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名前を失う異世界物語  作者: きなこもち
1章・生存競争
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破裂

僕の刀に、落雷が直撃した。

だがそんなこと、ルーアンはもう気にしない。

─前しか、見ていない。

「いけ、ルーアン!」

「ルーアンさん!」

敵のチャージも終わったようだ。

「『風』のスバルッ!」「『炎』のルーアンッ!」

2人の声が重なる。

「「今こそお前を、撃ち堕とす!!!」」

「『爆炎』!」「『暴風』!」

『爆炎』と『暴風』が、ぶつかる。

炎は風によりさらに強く燃え上がり、風はそれすら消さんばかりの猛威をふるう。

「燃え上がれェェェェェェェェェェェェェェ!」

「吹き荒れろォォォォォォォォォォォォォォ!」

既にスバルも、その浮遊を解いている。

それほどまでの、本気のぶつかり合いなのだ。


2つの大技は、全くもって互角だった。

そしてついに、大きすぎる力の相克は、破裂をもって消滅した。

2つの力に、全く持って違いはない。

違うものといえば─

「ルーアン!」

「ルーアンさん!」

炎のような赤毛の少女を追いかける、ふたつの背中だけだった。

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