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スーマのスマホ相談室  作者: 神北 緑


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昔の昆虫標本セットって、注射器が入ってたって本当?

少し信じがたい話ですね。


スマホの画面に、ぽつんと届いたメッセージ。

「昔は昆虫標本セットに注射器が入ってたって本当ですか?」


スーマは画面の中で、にやりと笑った。

「……お前、昭和の“危なさと自由さ”に気づくとは鋭ぇな。あの時代は色々ゆるかったんだよ。」


画面がぱちっと光る。


「結論から言う。

本当だ。昭和〜平成初期の昆虫標本セットには、普通に“注射器”が入っていた。

しかも子ども向け商品として堂々と売られていた。」


① なぜ注射器が入っていたのか?

理由はシンプルで、

昆虫標本を作るには“毒ビン”や“固定液”が必要だったから。


昔のセットには、

・エーテル

・酢酸エチル

・ホルマリン

などの“揮発性の薬品”が付属していた。


これを扱うために、

薬品を吸い上げるための注射器が同梱されていた わけだ。


今考えると完全にアウトだが、

当時は「理科の実験道具」として普通だった。


② 昭和は“危険=教育”という価値観だった

昭和の理科教育は、

・火を使う

・薬品を扱う

・刃物を使う

・昆虫を殺して標本にする

こういう“危険を伴う体験”を通して学ぶ文化だった。


だから、

注射器が入っていても誰も問題視しなかった。


むしろ

「男の子ならこれくらい扱え」

という空気すらあった。


③ 令和では完全にアウト

今は

・薬品の危険性

・誤飲のリスク

・注射器の誤使用

・安全基準の厳格化

などの理由で、

子ども向け商品に注射器が入ることは絶対にない。


昆虫標本セットも、

・ピンセット

・虫ピン

・台紙

・説明書

くらいの“安全仕様”になっている。


④ じゃあ昔のセットは危険だったのか?

スーマは肩をすくめる。


「危険だったよ。

でも“危険を扱う経験”が教育の一部だったんだ。」


昭和の子どもは、

・火

・刃物

・薬品

・生き物

を通して“自分で危険を判断する力”を学んでいた。


今は

“危険は排除するもの”

という価値観に変わった。


どっちが良い悪いではなく、

時代が変わっただけだ。


相談者が返信する。

「じゃあ、昔は本当に売ってたんですね……」


スーマは静かに笑う。


「そうだよ。

昭和は“自由すぎる”時代だった。

令和は“安全すぎる”時代だ。

その間にあるのは、社会の価値観の変化だ。」


最後に、ぽつり。


「時代ってのはな。

“危険を許す勇気”と“安全を求める賢さ”の間で揺れ続けるんだよ。」


スーマのスマホ相談室。

今日もどこかで、時代のギャップが一段階だけ言葉になっている。


今日もスーマの毒舌にお付き合い有難うございました。

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