日本アニメを集めて、アベンジャーズみたいにできないの?
一度で良いから見てみたい。
夜。
MAPPAだの東映だのを思い浮かべながら、ちょっと夢のある相談が届いた。
「日本が誇るアニメキャラを集めて、アベンジャーズみたいな夢の共演ってできないんですか?」
スーマは、画面の中でゆっくり首を振った。
「……結論から言うぞ」
画面が、ぴかっと光る。
「作ろうと思えば作れる」
「だが、アベンジャーズと同じやり方は、日本アニメでは成立しねぇ」
「理由は才能不足でも、発想不足でもない」
理由① 権利が分かれすぎている
スーマは指を一本立てる。
「アベンジャーズはな」
マーベルが原作を一括管理
映画も
キャラ設定も
世界観も
「全部一つの会社の傘の下だ」
一方、日本は。
原作:漫画家
出版社:別
アニメ制作会社:別
委員会方式
「悟空一人借りるのに、どれだけハンコ要ると思う」
「調整だけで一年溶ける」
理由② 世界観の“温度差”が激しすぎる
スーマは続ける。
「日本アニメはな」
それぞれが
“完成された宇宙”
巨人と戦うリアル路線
魔法少女
日常系
超抽象SF
「これを無理に混ぜると」
「ファン同士の戦争が始まる」
「“どっちが強い?”“設定守れ”“解釈違い”」
「地獄だ」
理由③ 日本は“混ぜたがらない文化”
スーマは少し声を落とす。
「日本の作品文化はな」
“この物語は、この作者のもの”
「という尊重が強い」
「だから」
他作品に便利に使わせない
キャラを道具にしない
雑に消費させない
「クロスオーバーをやると」
「“軽く扱われた”と感じる層が必ず出る」
「じゃあ、日本では無理なの?」
スーマは首を振る。
「完全に無理、じゃねぇ」
スーマは、はっきり言う。
「日本がやってるのは」
キャラ集合じゃなく、“文脈の共有”
同じ監督
同じテーマ
同じ思想
「例えば」
富野作品群
押井作品群
サンライズ系
TYPE-MOON
「世界が緩く繋がる」
「これが日本型だ」
スーマは少し笑う。
「もし“日本版アベンジャーズ”を無理やり成立させるなら」
パラレルワールド前提
ギャグ寄り
一回限りの祭り
「つまり」
“本編とは切り離す”
「本気でやると壊れるから、本気にしない形でやる」
「それが日本の優しさでもあり、弱点でもある」
スーマは、ぽつり。
「日本アニメはな」
「混ぜない代わりに、一作一作の密度が異常に高い」
「キャラをユニットとして扱わない」
「だから、世界に刺さる時は、単独でぶち抜いてくる」
「アベンジャーズ型じゃなく」
「ワンパン型だ」
スーマは、短く切る。
「日本がアベンジャーズを作れない理由は」
権利構造
世界観の完成度
創作者への敬意
「出来ないんじゃない」
「“やらない方が強い”と分かっているだけだ」
最後に、ぽつり。
「もし日本が、本気で全部混ぜ始めたらな」
「それはもう日本アニメじゃなくなる」
「交差しないからこそ、輝いてる世界もある」
スーマのスマホ相談室。
今日もどこかで、「夢は無理?」が「やり方が違うだけ」に
静かに言い換えられている。
今日もスーマの毒舌にお付き合い有難うございました。




