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 陰鬱な雰囲気だが、それでもやれる事はやったと。

「あぁ、それでさ……、働き詰めだった俺らだけはなんと補修 かぁ」

「えぇ、仕方ありませんね。だって私達だけ授業が滞っていますから。あのその……、やっぱり……、だいぶと2人だけで旅してますから」


 普通は2日3日で内勤が来て、学校側がその都度授業を開いてて情報を教えてくれるらしいんだ。魔法などの実習なども行っていてな、だからこそ今もクラスが維持されてるし団結があると。

 校舎から見れる体操服した生徒たちが走る姿は今も普通で、そうして光弾がひょろひょろと動くのはもう慣れたか。


 でももう1週間だな、そろそろ傷も増えて来たし丁度良いだろう。ドアを開けて。


「あら~……、いらっしゃ~~い。ゆう君と、えーと、加島さん……だったかなぁ? お疲れのところ悪いわねぇ、さぁ、座って座ってぇ」どこでも良いよぉ~~。

 可愛らしいモフみちゃんの登場。ふわふわ、小さくてまるで年下みたいだが結構なお姉さんであるし頭も良いとの事。あと何故か体操着だな、多分服がない、それは生徒も同じであるが。


 俺はまぁ裁縫の常連で、確かに体操服とかジャージの日もあるが加島って……ほとんど制服以外は見ないよな。


 どうなってるんだ犬耳は、パリっとした制服の。ウサギにしても全然良いけど、セーラー服でうさ耳は目の毒過ぎて、とりあえず促されて座って。

 茶色の毛がなびく、大人を演出したいのだろうが何故かそのまま妹に成り下がる年上を見やるよ、こっちも久しぶりだなって……。ただしだよ、その目を引くオッパイは飾りかっていう。でもオーラがあるんだよ、オーラが。

 良い年して童顔で体操服というのはなかなかで、しかもブルマだし。


「失礼する――」

 すると更に扉が開くのだ、生徒会の人間だろう者が厳(おごそ)にか入って来るな。

 だってそれは後ろに行って静かに立っているだけだから、その様子にあまり良い顔はしない先生で。



「そ、それでね……、えぇーと。じゃあ始めるねぇ? 私はやっぱり国語の授業だから」「柿澤教諭どの――? 前の世界の事などは喫緊ではありませんよ、翻訳はほぼ完璧ですので」

 そのハッキリとした言葉に目を伏せて木美は「じゃ、じゃあ世界史ですね、どうやらこの世界には大国と呼ばれる物が約7つあるらしいの。そうして魔法結社は恐らく13でぇ……、それでえぇっとね、この今の国でやらない方が良い事には~」


 知らない情報も多く、たくさんの写メと憶測なんかが教えてもらえてありがたい。異世界人にはそれだけで十分と言えるし、それになんとなく久しぶりだ。学業という世界で生きてた事。しかも今は身が入るから、生きるという授業なんだ。


「ほとんどね……魔法なの、弓とかはもう原始的過ぎるって、魔法ってこーんな感じで、なんでもなのよね……。それとこの世界にはBig9と呼ばれる亜人がいて、あぁ……、じゃあ1時間目は以上だよ、生存戦略的な物は今はこんな感じです。授業は……また今度。とりあえずね、ノートはしっかりねぇ~、教科書が渡せないからメモと写メをお願い~」


 そのまましっかりと加島と共に世界を知ったんだ。その後は休憩を取ってまた1時間、次はテストで、全ての授業が終わると生徒会のメンバーが出て行くし。

「あぁ、あれ……、なんだったんでしょう、彼女は。授業が目的じゃなかったみたいですし……」

「あぁ、授業の最適化を見てたんだろう、あと変な噂とか知られちゃいけない事とかを、な」

 それでコチラがどんな表情するかとかもな――。


 その言葉に神妙にうなずく。あ、でも勇さん授業分かりました~?ふふふ。私は、ほらぁっ。小テストで90点を見せて来る少女は。

 あぁまぁな、余裕よ。


 ただな……、なんかすっごい面白い企画が始まってたんだ、それが一番だったなという授業へ。

「あ、それって図鑑計画ですよねぇ、きっと勇さんならそう言うと思いました!」



 さっきまで子供みたいに膨れてた桜色の笑顔は。写メとともに生体を書き添えて辞典にする気らしい、まるでポケモンみたいにな。まぁ雷なんて打たれた日には蒸発なんだが。

 少し残って加島と一緒に何書くか考えたり落書きもして、笑い。

「お前結構絵が上手いな~、加島~」「えぇ、そうでしょうか? でもでも勇さんもです、勇さんだって」文なっがぃぃ――。


 そうか? 俺は必要な生物的視点を書いてるだけだがな。


 苦笑し、でもうなずき桜色の少女は笑顔で。

「それと私は何よりも勇さんと一緒に授業が受けれて良かったです。楽しかったなぁ……」

 そう言ってノートで顔を隠す加島は、そのまま水を飲みに行くんだ。そうして俺もベランダで少し休もうと、そこで鉢合わせたのは……。


「あら……、えぇ。こんにちわ。でもVIPになっちゃったねぇ、勇くんも。先生ビックリしちゃった……」

 まぁうなずく。

 今2人だけで全体収入の20分の1を得てるらしいな、初めて知った。まぁフル稼働してて休みも取れてないし生徒会が張り付いて来るしで、だがむしろそのせいで……。


「大丈夫ぅ? 疲れてるよね……、毎日毎日戦ってくれてて、先生が戦えないから」

「あぁいや、むしろ先生こそ……。大変だって聞いてますよ、生徒会とか、あと食料とかは」

「でも教師はね……、特別免除という事でもらえるから……」

 だから内勤だけする先生も多い。



 ただ生徒は外で戦ってるわけで。その白い手はもうボロボロだったんだ、だからご飯を食べる場所もないと。

「うん……。それより何よりね、ごめんなさい……、謝らないとだ。先生もあの時賛同しちゃっててね。だって私が受け持つ生徒だったのに、分からなかった。あんな事になるなんて……、構呂木 雫さん、アナタの大事な幼馴染を私は―――」

 黒いパンをかじりながら顔を抑える木美。あの召喚時の激烈な状態で言えばしょうがないとも言えるが、聖職者という肩書を見た時もそうで。唯一の笑顔だったことも。

 そうして見るからに戦い向きでないモフみちゃん、この状況は辛いだろうな。


「大丈夫です……、アイツならなんとかするだろうし、俺もなんとかするしかないんですよ。次を向いて行きましょうよ」

「次をって、この世界でカナ――」

 その言葉に自らで首を振るから「ごめんなさいね……、ごめんなさい、ぐす、うぅぅ――」


 本気でむせび泣き始める、まぁ彼ら教師も必死だろうな。こんなアイデンティティが崩壊した現場では特に苦しいはず。

 そのお姉さんは抱いて声を潜めて。



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