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ドリームダイバーズ  作者: は〜げん
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第三話 お嬢様、アリス様

第三話っす。猫ってかわいいですよね

前回までの三つのあらすじ

1.いざゆかん夢の世界へ

2.なのはとマコトは変身しました

3.マコトのことを先輩と呼び始める



春の温もりが暖かいなか、なのはは布団の上で気持ちよく目を覚ました。眠気をこらえながら、規則正しく朝に起きて階段を降りる。


ピンクの花柄のパジャマのまま、リビングに入る。そこには香ばしいバターの香りと、コーヒー。そして、ハムエッグの匂いがして、なのはは思わず、お腹がグゥとなって顔を赤らめる。


「あ・・・」


そこには、なのはの母親ともう一人。男性が眠い目をこすりながら、コーヒーを飲んでいた。そして、なのはに気づいておはようという。


「うん、おはよう。お父さん」



◇◇◇◇◇



そして、場面は飛んでなのはは今。『Dr.トーマスの研究所』と書かれている大きな建物の前に立っていた。


「よし・・・開けるぞ・・・あけるぞ・・・」


そんなことを言いながら約10分。なのはは入り口前に立っていた。今日からある意味ここで働くことになるのだ。手土産はちゃんとある・・・でもなぜか扉を開けるのは戸惑ってさらに20分。


「あり?おー、なのはじゃんか!」


ビクッ!!と心臓が跳ねる音が聞こえながら、ゆっくりと後ろを向く。そこにいたのは、赤いポニーテールのなのはより一回り小さい少女。大和田マコトがたっていた。


「な、なんだ・・・マコト先輩ですか・・・」

「なんだとはなんだーそういうお前は何を・・・あ、もしかしてここに入るタイミング見失ってたか?じゃ、一緒に入ろうぜー」


そう言いながらマコトはドアを開けて入っていく。それを見て、なのはは少し慌てながらマコトの後ろをついて行く。マコトの思い切り良さなどは、とても好感が持てる。


「おーい、おっちゃんきたぜー・・・?あれ、おっちゃんは?」


扉をもう一つ開けたところには、くるくる回る椅子の上に大きな白衣を着たピンク髪の少女がコーヒーを優雅に飲みながら座っていた。


「やっと来たか。パ・・・Dr.トーマスは今研究中だ。私も付き合って知識を深めたかったんだがな」


そう言いながら、カナエはコップに入ってたコーヒーをすべてぐいっと飲み干した。それを見ながらマコトとなのはは椅子に座る。


「で?なのは。お前は今日から、仮とはいえドリームダイバーになるわけだが・・・」

「は、はい!」


そうカナエにいわれて思わず声が裏返る。なのはは、カナエの何もかも見通してるような瞳が、少し苦手であった。


「ドリームダイバーを始めること。お前の親御さんたちは了承したんだろうな?」

「えっ、あ、はい」


事実、あのなのはの父が無限睡眠症候群から解放された後、なのはは両親に思いの丈をぶつけた。ドリームダイバーをやりたい。私にはその才能がある。だから、やりたい。そう親に言った。もちろん、命の危険があることも伝えた。


最初、両親は反対していた。しかし、しばらくして気づいたのだろう。なのはの瞳が本気だというのに。それならば、と。とりあえず1ヶ月ほど様子を見てみて、どうするかはその後・・・ということになった。


その趣旨を説明するのを、カナエは目をつむって聞いていた。そして、突然なのはに向けて何かを飛ばしてきた。それを少しアワアワしながら受け取って、中身を見てみると。


「えっと、紙とペン?なんですかこれ?」


そうなのはがカナエに質問すると、カナエはため息をつく。何かやってしまったかとマコトの方を向くが、マコトはなのはの方を向いてニカッと笑っただけであった。


「いいか、なのは。お前には今からこの私が、ドリームダイバーについて教えてやる。ありがたく思え」

「えっ、あっ!はい!!」


そう言いながら紙を机の上に置き、ペンを持ったなのは。この二つはこのために渡されたのか。と思うと、カナエは怖い人ではないのかもしれない。


「さて、ではまずはドリームダイバーの歴史からだがーーーであってーーーそうなってーーーであるからしてーーーこうあるわけでーーーそうなりーーーそしてーーーしかしーーーこうなりーーーー」


なのはは少し後悔していた。多分カナエは頭がいいのだろう。頭が良すぎるゆえに、説明がとても下手。長々しく単調な言葉を紡いでも、なのははただ眠くなるだけであった。


「よし、おいカナエ!!」

「ーーーん?どうした、単細胞。あ、もしかしてお前の脳では、私の説明が難しいのか?しかたない。次は私が描いた絵とかを使ってもっとわかりやすく・・・」


そう言いながら、少し嬉しそうな顔で近くに置いてあるカバンから何か紙のようなものを取り出そうとしていた。それをみてマコトは大きな声で制止した。


「ちげぇよ。オレ少し疲れたから、走りたいんだ。つぅわけで、なのは借りるぜ。おい、いくぞ」

「ふぇ!?あ、はい!」


そう言いながら、マコトはなのはの手を引っ張って研究所から出て行った。


「・・・ふ、ふん!単細胞共では、私の説明は難しかったか。仕方ない。なんせ、単細胞だから・・・そ、そのためにこれを用意したというのに・・・」


そう言いながら、絵が描かれた紙を少し悲しそうな顔でカバンの中に入れた。そして、コーヒーカップののなかにコーヒーを入れようと、コーヒー豆の袋を取り出した。そして、袋を開けてコップの中にお湯とインスタントのコーヒーの粉を入れて冷蔵庫を開ける。


「・・・あっ、しまった・・・牛乳と砂糖がない・・・パパにあげるか」


そう言いながら、完全無糖のブラックコーヒーをDr.トーマスがいる部屋に持って行った。



◇◇◇◇◇



「ふむふむ・・・なるほど・・・ナイトメアの歴史も古いねぇ・・・」


そう言いながら、紫髪の長身の男性が本をペラペラとめくって読んでいた。そして、しきりに頷いている。


「ーーーで、何か僕様にようかな?お嬢さん?」

「ーーーふん、そういう貴様はここに何のようなんだ?ハキーカ」


そう呼ばれた長身の男性。ハキーカは本をパタンと閉じて、後ろをゆっくりと振り向く。


そこには赤色の長髪に、また赤を基調としたドレスに身を包んでいる。キリッとした目をした女性が立っていた。


「僕様はただ、勉強をしてるだけだよ。レーヴお嬢さん」


レーヴと呼ばれた女性はそう。とだけ呟いてハキーカの前に立った。それをハキーカはニコニコした目で見ていた。


「別に、私は貴様がどこで何をどうしようか興味はない。しつじくんやソンジュに手を出さなければなら」

「何言ってるの?僕様はみんなのこと好きだしね。手を出すわけないじゃないか。それより気になるのは、ソンジュ・・・妹様だよね。あんなに狂気に取り憑かれてる子。いつ僕様が殺されるか怖くて怖くーーー」


そこまで言うと、ハキーカの首に一本のナイフが突きつけられていた。


「それ以上口を開けるな。このナイフが貴様の首を掻っ切るぞ」

「ふふ・・・その前にお嬢さんに殺されそうだ。これは少し、おとなしくしないとね」


そう言いながら、ハキーカはどこかに歩いていく。足に付いてる鉄球がとても重く引きずられていく。


「ソンジュは・・・あの子は危険だ・・・しかし、場合によっては・・・それより、彼女は」


そう言ってレーヴはナイフを振りかぶって投げた。それはまっすぐ進んでいき、前を歩くハキーカの頭にグサリとささる。


「あの子は私の唯一の家族なんだ。そうだ、あの子を解放する準備をしておこう・・・そのためには、しつじくんにも連絡だな」


そう言いながらレーヴは近くに置いてあった本に手を伸ばして、パラパラとめくっていく。内容はよくわからないが、遠くからハキーカの叫び声が聞こえてフッと口を緩ませた。



◇◇◇◇◇



なのははまた後悔していた。先程、マコトから連れて行かれてきたのは少し遠くにある大きな公園。なかなか大きくてしかも、走るように大きなグランンドがある。そこには一周3キロメートルもある。


「ヒィ・・・ヒィ・・・!!」


なのはは女子小学生にあるまじき形相で、グランンドを走っていた。 事の発端は、マコトが気分転換にここで走ろうといったことであった。なのはは最初、ゆっくりと一周走るのだろうなと思っていた。実際、ゆっくりと走っていた。


「ぞれ・・・でも・・・三週目はぎづい・・・」


そう言いながら、なのははパタンと倒れる。そこで荒い呼吸を整えながら、目を瞑る。身体中に汗が流れており、そのせいでべったりと衣服が肌に張り付いていた。


「おいおい、大丈夫か?まだ、三週目だろ?」

「そう・・・何周・・・なのです・・・」


後ろから汗を流しながらも、息をあまり乱していないマコトが心配そうになのはに声をかける。そして、なのはの質問に対して答えを考えながらなのはを近くのベンチまで運ぶ。


「そうだな・・・基本オレは10周走ってるな」

「ご、合計・・・30キロって・・・」


そう言いながら、なのははゲホッと大きく何度も咳き込む。マコトは近くの自販機まで行ってスポーツドリンクを二本買ってきて、なのはの頭のあたりのことんとおく。


「ほれ・・・あ、お前今金持ってる・・・わけねぇか。ダァー!オレはあんまり他人におごるのは好きじゃねぇんだ!!ありがたくうけとれよ!」

「ふ、ふぁい・・・」


なのははそう言いながら、身体をゆっくりと起き上がらせてごくりとスポーツドリンクを一口飲む。身体から消えていったエネルギーが全て補給されていき、とても気持ちよかった。


「っく・・・はぁー!!やっぱ運動後のスポーツドリンクは最高だぜ!今日は5周しか走ってねぇけど、ま、たまにはいいか」

「ははは・・・そうですね・・・」


なのはは豪快にスポーツドリンクをマコトが飲む隣で軽く口につけながらゆっくりと飲む。たまに咳き込むのはご愛嬌。


「ごほっ、ごほっ・・・ん?あれは・・・」

「ん?どうしたなのは・・・あの赤髪ロールの少女の知り合いか?」


そこにいたのは赤髪ロールの女の子。名前は確か三月アリスだったけか。なぜあのお嬢様がここにいるかはわからないが、自分には関係ないことだろうと、いや。とマコトに言う。


しかし・・・


「・・・おいおい、あの子近づいてくるぞ」

「え!?うそ、なんでゲフォ!!」

「落ち着けなのは・・・で、何か用かい?お嬢さん」


マコトはそう声をかけるとアリスはスカートを少し持ち上げて頭を下げて挨拶をする。なのはたちもつられて頭をさげる。


「どうも。わたくし三月アリスと申しますわ。さて、早速ですがわたくし、貴女達に少しお話がありますの」


そう言ってアリスは指をパチンと鳴らす。するとどこからか黒服に身を包んだ初老の男性が現れた。そして、その男性はカバンから何かを取り出してアリスに渡す。


「ありがとう、じぃや・・・さて、お話というのは・・・いや、単刀直入に申し上げます・・・『ドリームダイバー』について、教えてくださらない?」


その言葉を聞いたとき、なのは達はびくりと反応した。そして二人は顔を近づけて小声で話し始める。


「おいおい、なんで知ってんだ?なのはお前教えたのか?」

「い、いえ・・・そもそも昨日から入ったんですよ?知ってるのはお父さんとお母さん。それとマコト先輩達だけです」

「どうして知ってるのか。そう言いたげな顔ですわね。簡単に言えば貴女おかげですわ」


そう言ってアリスはマコトのほうを指差す。マコトはそれに気づいて、自分のことを親指で指差した。


「オレェ!?で、でもなんで・・・」


そんなふうにうわづいた声でそう焦るマコトをみて、アリスはニコリと笑う。そして先ほど取り出した紙をなのは達に突き出した。


『三月町ドリームダイバー。無限睡眠症候群の治療なら、私たちにお任せ!』


そう書かれた紙の下には写真が貼ってあった。それはこの前なのはが見た写真と同じであり、つまりは・・・


「ここにドリームダイバーのマコト様がのっておりますわ。つまり、マコト様はドリームダイバーになんらかの関わりがあるお方。そんなお方になのは様が一緒にいるということは、なのは様もそういうことをしているということ。というわけで、わたくし。これ幸いにと話を切り出しーーー」

「だぁー!!るっせ!で、そんなお嬢様がなんでドリームダイバーに興味があるんだ?」


そうマコトがそう一気にまくし立てた。激しく喋ったからか、唾がアリスにつきそうになるが、じぃやとよばれた男性がハンカチを差し出して唾を顔に当たるのを阻止した。


「そうですわね。わたくし、実はなるべく腕がいいドリームダイバーを探しておりまして・・・」

「ん?なんだ。依頼か?だったら早くそういえばーーー」

「違いますわ。探してるというのは、わたくし専属のドリームダイバー。そしてそんなドリームダイバーには・・・」


そうアリスは言ってなのはの顎の下に手を伸ばす。そのアリスの細く、白い指が顎の下を撫でるように動き、なのはは少し顔を赤らめてしまう。


「なのは様。貴女がよろしいのですが」

「え、わ、私・・・?で、でも私全然だよ?マコト先輩の方が何万倍も・・・」

「大丈夫ですわ。もし力が足りないならわたくしが手取り足取り・・・」

「おい、待て」


そうマコトはピシリと言って、アリスの手を引っ張る。そして、アリス顔に自分の顔を近づけてぎりっと睨みつける。


「さっきと言ってること、矛盾してるぞ。それに、なのははオレの大切な後輩だ。仕事があればやるが、専属とかそんなことはさせれねぇな」

「あら、それこそおかしいのではなくて?仕事とわたくしの専属のドリームダイバーになると言うのは、ほぼ一緒ではなくて?マコト様。お言葉ですが、ただのわがままに聞こえますが?」

「ちょ、やめようよ、二人とも・・・」


そうなのはは今にも喧嘩を始めそうな二人をなんとかなだめようとする。しかし、二人の喧嘩しそうな雰囲気は一向によくならない。

そんな時、突然マコトのジャージのポケットから電子音が聞こえてきた。マコトは小さく舌打ちをしてその電子音を鳴らすもの・・・今はもう珍しいガラパゴスケータイを取り出した。そこには『いんきもやし』という人からメールが来ていた。


「よかったな。アリス。そして、とうとうだな、なのは」

「えっ、もしかしてもしかすると・・・」


なのははごくりと生唾を飲み込んだ。そしてマコトはニヤリと。アリスは口元に手を当ててふふふと笑う。


「仕事が入った。一旦帰るぞ、なのは」



◇◇◇◇◇



「・・・帰ってきたか。マコト、なのは。そして客人。どうぞ、仕事の用意は出来てあるぞ」

「あら、驚かれないですわね。これは意外ですわ」


そう言いながら、カナエはなのは達を研究所の奥へと案内する。沈黙してる空気があれだったためなのはが何気なしになぜ未来を見たのかカナエに聞いてみると、カナエはギロリとなのはを睨みつけた。


「別にキミらがいつ帰ってくるか気になったわけじゃ・・・」

「?何か言いましたか?」


そうなのはが気になって質問するとカナエはパシンとなのはの頭を叩いた。なのははわけもわからず頭を押さえてかなえの顔を見る。


「・・・よし、ついた。この先に今回の依頼者がいる。ま、いってこい」


そう言いながらカナエは扉を開けてこの中に入れと親指で後ろを指した。それに習いなのは達もぞろぞろと中に入っていく。


その仕事場に置いてある純白なベッドの上に一人の少年が眠っていた。姿もよく見る小学生の男の子のような格好であった。


「あら、この子・・・」

「?知ってるんですか三月さん」

「ええ、確か貴女の友達の春香さんのクラスにいる男の子・・・名前は確か、佐々木くん。でしたわ」


佐々木。そう言えば春香のクラスにいる目立ちたがりの少年がいると聞いた。しかし、今の眠ってる彼は目立ちたがりというか、とても地味に見えた。


「ええ、彼は元々地味な生徒だと聞きましたわ。ま、それを見るのもドリームダイバーの仕事ですわよね?」

「たくっ・・・ドリームダイバーはカウンセラーじゃねぇっての・・・おい、佐々木の奥さん」


マコトはそう言いながら佐々木の隣に座っている女性に声をかけた。まぁ、場所的に佐々木の母親だろうと思ってたのだろう。しかし、その女性は顔をゆっくり横にふり


「違います。私はこの子の姉です。両親は仕事が忙しくて・・・」


と言った。確かに、よく見ればとても若い女性であり、まだ子供を産んだことすらないような感じだった。それを聞いたマコトはすまんと謝りながら佐々木の顔を見る。


「そっか、お前もか・・・よし!なのは!準備はいいか!!」

「あっ、はい!!トーマスさん!」


そう言ってなのは達はDr.トーマスからドリームコネクターを受け取る。そしてそれを腕に巻き、マコトとなのはは腕を上に掲げてしばらくしたあとパタンと倒れてスヤスヤと寝息を立てる。


「えっ、と。大丈夫なんですか!?」


そう言いながら佐々木の姉はなのは達を抱き上げる。それを見たDr.トーマスは大丈夫だどいって悟を呼ぶ。そして悟は二人をベッドの上に運んだ。


「こ、これがドリームダイバー・・・こんな小さい子がこんなことをしてるのですね・・・」

「そうですね。ただ、マコトさんはベテラン。なのはさんは新人ですが、強い才能を持っています。その才能が開花した時・・・きっと彼女は世界を変えることができるかもしれませんね」


そう言いながら悟はニコリと笑いかける。胸のところにある枕のペンダントがその声に応えるようにチャリと音を立て揺れた。



◇◇◇◇◇



「えっと・・・ここは・・・?」


二人はこの前のようなマジカルな格好に身を包んでたたずんでいた。目の前にある大きな扉。その奥から楽しそうな声が聞こえてくる。


「佐々木とかいうヤツの夢の中だろ・・・予想通りってか。やはり楽しそうな夢見てやがんな」


そう言いながらマコトはその大きな扉の前で拳を構える。そして、なのはは止めようとして、手を伸ばす。


「せーの・・・どっせーーーい!!!」

「マコト先輩はドアを壊さないといけない病でもかかってるんですかー!!」


ドゴーン!!と大きな音がなって目の前の扉が木っ端微塵に砕ける。そして、マコトが走って部屋の中に入るので、ああもう!と言いながらマコトについていく。そこにいたのは。


「ヒャッハー!!お前ら見てるかー!!」


髪を金に染めてトゲトゲにしてあったり、キラキラ光るスーツに身を包んだ、佐々木の姿であった。手にはギターを持っておりそれを適当にガチャガチャ弾いていた。


「あ、えっと・・・」

「おいおいおいそこのこねこちゃーん!何困った顔してんの?お前もここいる周りの奴らと一緒に騒ごうぜ!!」


そう言ってヒャッハー!!とまた叫ぶと、後ろが大きく爆発して、煙が舞った。その煙を吸ってげほげほとなのはは咳き込む。


「あひゃひゃひゃ!俺が一番目立ってんだー!!」

「おい、佐々木。周りのやつってだれのことだ?」

「はぁ?何言ってんの?この周りにいる可愛い猫ちゃんたちに決まってーーー」


そこまで聞くとマコトは思い切り地面を殴り、地響きを鳴らした。どしんと揺れて、佐々木もなのはもマコトの方をみる。そして、マコトがゆっくりと口を開ける。


「残念だが、ここにはオレとなのは。そしてお前しかいねぇぞ」

「・・・・・・・は?」


そう。佐々木の周りには誰もいない。そんな中でこんなに騒いでるのは滑稽としか言えなかった。すこし、佐々木は黙ったあと大きく深呼吸をして口を開ける。


「面白いこと言うな!そうだ!俺が目立ちすぎて他のやつが見えないんーーー」

「そうだな。存在しないやつを見ることはできねぇからな」

「だ、だから俺が目立ちすぎてーーー」

「早く現実に戻れ。お前は目立ってない」

「げ、げんじつはここだろ!おれは!おれは!!」

「お前は今、目立ってると言ったらしいが、それはただ単に一人しかいないからだ。目立つ?お前しかいないのに?それはそうだ。目立つってのは、集団で同じことやってる時にでるもんだ。アイスケースに入って目立ってるとかいわねぇだろ。ただの悪目立ちだ。もっと集団の中で突出して目立て。お前は目立っーーー」

「うるせぇ!!!」


マコトが淡々と喋ってるのを佐々木は叫んでマコトのセリフを遮る。そして大きくギターを鳴らす。


「おれは目立てっんだ!!そして!そして!!こんなに目立てば母さんたちもきっときづいてくれる!!!」


そして、大きくギターを鳴らし続けて、それを空中に投げる。すると、それが巨大化して手足が生えて地面に降り立った。


「は、ははは!!こん中で一番デケェや!!やっぱりおれが一番目立ってんだ!!」


そう佐々木が叫ぶとそのギターの怪物。いやナイトメアが拳を振り下ろす。それを見たマコトはなのはを抱いて横に飛ぶ。それを見たナイトメアはもう片方の腕をマコトたちに振り下ろした。


ドォン!!


大きな音が鳴り、佐々木は当たったと思った。しかし、その場所にはマコトたちはおらず。ナイトメアの拳の近くに立っていた。


「遅すぎるぞ、お前」

「お、おおおお!!おい!あいつをきちんと倒せよ!!」


そう佐々木が言うとナイトメアは大きく咆哮して今度はマコトたちをつかもうと手を伸ばす。それを見たマコトはぐっと足を踏み込んだ。


「なのは。行くぞ」

「え、あ、はい」

「これが、オレの能力ーーー『スーパーダッシュ』」


そうマコトの声が聞こえたかと思うと、突然ナイトメアの動きがスローになった。先程までとても速く腕が近づいていたというのに。


「え、これ・・・」

「オレの能力のスーパーダッシュはだいたい30秒ぐらい足の速さが何百倍にもなる。いくぞ、あの勘違い野郎にわからせてやる」


そう言うと、マコトはゆっくりとナイトメアの攻撃を避けて、腹の辺りまで飛び上がり思いっきり殴り飛ばした。そしたらゆっくりとナイトメアの体が曲がっていく。


そして、マコトが小声で解除というと、ナイトメアが後ろに一気に吹き飛ばされた。それを見て佐々木が驚きの声を上げる。


「おい!お前何吹き飛ばされてんだ!!」


そう言って一度後ろを見るとゾクッと寒気を感じた。慌てて前を見ると鬼のような形相で目の前にいた。


「ひっ!」

「お前は悪い奴じゃねぇ。ただやり方を間違えだけだ。一度、目を覚ませーーー!!」


そう言ってマコトは思い切り佐々木が を殴り飛ばす。佐々木は変な声を漏らしながら吹き飛ばされて、そして大きく壁にぶつかり、変な声を出して気を失う。


「さて、まだ仕事があるぜ・・・無限睡眠症候群。それの起こし方は、ナイトメアをぶっ潰すことだ」


そう言いながらなのはの近くに歩いていく。すると、ナイトメアがゆっくりと立ち上がった。


「×<:°°・→€^・=→☆¥○!!!」


そんな言葉にならない声を上げながらナイトメアが駆け出していく。それを見たマコトはなのはの頭を撫でる。なのはは震えながらマコトの顔を見上げる。なのはは恐怖はあったが、なぜかマコトといると安心できた。そして、マコトはニコリと笑った。


「安心しろ。今日までは場馴れしろ。本番はまた今度からだ・・・行くぜ!!」


そして、マコトはさっきより強く地面を踏みしめた。すると、ドンっと大きく音が鳴り地面がひび割れ、マコトはナイトメアを睨みつけた。


スーパーダッシュ!!」


勝負はなのはが見たのは一瞬だった。身体中がへこんだように空中に打ち上げられた。そして、マコトはナイトメアの上に立っていた。


「これでぶっ倒れろ!!」


そう叫んでマコトは拳を思い切り振り下ろした。ドゴン!!そんな大きな音が鳴りナイトメアは地面に衝突する。


そして、そのナイトメアはどろりと溶けていった。その上に降り立ってびちゃっと水が跳ねる音が聞こえた。


「さって、これでナイトメアは死んだ。つーわけで、オレらの仕事は終わりだぜ」

「えっと、佐々木君は・・・?」

「あ?あいつは大丈夫だ、時期に目がさめる」


そう言ってマコトは大きく伸びをする。そしてなのはの手を引っ張りながら歩き出す。


「仕事終わりだー!帰ったらなんか食べようぜー!」

「あ、はい!!わかりましたマコト先輩!!」



◇◇◇◇◇



「ふぅ・・・疲れた・・・」

「あっれなのはどうしたの?そんなに疲れた顔して」


昨日、ドリームダイバーの仕事が終わった後に、Dr.トーマスから給料をもらったあと家に帰った。マコトはとても元気に叫んでおり、一緒に何か食べるという約束も忘れて家に向かって走って行った。


佐々木達は悟が家に運んで行った。その時佐々木の姉が悟を見る目がとてもキラキラしていたような気がしたのは、多分気のせい。


そして次の日。今は普通に学校に来ていて、今は昼休み。なのはのなのはの親友の春香は二人でご飯を食べた後談笑していた。


そんな時、後ろからコツコツと歩く音が聞こえてなのははゆっくりと振り向く。そこには赤い縦ロールの少女。アリスが礼儀正しく頭を下げていた。


「うぇ!?み、三月さん!?なんで・・・!!」

「ふふふ、春香様となのは様。この食事に、わたくしも明日から混ざってもよろしいですか?」


そう言われねダメだと言える人なんていない。春香は顔を顔を縦に激しく降って肯定をあらわした。それを見たアリスは小さくニコリと笑い、なのはの耳に口を近づけた。


「わたくし、まだ諦めてませんから。いつかなのは様はわたくしの専属のドリームダイバーになってもらいますわ」


そう耳元で言い、アリスは元の席に戻る。そして、なのはは机に顔を突っ伏して大きく息を吐く。


「あはは、少し大変なことになっちゃったね・・・あ、そうだ。なのは知ってる?少し前まであんなに目立ちがり屋だった佐々木が最近おとなしくなったんだーそれに、学級委員長にも立候補したんだ。人って変わるもんだね〜」


そう、春香の何気無いつぶやきになのは耳を傾けて聞いていた。そして、小さくふふふと嬉しそうに笑った。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


【次回予告】

「一つ数えて鼻切り落とし〜♪」

「ナイトメアってのは、人型のやつもいてな」

「逃げろなのは!!」

「あいや!またれーい!!」

【次回:04話 狂気の娘ソンジュ】


終わりました。お疲れ様でした。

アリス。彼女は専属のドリームダイバーとしてなのはに目をつけました。けれど、他にも目的がありそうな・・・?

次回も付き合っていただけたら幸いです

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