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人間が生理的に無理なので魔王やります  作者: あんぱん隊長
第1章 サキュバスの国
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第6話 奇襲

 俺の立てた戦術は予想以上に上手くいっているようだ。


 此方も予定通り動くとしよう。


 俺たちは森を迂回して今はオーク兵の後方にいる。


 問題はここからだ。不意打ちで弓兵を仕留めたい。

 しかし、砦からの弓が飛び交っている今の状況では弓兵に気づかれずに近づくのは容易ではない。


 弓で後方から仕留めたいところだが気づかれないためには同時に仕留める必要があるということだ。


 道の左右の森からというのも考えたが砦から放っている、急ピッチで量産した粗悪な弓は風に左右されやすく、流れ矢に当たったら目も当てられない。


 なので大きく回り込み砦の弓の射程外から射る必要がある。


 撃ち漏らした兵も出るだろう。そこでそれらも倒す作戦に出る。


 強引な手だがこれしかない。痺れ薬を塗った槍を掠らせれさえすればいいのだ。



 ということでここにいるのは弓担当の12人と俺を含む撃ち漏らしたやつを倒す一応この国の兵士から選出された兵8人である。


 兵士の錬度は下がりきっており、一般人に毛が生えた程度なわけだが。

 そもそも国の兵士が30人って……。自警団規模である。


 弓兵については、城仕えをしていたメイド達に弓の練習をさせていたら「弓術Lv1」を取得した人がいたので砦に数人とこちらに配置してある。

 ここで驚きなのがルナさんである。弓の練習に参加していたら熟練度の伸びが早く「弓術Lv2」を取得するまでに至ったのだ。


 弓の練習をさせていて気づいたのだが、「この世界ではやれば熟練度は必ず上がる。しかし上がりの伸びが凄い人が稀に存在する。」ということだ。


 全力で弓を量産し、半月ほど訓練を行った。

 全く才能のないメイドでも弓を1000発射たら、熟練度が1ずつ必ず上がっていた。

 必ず1上がるのだ。努力は報われる。


 大体の人は「弓術Lv1」を取得するのに平均して3000発を必要とした。つまり1000発射て熟練度は3~4上がっていた。

 平凡な才能でこれぐらいだろう。


 つまり平凡な人が「弓術Lv2」に至ろうとした場合、9000発弓を射る必要があるのだ。

 あまりいい弓でもないので訓練していない人族だと1日100発も射れないだろう。そこを人間よりステータスの高いサキュバスメイド達は200発近く練習したのだが。


 ルナさんは遅れて訓練に参加したにも関わらず「弓術Lv2」に達した。


 並の人間より熟練度の上りが2倍以上あり、もはや天才といって過言でないだろう。



 ちなみにルナさんのステータスはこんな感じだ。



ステータス

 名前:ルナ


 種族:サキュバス


 職業:メイド


 年齢:124


 Lv:1(経験値0/10)


 HP:210/210


 MP:300/300


 筋力:115


 耐久:105


 素早さ:115


 称号:「弓の才能」


 魔法:「初級無属性魔法」


 スキル:スキル「弓術Lv2(熟練度2/20)」「料理Lv4(熟練度37/40)」「掃除Lv4(熟練度4/40)」「性技Lv5(熟練度0/50)」「浮遊Lv1(熟練度1/10)」「風属性魔法適正」「無属性魔法適正」


 耐性:なし


 状態:なし


詳細


 称号「弓の才能」・・・弓術スキルが短期間でLv2に達した証。弓の命中に補正。




 ……凄いの一言である。

 ちなみに妹にも才能があるんじゃないかと思って練習させたが並かそれ以下な感じだった。才能が遺伝したりするとは限らないよね。胸の話じゃないよ。


 他にステータスで気になったのが「性技Lv5」はサキュバスの生まれ持ったスキルに見えるが、処女の妹さんと性技のレベルと熟練度が同じなのを見るともしかしてお姉さんも処j


 作戦に移ろう。


 何かあった時のためにこちらの弓兵は12人いるので2人は同じ兵を狙うことになる。

 軽く打ち合わせをして、いつでも射れる準備を整える。


 タイミングを合わせるためにカウントダウンを始める。



5……4……


3……


2……


1……


0!!!


 矢が放たれると同時に撃ち漏らしの襲撃班は行動を開始する。この矢を確認したら砦の弓兵は敵の弓兵に矢を放つのをやめる。


 そして襲撃班の俺たちは撃ち漏らした敵に向かって駆け出す。



 撃ち漏らした兵を確認する。1、2、3人だ。

 この短期間で粗悪な弓でここまでやれるようになったんだ。城仕えのメイドたちは称賛に値する。


 弓に当たった兵が出た時点でその3人は振り返っているからこちらにはすぐに気付くが、その気づいて弓を引くまでに接近出来るかが今回の鍵だ。


 肉弾戦をすれば間違いなくサキュバスは負ける。

だが、よっぽど判断力の優れたやつでなければ瞬時に弓を捨てて肉弾戦に持ち込まれることはないだろう。


 俺はオークと対峙する。

 ステータス的にも俺が高いので余裕で接近することができた。

 痺れ薬を塗った槍を突き刺す。オークはすぐに倒れた。


 この世界の痺れ薬は凄い。簡単に植物から生成したもので皮膚に触れただけで一瞬で無力化できるのだから。


 この植物はリーゼさんの資料に入っていたかなり年季の入った植物図鑑に載っていたもので、

 ミーナから聞いたこの国のおすすめスポットの一つ「私が見つけた秘密の花畑」に大量に自生していた。


 宝物庫といい、もう終わりだと嘆かれていたこの国に凄い価値のあるアイテムが大量に存在しているのはなんなのか。


 残りの2人はやれたのか、見てみると、1人はやれていたが、もう1人の方が接近する前に弓を放ちうちの兵が負傷していた。


 これは拙い。


 未だ負傷していない兵が突っ込んで行っているが、厳しい。


 後方から見ていたがこのオークはおそらく精鋭達だ。


 精鋭であることは予想していたが予想以上に砦の弓兵に被害が出ていた。


 こいつらは強い。「弓術Lv2」か「弓術Lv3」を持っているレベルだろう。

天才だと思われるルナさんと同等、それ以上なのだ。


 そんな兵に正面から突っ込むのは自殺行為以外の何物でもない。


 あいつらがやられた後どう動こうかに思考が回り始めたその時



 オークが倒れた。


 矢を食らっていた。



 驚いて後方を見てみるとルナさんがしたり顔でこちらに視線を送っていた。



 こうして弓兵の処理は完了した。

 後は砦の方か。うまくやってくれるといいんだが……。

大体1話分の文字数を同じぐらいにしたいのですが難しいですね。

話の区切りを悪くはしたくないですし。


「状態異常」の項目を「状態」に修正しました。

「状態異常」だとバットステータスに使われるイメージがあるなと思いまして。

あらすじの脱字を発見、修正しました。

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