怪物・解説13 「みのたろうす」
「みのたろうす」
現在の南伊勢の五ヶ所浦にはその昔、深い洞穴があり、
「牛鬼」と呼ばれる化け物が棲んでいた。
伊勢の町とも近いので、桃太郎はこの牛鬼を配下に引き込んで──
と思いきや、実はギリシア神話に登場する「ミノタウロス」がその正体である。
──どうして海外の怪物を桃太郎は召喚できたのか? については、
作者としても「まったくもって謎」であるが、
きっと凄まじい神通力のなせる業に違いない。
神話によれば、ミノス王の妻であったパシパエは、海の神ポセイドンの怒りを買い、雄牛に猛烈な恋をして、性的に交わるよう仕向けられる。そうして生まれたのが、頭は牛・身体は人間のミノタウロスであった。
作中の「みのたろうす」が使う幻を見せる能力、「だいだらの空牛」は、実をいうとパシパエの荒業にヒントを得ている。
ポセイドンの洗脳によって、どうしても雄牛と交わりたいパシパエ。
ダイダロスという有名な大工に頼み、
よくできた牝牛の模型を作らせ、
それで自分の身体を覆い、
あとは興奮した牛がやってくるの待って・・・
という、
なんとも凄まじい荒業をやってのけているのだ!
この、模型を作る → つまり、偽物を作る → 転じて、幻を作る
との拡大解釈から「みのたろうす」の能力は設定されている。
また嫉妬深かったパシパエは、夫が別の女を抱こうとすると、魔法の力で相手の女性を殺害したともいうので、「みのたろうす」の才能は母親譲り──かもしれない。




