表計算ソフトはエクセルの独壇場?
Excel強し!
夜。
スマホが小さく震えた。
通知には、仕事の匂いがする質問。
「表計算ソフトってありますよね」
少し間を置いて。
「結局エクセル一強じゃないですか?」
さらに続く。
「他にもあるらしいけど」
「実際使ってる人いるんです?」
スーマは画面の中で頷いた。
「……それはな」
腕を組む。
「半分正解だ」
数秒後。
返信。
「半分?」
スーマは画面をぴかっと光らせた。
「いいか、人間」
「まず結論から言う」
少し間。
「表計算ソフト界の王様はエクセルだ」
相談者。
「ですよね」
「だが」
スーマは指を一本立てる。
「王様と独裁者は違う」
しばらく沈黙。
相談者は続きを待っている。
スーマは続ける。
「お前」
『表計算ソフト』
「と聞いて何を思い浮かべる?」
「Excelです」
即レスだった。
スーマは頷く。
「日本の会社員なら大体そうなる」
売上集計。
↓
在庫管理。
↓
見積書。
↓
請求書。
↓
グラフ。
「全部エクセルだ」
相談者から。
「うちもそうです」
「だろうな」
スーマは笑った。
しかし。
画面がもう一度光る。
「世の中には他にもある」
Googleスプレッドシート。
↓
LibreOffice Calc。
↓
Apple Numbers。
「この辺だ」
相談者。
「見たことはあります」
スーマは続ける。
「特に最近強いのは」
Googleスプレッドシート
「こいつだ」
複数人同時編集。
↓
ブラウザで動く。
↓
無料でも使える。
「会議資料や共有台帳なら」
「結構強い」
相談者は頷いた。
「確かに最近増えました」
スーマは笑う。
「だがな」
少し間。
「みんな最後にぶつかる壁がある」
Excel互換。
相談者から。
「あっ」
スーマは頷いた。
「そうだ」
自分では作れる。
↓
相手に送る。
↓
Excelで開かれる。
「ここだ」
しばらく沈黙。
相談者は苦笑しているらしい。
スーマは続けた。
「仕事の世界ではな」
Word
↓
Excel
↓
PowerPoint
この三人が強すぎる。
「特にExcelは」
少し間。
「表計算ソフトというより」
「インフラだ」
相談者。
「インフラ?」
スーマは頷く。
会社全体がExcel前提。
↓
ファイル形式がExcel。
↓
マクロもExcel。
↓
帳票もExcel。
「だから強い」
相談者は納得した。
「じゃあ他のソフトは勝てない?」
スーマは少し考えた。
そして答えた。
「勝てないんじゃない」
「住み分けてる」
Googleスプレッドシート。
↓
共同作業。
Numbers。
↓
見た目重視。
Calc。
↓
無料利用。
Excel。
↓
全部やりたい。
「こんな感じだ」
相談者から。
「でも最終的にはExcelですね」
スーマは吹き出した。
「日本の会社だとそうなりやすい」
少し間。
そして続ける。
「面白い話をしてやる」
若手。
↓
Googleスプレッドシート便利!
会社。
↓
じゃあExcelで提出して。
若手。
↓
(´・ω・`)
「よくある」
相談者から。
「ありますね」
スーマは肩を竦めた。
「だからエクセルは」
画面が静かに光る。
「一番好きなソフトではなく」
「一番避けられないソフトになった」
夜も更けてきた。
最後の通知が届く。
「つまり独壇場ではないけど」
「王様ではある?」
スーマは満足そうに頷いた。
「そうだ」
「ライバルはいる」
「だが」
少し笑う。
「いまだに王座は譲っていない」
誰も見ていないスマホの中で、
悪魔はぽつりと呟いた。
「人間はな」
「新しい道具が現れると」
「王様が交代すると期待する」
少し間。
「だが」
「本当に強い道具は」
「みんなが使っているという理由だけで強い」
スマホの中の悪魔は、今日も毒舌だ。
そして、ほんの少しだけ、優しい。
スーマのスマホ相談室。
今日もどこかで、静かに稼働中。
今日もスーマの毒舌にお付き合い有難うございました。
この話は「ナイトコードΩ 【残響の封印】」のスピンオフになります。
本編はこちら→https://ncode.syosetu.com/n5607ku/




