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理不尽

今回はかなり皮肉目線入ってます……。

 子供の反抗期が終わった。と勘違いをする親がいる。実際は、自分の意見を押し通そうとする親に、無力感を覚え、言いなりになっているだけだと言うのに。

 だからこうやって膿を出すのだ。自分の話をただ惚けた顔をして聞き流してくれる者に。皆、救いを求めてさ迷うのだ。


 とある骨董品店。やんわりとした光の中、年代もののアンティークが行儀良く立ち並んでいる。その中に店主である叔父と、そっぽを向いて突っ立ている私がいた。

「もう、閉店ですよ」

「客じゃないのだから、良いじゃないか」

 私は戸棚に飾られたフランス人形を抱き、ウェーブのかかったブロンドを撫でていた。人形はそこその重さを持ち、されるがままになっている。

 正直、人形というのはあまり好きではない。どちらかと言えば縫いぐるみの方が好きだ。でもこの時ばかりは別だった。それはきっと、人形を自分の代わりとして扱いたかったからだろう。

「また何かストレスでも溜め込んだのですか?」

「別に。ストレスと言うほどのものじゃない」

 抱きかかえた人形を定位置に戻し、別の人形を抱く。茶パツのロングヘアに、黒いロリータをまとった西洋人形だ。

 私はそれをさっきと同じ様に撫でながら、ぽつぽつと話す。

「質問していおいて、選ばせておいて、自分の意見を言うのは、理不尽だと思う。じゃあ聞くなよって思う」

 質問するのも、選ばせるのも、相手に権限を委ねるという事だ。其処に相手の意見は介入することはない。

 其れを親の権限でどうこうするというのは、はっきり言って筋違いだ。

「そうですね」

「あと逐一突っかからないで欲しい。苛たってるって思うなら、ほっといて欲しい。一人でかってにムカついているだけなのに、どうして質問するのかなぁ……」

 自分よりも一回りも二回りも小さい人形の手を握りながら、沈んだ溜め息をついた。

 ──君に言ったって何にも成らないけどさぁ。

「人間は、我が儘な生き物だから。自分の意見に反対されるよりかは賛同してくれる方が良い。悪気はないのです。そしてね、突っかかるのは、貴方の事が心配だから」

 穏やかな声が耳を通過した。だが最後の“心配だから”という言葉を耳にしたとき、頭の何かが切れた。

「質問するだけして、禄に其れを聞きもしないで、責任を私に擦り付けているだけの癖に!?」

「ええ」

 沸々と腹の中で沸いた怒りが暴れまわり、殊更強く人形を抱き締める。今やっていることは、親がやった事とさして変わらない。頭を冷やせ。と理性が訴えかけてくる。

「何が正しいか分からない……。親は……子供の見本になる筈なのに……」

「だから見極めなさい。自分が正しいと思った事だけを貫きなさい。貴方はそれが出来ない程に白痴でもなく、汚れてもいないでしょう? 分からなくなったら、それこそ人に聞けばいい」

 叔父はそう言って、私が人形にしたように頭を撫でた。


             ─終─


 ──貴方が思っている以上に、あの子は傷付いていた。

「ええ。でも学ばなくてはならない。この世の不合理を」

 ──厳しいね。

覚って結構我が儘で、奔放な性格をしているんですよね~……。

本当、まだまだ子供です。


打ち切り(?)ではありません。

詳しくは緊急連絡をご覧下さい_(._.)_

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