タノールとの戦い
しかし彼等の心には、元の世界に戻ったという安堵感が広がっていた。
彼等は、ハシバ国王に平伏し、イシュタル国に忠誠を尽くすことを誓った。
ハシバ国王は、彼等の降伏を受け入れ、労いの言葉をかけてから、兵士全員に檄を飛ばした。
「皆の者!たった今新しい仲間が我々に加わった。これから更に、イシュタル国を豊かにしていく為に、かけがえのない仲間だ。皆の者も、旧知の間柄と思い、共に励まし合って行こうではないか!」
「おぉ~!」
兵士達は、雄叫びを上げて国王に応えた。
バルカ国の兵士だった者達は、メイチ国王と違い、ハシバ国王の兵達を思いやる熱い心情に打たれながら雄叫びをあげていた。
喚声が治まり、紫音がハシバに近寄った。
「国王さま」
「紫音様、おかげで助かりました。ここまで大人しく
降伏するとは、さすが紫音様です」
「国王様こそ部下の扱いはさすがですわ。所で、ハウ
ラがおりません。おそらくタノールの城に行ったと思われます。ちょっと向こうの様子を見てみます。」
紫音は目を閉じた。
そばではゼルダが、紫音を守るように寄り添っていた。
紫音がタノールの様子を空から見ると、城には兵士が集まっていて、ハシバ国王達を迎え撃つ準備をしているようだった。
紫音は目を開けた。
「タノールの城に兵がたくさんいます。どうやら我々
を迎え撃つつもりらしいですね」
「そうですか。城に戻って兵を集めてくるか・・・それとも暫く様子を見ますかな?」
「いえ、このまま行きましょう。たとえ敵が何十万、何百万いようと大したことではありません」
「そうですか。では、行きましょうか。」
ハシバ国王は、紫音の力を知り、今はもう信頼していた。
紫音はタノールへのゲートを開けた。
そのゲートは、五人が横一列で充分通れる大きさのものであった。
兵士たちが、あれは何だと口々に騒ぎ出した。
「静まれぃ!」
ハシバ国王が叫んだ。
「あれを通ればタノールへ一瞬で行ける。紫音様が開
けて下さったものだ。それから皆に言っておく。これからタノールの城へ向かう。向こうでは我々を待ち受けている様だが、紫音様がいれば、何十万敵がいよう
と物の数ではない。紫音様の命令に従えば我々は必ず
勝てる。今からそなた達も不思議な事を見るだろうが
全ては紫音様にお任せするようにせい!よいか!」




