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断章
男は、余裕の表情で進んでいた。
主から受けた新たな命令は、至極簡単なものだったからだ。
しかもその役目が終われば、この世界での自分の役目は終わりだとまで仰った。
曰く、「より確実な方へ計画を変更した」と。
そのため、自分の抹殺対象が変更されたのだと。
正直、男はどちらでもよかった。
死ぬのは3人だけ。このまま行けば、被害は最小限に、主人の願いは叶うのだから。
王は、いや、王となる者は、焦っていた。
支配の気配が薄れ、『風』が死んだことが分かっていたからだ。
自分の城となるべき場所の前に門番を2人配置したところで、それすらも突破してきてしまうかもしれない。
この世界の本質は『打倒』だ。『支配』するだけでは、『珠』はこちらに振り向かない。
そのために場を整えた。そのために『支配』を繰り返した。
だがそれも崩れつつある。
最終的にこちらの勝利は見えていても、王となる身としては、乱暴に武器を振るって強引に勝てばよい、というものでもない。
求められるのは勝利ではない。『絶対』、すなわち『圧倒』なのだから─




