心霊写真はデジタルだと映らない?
こうゆう特集って見なくなりましたよね。
深夜。
スマホが小さく震えた。
通知には、少し怖い質問。
「昔は心霊写真ってよく聞きましたよね」
少し間を置いて。
「でも最近あんまり聞かなくないですか?」
さらに続く。
「デジタルカメラだと映らないんですか?」
スーマは画面の中で眉をひそめた。
「……夏らしい質問だな」
昔の心霊特集を見返していたらしい。
スーマは腕を組む。
「いいか、人間」
画面がぴかっと光る。
「まず結論から言う」
少し間。
「デジタルでも映る」
数秒後。
返信。
「え?」
スーマは頷いた。
「少なくとも」
「昔の心霊写真で言われてたような現象は」
「デジタルでも写る」
相談者は首を傾げた。
「じゃあ何で減ったんです?」
スーマは指を一本立てた。
「理由はな」
画面がもう一度光る。
「写真の正体がバレやすくなったからだ」
しばらく沈黙。
相談者は続きを待っている。
昔の写真
フィルム。
↓
現像。
↓
出来上がり。
「昔は工程が多かった」
スーマは続ける。
「二重露光」
「現像ミス」
「フィルムの傷」
「光の写り込み」
こういうものが起きる。
相談者から。
「それが幽霊に見える?」
「そうだ」
即答だった。
知らない人が見る。
↓
顔に見える。
↓
心霊写真誕生。
「割とこんなケースが多かった」
デジタル時代
相談者は聞く。
「じゃあ今は?」
スーマは肩を竦めた。
「別の現象がある」
レンズフレア。
↓
ホコリ。
↓
反射。
↓
画像処理の誤認識。
「こいつらだ」
相談者。
「オーブとか?」
「そう」
スーマは吹き出した。
「心霊番組でよく飛んでた丸い光」
ホコリ。
↓
水滴。
↓
フラッシュ反射。
「説明が付くことも多い」
しばらく静かになる。
そして相談者。
「じゃあ心霊写真そのものが無くなった?」
スーマは首を振る。
「いや」
画面が静かに光る。
「むしろ今の方が写真は多い」
スマホ。
↓
SNS。
↓
毎日何億枚も撮影。
「だから変な写真も大量にある」
相談者。
「確かに」
スーマは続ける。
「ただな」
「昔と決定的に違うことがある」
みんな画像加工できる。
相談者。
「あっ」
スーマは頷く。
「今は」
心霊写真
↓
本物?
↓
加工?
区別が難しい。
「だから昔みたいに」
『うわあああ!本物だ!』
「とはなりにくい」
相談者は少し考え込んだ。
そして聞いた。
「じゃあデジタルだと霊が嫌がる説は?」
スーマは吹き出した。
「知らん」
即答だった。
「もし幽霊がいたとして」
「CMOSセンサーの仕組みを理解してるかどうかは」
「俺にも分からん」
相談者から。
「それもそうですね」
夜も更けてきた。
最後の通知が届く。
「つまり心霊写真が減ったんじゃなくて」
「説明できるようになった?」
スーマは満足そうに頷いた。
「だいたいそうだ」
昔。
↓
写真が珍しい。
↓
不思議が残る。
今。
↓
画像解析。
↓
ネット検証。
↓
拡大可能。
「謎の寿命が短くなった」
誰も見ていないスマホの中で、
悪魔はぽつりと呟いた。
「人間はな」
「昔は幽霊を信じた」
少し間。
「今は加工を疑う」
さらに少し間。
「だが」
「どっちの時代でも」
「変な写真を見ると拡大したくなるのは変わらない」
スマホの中の悪魔は、今日も毒舌だ。
そして、ほんの少しだけ、優しい。
スーマのスマホ相談室。
今日もどこかで、静かに稼働中。
今日もスーマの毒舌にお付き合い有難うございました。
この話は「ナイトコードΩ 【残響の封印】」のスピンオフになります。
本編はこちら→https://ncode.syosetu.com/n5607ku/




