いかばかりと思い すくろーるの指止まらず しかれども 女王ならびに小さき者どもに 振りかかりたまへる災い…
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