母子を救う5
紫音とシュリ婆が出て行った後、母親は子供を起こそうと手を伸ばしかけたが思いとどまり、子供の無邪気な寝顔を眺めた。
小さいときはまだ何とか見えていた目が段々と見えなくなり、近所の子供とも遊べなくなって泣いて帰って来た事や、見えないながらも一人で行動出来るようにと、自分なりに考えて工夫していることに心を打たれた事とかが自然と浮かんでくるのだった。
本当に目が治っているのならこの子も普通の生活ができるし思い切り遊ぶこともできる・・
そう思うとこれからの子供との生活が希望あるものに満ち溢れてくるのだった。
やがて子供がふいに目を開けた。
「お母ちゃん・・・」
「あ、ユリちゃん。起きたかい?目は?目はどう?」
「え?・・・あれ?・・・目が見える・・・お母ちゃんの顔がはっきり見えるよ!!」
「そうかいそうかい・・・良かったね。ほんとに良かった・・・」
子供の喜ぶ姿を見て母親は涙が止まらなかった。
子供は目が見えるようになってあたりをきょろきょろと見回していた。
本当に目が治ったんだ・・・
母親はそう思うと、今更ながらに自分の体とこの子の目を治してくれたあの少女に、感謝の思いがわいてくるのだった。
「さぁユリちゃん帰ろう。あんたの目はね、あのお姉さんが治してくれたんだよ。私の体も治してくれたんだよ」
「えー、じゃぁ、お母ちゃんもう寝てなくていいの?もう苦しくはないの?」
「うんうん・・・もうお腹も痛くないしね。すごく気分がいいの。お母さんお腹が空いちゃったから帰りに何か食べて帰ろうね」
「うん!」
母親は子供の手を引いて、紫音達のいる部屋へ入っていった 。




