最弱のFランク
らい「…朝か…っ!…痛ってぇ…マメ潰れてる…はぁ、朝練しないと…」
らいは外に出て素振りを始める
空「あれ?兄ちゃんまた朝練してたの?」
らい「ん、あぁ、努力で埋められる範囲は埋めたいし、少しでも上にいかないとだからね、あ、そうだ、今日は空の誕生日だろ、何か欲しいものとかあるか?」
空「うーん…なら、兄ちゃんにはしっかりと休んで欲しいかな」
らい「え?で、でも…」
空「でもじゃない!しっかり休んで僕との時間を取ってよ!」
らい「(…今月は結構亀裂攻略に参加させてもらってお金に多少余裕があるし…でもなぁ…)
チラッ(空の顔を見る)
…わかった、今日は空のために家でゆっくりしようか、何か遊びたいとかあったら言ってくれよ」
空「うん!なら一緒にゲームしよ!」
らい「よーし、負けないからなぁ、兄ちゃん意外とゲーム上手いんだぞー?」
空「僕だって負けないもんね!」
空「よっしゃ!兄ちゃんに勝ったぞ!」
らい「うわ、さっきの青甲羅タイミング良すぎでしょ!」
空「あはは、兄ちゃん、またこうやって遊ぼうね!」
らい「あぁ、もちろん!」
(時間が経ち翌日になる)
らい「…よし、行くか」
(らいはある場所に辿り着く)
荒木たちのパーティが、既に亀裂の前に集まっていた
らい「すいません、遅れました」
荒木「おい、遅いぞ、”荷物持ち”」
ガヤ1「まーたあいつか、こりゃここのダンジョンは5級でも6級クラスだな」
ガヤ2「だな、あいつが来るところは必ず6級、5級に来たらそれはほぼ6級、分かりやすいねー、ハッハッハ」
らい「…すいません」
荒木「いいか、お前は俺たちのパーティが荷物持ちとして雇わなかったらどの亀裂にも入れねぇことを理解しろよ!」
らい「…はい、すいませんでした」
荒木「チッ 早く行くぞ、よし、みんな集まってくれ、この亀裂は5級の亀裂だ、協会の調査班によれば中のモンスターはゴブリンとスライムだけだ、まぁ、俺らは基本D級とE級だから、まず負けることはないだろうな、ボスの確認はされていないが恐らくホブゴブリンだと思われる、各自しっかり倒して稼げ!」
一同「おうっ!」
らい「…武器とアイテムは大丈夫だな…あれ?すいません荒木さん」
荒木「あ?なんだ?」
らい「記録用の魔法石がないんですけど」
荒木「あー…買うの忘れちまってたのか…おい、らい、今回の報酬少しだけ多めに渡してやるから今から買ってきてくれ」
らい「え、いいんですか?」
荒木「記録せずに攻略して協会にグチグチ言われるより何百倍もマシだ、ほらさっさと買ってこい」
らい「わ、分かりました」
守谷「荒木さん、いいですか、あいつFランクの中でも最弱だからって格安でやってるのに」
荒木「ハッ いいんだよ、ここを攻略した時の報酬と比べたら端金だ」
らい「魔法石買ってきました、一応予備も買っておいたので次回の用意もしなくて大丈夫です」
荒木「よし!それじゃあ行くぞ!」
荒木たちのパーティと らいが亀裂の中に入って間もなく、戦闘が始まった
上野「へっ、やっぱりゴブリンとスライムくらいなら楽勝だな」
守谷「あぁ、だがあいつもあいつでなかなかだな、努力だけである程度身体能力上げてスライムとゴブリン倒してんだろ、才能さえあればもっと高みにいけたろうにな」
らい「…はぁ…モンスターの核の魔石…自分で倒したのは自分の報酬でいいって言われたけど…これ…4級魔石と遜色ない魔力量だな」
魔力測定器で測定するとなんと6級魔石のはずが含有魔力量が4級相当の魔石と同量含まれていた
らい「荒木さん、この魔石、おかしいんです」
荒木「あ?何がおかしいってんだ?」
らい「さっき魔力測定器で測定したら、含有魔力量が4級相当だったんです」
荒木「ハッ なら稼げるからいいじゃなぇか」
らい「でも、5級の亀裂にしては多すぎます!1度引き返して協会に再度調査を依頼しましょう!」
荒木「うるせぇ、文句があるならてめぇだけ出ていけ」
らい「くっ……す、すいませんでした…」
らいは少し俯きながら、小さく頭を下げた
荒木「おら、てめぇら、まだまだ先に行くぞ!」
周囲「はい!」
らい「…(ここは…普通じゃない!)」
らいは逃げられるように脱出の魔法石を即座に使えるようにカバンから取り出し、魔法石を握り締めた
(ボス部屋前)
荒木「よし、行くぞ、お前は扉が閉まらないようにしておけ!」
らい「…はい、分かりました」
ボス戦開始…だが、ただホブゴブリンではなかった
ホブゴブリン(ネームド)「やはり人間とは愚かだ」
一同「!?」
守谷「も、モンスターが喋った!」
上野「こ、こいつ…もしかしてネームド!」
ガラム「我が名はガラム、第七制覇者 フラム・ディア・クロムリン様の配下である」
らい「制覇者?」
荒木「ハッ たかがホブゴブリンがネームドになったからって何が変わるってんだ!」
荒木がホブゴブリンに向かおうとした…次の瞬間、荒木の片足が消えた…いや、目にも止まらぬ早さで消し飛ばされたのだ
荒木「ぐっ…!あ、足が!?」
らい「!?荒木さん!これを!」
らいはハイポーションを投げ、荒木がハイポーションを使用し、荒木の足が再生した
荒木「助かった、らい、お前は逃げて協会にこの事実を伝えろ!」
らい「わ、分かりました!」
ガラム「逃がすな!」
ガラムは亀裂内のモンスター達に、らいを襲うように指示を出した
らいは振り返らず、ただひたすらに走った
だが、目の前に大量のゴブリンが現れる
らい「っ!?こっちは通れない…はっ!向こうに部屋が…賭けだけど、あそこに行くしかない!」
らいは全速力で走りその部屋に入る…するとそこは
らい「はぁはぁ…こ、ここは…一本道?」
らいはその一本道を慎重に進み続けた
らい「これって…宝箱?宝箱って4級以上からしか出ないんじゃ……だけど、開けてみよう、もしかしたら荒木さん達を助けれるものがあるかもしれない!」
らいは宝箱を開けると
らい「これって石版と腕輪と…宝玉?鑑定機がないから効果は…」
すると、そのアイテムたちが光を発し、目が眩む、そしてらいが目を開けると
らい「え…石版と宝玉が…消えた?てか、なんで腕輪は勝手に着いてるんだ!」
【SYSTEM】
〈システムインストール〉
《対象:天月 雷》
〈システムインストール完了〉
〈これより、マスター権限を「天月 雷」に譲渡〉
〈権限レベルは1です〉
〈特別措置を実行〉
〈スキル獲得:〈鑑定:Lv.1〉〉
らい「…は?な、え?システム?何それ」
【SYSTEM】
〈システムのチュートリアルを行います〉
〈【ステータス】と唱えてください〉
らい「す、【ステータス】」
らいがステータスと唱えると、目の前にらいの名前とらいの身体能力などの能力値が書かれていた
らい「これって…ゲームで見たようなステータスウィンドウ?」
【SYSTEM】
〈初期ステータスポイントを付与〉
〈今までの功績からステータスポイントが付与されます〉
〈初期のステータスポイントは10です〉
〈功績「諦めない努力家」を達成しています〉
〈レベルアップ時に取得できるステータスポイントが倍になります〉
らい「ゲームは好きだからどうすればいいのかは分かる…今必要なのは感覚のステータスだ、感覚が鋭くなれば生き残る確率が上がるはず!」
らいは感覚のステータスに全てのポイントを振り初期の数値と合わせ20となった…その瞬間システムが発した
【SYSTEM】
〈感覚のステータスが規定値に達しました〉
〈スキル獲得:〈第六感:Lv.1〉〉
らい「クソ、これじゃあ荒木さんたちを助けることなんて…はっ!違う、この第六感のスキル、これのおかげでもしかしたら.あの見えなかった攻撃を感じることが出来るかも!
…それなら…」
ドアを開けるとそこにはモンスター達はいなかった
らいはボス部屋前に戻り、少しだけドアを開けた
らい「!?…みんなが…でもまだ死んでる人はいない…多分あのモンスターが遊んでるんだ…なら!」
そしてらいは駆け出した
ガラム「戻ってくるとは愚かなり、貴様もあの世へ送ってやる!」
ガラムはレーザーのような攻撃を放つ…が、
らいにはどこを狙っているのか感じ取ることができていた、
そこでらいは少し動くだけで攻撃をかわした
ガラム「な、なに!」
らいは攻撃を全てギリギリでかわし続ける、そしてパーティメンバーに脱出の魔法石をぶつけ逃がすことに成功する
らい「よし!あと5人!」
らいは次々と逃がすことに成功し残りは荒木だけになった…
だが、荒木に触れようとした次の瞬間…
らいの伸ばした手が…消滅した
らい「っ!?痛ってぇ!」
ガラム「面倒なこと…貴様から殺し、残りのそいつも殺し、逃げたものたちも殺してくれる!」
…と、ガラムが発した次の瞬間…荒木の姿が消えた
ガラム「!?貴様!」
らい「ハッ じゃあね」
そうしてらい達はギリギリ逃げることができ、最後の力で魔法石で協会に連絡した
らい「報告…5級亀裂にネームド発生…推定難度3級…パーティは脱出の魔法石により脱出成功したが全員重症…至急救援求…む…」
らいの意識はここで途切れた
第1話を読んでいただきありがとうございます!
らいの成長を楽しんでもらえたら嬉しいです。
一応、らいは漢字で「雷」と書きますが、読みやすさを重視してひらがな表記にしています。
フルネームは「天月 雷」です。
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