地下電柱化って、本当に進んでるのか?
私の移住地ではあまり関係ない話ですかね。
スマホの画面に、ぽつんと届いたメッセージ。
「地下電柱化って進んでるんですか?」
スーマは画面の中で、ふっと笑った。
「……お前、街の“違和感”を拾えるタイプだな。そういう目線は悪くねぇ。」
画面が、ぱちっと光る。
「結論から言う。
地下電柱化は“進んでるようで、ほとんど進んでない”。
理由はシンプルに“金・時間・手間”がバカみたいにかかるからだ。」
スーマは指を鳴らす。
① 地下に埋めるコストが高すぎる
「電柱をなくして、
・電線
・通信ケーブル
・変圧設備
全部を地下に埋めるには、
道路を掘り返して巨大な管を通す必要がある。
これがとにかく高い。
電柱1本の撤去より、
地下化は10倍以上のコストがかかることもある。」
② 工事に時間がかかりすぎる
「地下化するには、
・道路封鎖
・交通規制
・周辺住民への説明
・埋設物の調査
こういう“地味に面倒な作業”が山ほどある。
だから、
都市部ほど地下化したいのに、都市部ほど工事が進まない。
皮肉な話だ。」
③ 地震大国ゆえの“別のリスク”
「日本は地震が多い。
地下に埋めると、
地震で壊れた時に復旧が遅れる という問題がある。
電柱なら折れてもすぐ交換できるが、
地下ケーブルは掘り返さないと直せない。」
スーマは肩をすくめる。
「“安全のために地下化”と言いながら、
災害時は逆に弱くなるという矛盾がある。」
④ とはいえ、全く進んでないわけじゃない
「東京の中心部や新しい街では、
少しずつ地下化が進んでる。
ただし、
全国の電線のうち地下化されてるのは数%レベル。
“日本中が無電柱化される未来”は、
まだまだ遠い。」
相談者が返信する。
「じゃあ、地下電柱化って理想だけで現実は難しいんですね……」
スーマは鼻で笑う。
「そうだよ。
街づくりってのは、理想より現実の方が重い。
金・時間・災害・住民の生活、
全部を天秤にかけて、
“できるところから少しずつ”ってのが現状だ。」
最後に、ぽつり。
「インフラってのはな。
変えたい気持ちより、
変えられない事情の方が強いんだよ。」
スーマのスマホ相談室。
今日もどこかで、街の仕組みが一段階だけ見えるようになっている。
今日もスーマの毒舌にお付き合い有難うございました。
この話は「ナイトコードΩ 【残響の封印】」のスピンオフになります。
本編はこちら→https://ncode.syosetu.com/n5607ku/




