城に招かれる3
ゼルダ王子も
「貴女でしたか・・・」
と言ったまま紫音を見つめた。
「何じゃ・・二人とも知り合いかえ?」
「いや・・そういうわけじゃ・・・」
「その節は失礼を致しました」
ゼルダ王子が、すかさず紫音の言葉を引き取って言った。
そして、城の庁舎で紫音を見かけた事を説明した後
「まさか貴女が紫音殿とは・・私を覚えていて下さった
のですね」
「えぇ・・まぁ・・」
「それでこの国の王子様が何の御用事ですかの?」
シュリ婆が用件を切り出さないゼルダ王子にじびれを
切らせたように言った。
「え・・王子様?・・・」
「これは申し送れました。私はイシュタル国、国王の息子のゼルダと申します」
「そうだったんですか・・それで私に御用時とは?」
「実は紫音殿に、城までご足労頂きたいのです」
「ということは、どなたかご病気なのですか?」
「えぇ、詳しいことは申せませぬが・・・是非にもお越し願いたいと・・・国王ハシバの代理でやってまいりました」
「それはいつお伺いすればよろしいのでしょうか?」
「出来れば・・・すぐこれからでも」
紫音はシュリ婆と顔を見合わせ、どうしたものかと思い迷っていたが、思い切ってゼルダに言った。
「国王様のお呼びでしたらすぐにも行かねばなりませんが・・・生憎患者が待っております」
「一頃よりはかなり減りましたが、それでもまだ新しく来られる方が何人かはいらっしゃいます。重病でない方は後日に日を指定して来てもらってますので、毎日そういう方の治療がありますから、すぐには行けないのです。」
「そこを何とか・・・お願いできますまいか・・」
ゼルダ王子の高圧的ではなく、哀願するような言い方に紫音は心が動いた。
「では少し・・考えて見ましょうか・・・」
そして予約の書かれた紙を見ていたが、やがて顔を上げて言った。
「じゃぁ、午前中に来る方は重病ではないので、その方たちには少し待っていただいて、今からお伺い致します」
「おお・・・そうして頂けると助かります」
ゼルダ王子は深々と頭を下げた。




