祝宴
すみません。
またこの章を飛ばしてしまいました。
次の日の朝、二人はハシバ国王の部屋にいた。
「まぁ、座ってくれ。紫音様も、どうかお座りください」
「いえ、このままで」
「わたくしも」
「ふむ、どうしたのかね?」
ハシバは、書き物をしていた手を止めて、不思議そうに二人を見た。
「父上、私達は結婚します。」
ハシバは一瞬、ぽかんとした顔をした。
その後、目が空中を泳いだ。
「今、なんと言った?」
「私は、紫音殿を妻にします。紫音殿も受けてくれました」
「ふむ・・・」
ハシバは二人を交互に見つめた。
「紫音様は・・・よろしいのですかな?」
「はい。わたくしも妻にしていただきとうございます」
「そうですか・・・」
ハシバは、座っている椅子をくるりと回し、しばらくの間、朝の光が降り注ぐ窓から外をみていた。
そして椅子から立ち上がり二人のそばに歩み寄ってき
た。
「わかった。わしは何も言うまい。おめでとう」
そう言ってハシバは、二人をソファーへ連れて行き、二人を座らせると自分も座った。
「紫音様。良く決心してくださいました。出来の悪い息子ですが、どうかよろしくお願いいたします」
「こちらこそ、不束者ですがお願いいたします」
「堅苦しい挨拶はもう止めじゃ。めでたいのぉ」
ハシバは相好を崩して笑った。
「ゼルダや、紫音様を妻にする覚悟は、出来ておろうな」
「はい。父上と母上のような夫婦になりたいと思っております」
ハシバは、上機嫌だった。
そして、今は亡き妻の思い出を語りだした。
それから三人は今後の事を話し合った。
打ち合わせが終わり、二人はシュリ婆に会いに行った
シュリ婆は、二人の結婚を喜んだ。
「紫音や、良かったのぉ。おなごは、好きな男のそばにおるのが一番ええんじゃ」
「お婆さん、ありがとう」
「ゼルダ様や、紫音をよろしく頼みますぞ。泣かせるようなことがあれば、このわしが許しませんぞ」
「はい、心得ております」
「はっはっはっ、えらく神妙じゃの。めでたい。めでたいわえ」
その日の夕刻、紫音とゼルダは、食事の間にいた。
シュリ婆も一緒だった。
ハシバ国王が、夕食を急遽きゅうきょ祝いの膳に変えさせて、身内で内々の祝宴を開いた。
レイカ姫も、姉が出来たと言って終始はしゃいでいた。
二人は主賓席に座らされ、皆の質問や冷やかしを受けながら、豪華な食事と共に、祝宴は楽しい余韻を残して終わった。
自分の部屋へ戻るゼルダと離れがたく、紫音はそのままゼルダについていき部屋に入った。
前に一度意識で訪れて以来、ゼルダの部屋に入るのは初めてで、着替えを終わるゼルダを待ちながら紫音は物珍しく部屋を見ていた。
着替えを終えたゼルダが、そっと後ろに立った。
そして紫音を抱きしめ、うなじにキスをした。
ゼルダの腕がゆるみ、紫音はゼルダと向き合った。
二人だけの夜が更けていった。




