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薬師の行方  作者: きしの
4/19

幕間

 王命だ。これは王命である。高らかに男が叫ぶ。


 術士は人にあらず。王は言った。魔に魅入られた彼らは魔術士と呼ぶべきだ。家臣の誰もが賛同する。我々は、生命を脅かされることがあってはならない。国中の誰もがその通りだと考える。


 かつて魔王と呼ばれた男がいた。その男は術士を人と認めなかった。悪魔に憑かれたかのごとく、彼らに残虐で残忍な仕打ちをした。魔王と呼ばれる所以はそこにある。しかし圧政を敷かなかったために自国の民には高い支持を得ていたという。つまり男を魔王と呼んだのは、その国の人間ではない。


 王命だ。これは王命である。知らせは城下を巡り、街道を抜け、やがて国全体に行き渡る。彼らは増税に耐える。一滴の不満も漏れることはない。彼らは来るべき時に備える。魔術士は排されるべき。それが彼らの正義だ。我らが賢王は為すべきことをするまで。彼らの思想は幼子から老婆まで、等しく一致していた。


 時が満ち、王は宣言する。我が国は魔に魅入られたものすべてをこの世から消し去る。魔物のみならず魔術士も、それを匿う者も、地獄の業火に焼かれるが良い。


 そして炎が放たれた。

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