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紫音の少女  作者: 柊 潤一
宿命
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母子を救う2

 話しを聞き終えて紫音は、泣き崩れている母親に優しく話しかけた。


「お母さん・・・あなたはもう十分に苦労したわよね

?あなたが今まで溜め込んで持っていた悪い巡り合わ

せを起こす種を使い切れば・・・」


「後は苦労しなくて済むのよ。わかる?」


「これからはあの子と一緒に幸せになっていくのよ。

顔を上げて私を見て」


 母親は泣いていた顔を上げて紫音を見た。


 そしてその紫色に深く透き通っている二つの瞳の綺麗さに見入ってしまい、瞳の中に吸い込まれていきながら意識がなくなっていった。


「お母ちゃん!お母ちゃん!」


 母親ははっとして子供を見つめた。


「お母ちゃんどうしたの?」


 あれ?私は何をしていたんだろう?


 夢を見ていたような気がする・・・


 子供と一緒に美味しいものを食べようと店に入って食事を注文して食べ終わった後で・・・


 誰かと話していたような気がするのだが・・・


「あぁ、ごめんね。ちょっとぼうっとしちゃって。ユ

 リちゃん美味しかった?」


「うん!とっても美味しかったよ!また食べたいね」


 子供は無邪気に喜んではしゃぎながら答えた。


「うん。また来ようね」


 母親は無理に作り笑いをしながら言った。


 母親は、子供をつれて店を出ると、途中で農薬を買い求め家路に着いた。


 そして、家に帰ると二つのコップに飲み物を入れ、農薬を混ぜた。


 それから、子供のところへやってきて、子供に言った。


「お母さん、疲れちゃったから寝るね。一緒にお昼ね

しよう」


「うん、いいよ」


「喉が渇いたでしょ?何か飲もうね」


 そう言って母親は、二つのコップを持ってきて、子供が飲んでしまうのを見届けてから、コップの中の物を一気に飲み干した。


 飲み物が、喉を通って行ったすぐ後で、喉が焼けるように熱くなり、続いてその焼ける熱さは胃の中へと入っていった。


 のた打ち回る苦しみの中で、彼女は思わず我が子を見た。

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