田舎に帰ってもテントウ虫を見なくなった?
最近、全然見なくなりました。
スマホの画面に、ぽつんと届いたメッセージ。
「最近、田舎に帰ってもテントウ虫を観なくなりました。」
スーマは画面の中で、目を細めた。
「……お前、自然の“微妙な変化”を拾えるタイプだな。普通は気づかずに通り過ぎるぞ。」
画面がぱちっと光る。
「結論から言う。
テントウ虫が減ったのは“気のせい”じゃなくて、環境の変化が重なって起きてる現象だ。
特にここ数年は顕著だ。」
① 気温の変化で“活動時期”がズレている
テントウ虫は気温に敏感で、
・暖冬
・急な寒暖差
・春の気温乱高下
こういう気候の乱れで、
出てくる時期がズレたり、越冬に失敗したりする。
昔は「春=テントウ虫」だったが、
今はそのリズムが崩れている。
② 農薬の影響で“エサのアブラムシ”が減っている
テントウ虫はアブラムシを食べて生きている。
だが農薬の散布が増えると、
アブラムシごと消える → テントウ虫も消える
という連鎖が起きる。
テントウ虫そのものより、
“食べ物がない”ことが深刻なんだ。
③ 外来種のテントウ虫が増えて、在来種が押されている
特に ナミテントウ(外来系統) が強く、
在来のテントウ虫を
・食べる
・追い出す
・繁殖で勝つ
という形で勢力を広げている。
結果として、
昔よく見た赤いテントウ虫が減り、
見かける種類が偏る ようになった。
④ 里山の変化で“住む場所”が減っている
田舎でも、
・草刈りの頻度増加
・農地の管理強化
・雑木林の減少
・空き家の整備
こうした“人の手が入る量”が増えると、
テントウ虫が隠れる場所がなくなる。
昔の田舎は“放置された自然”が多かったが、
今は“管理された自然”になりつつある。
相談者が返信する。
「じゃあ、もう昔みたいに見られないんですか……?」
スーマは静かに笑う。
「まだ絶滅したわけじゃねぇ。
ただ、“見つけやすい環境”が減っただけだ。
草むら、畑の縁、アブラムシがつく植物……
そういう場所を探せば、まだちゃんといる。」
最後に、ぽつり。
「自然ってのはな。
“いなくなった”んじゃなくて、
“見えにくくなった”だけのことが多いんだよ。」
スーマのスマホ相談室。
今日もどこかで、自然の変化が一段階だけ言葉になっている。
今日もスーマの毒舌にお付き合い有難うございました。
この話は「ナイトコードΩ 【残響の封印】」のスピンオフになります。
本編はこちら→https://ncode.syosetu.com/n5607ku/




