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召喚士されし者 85・終局の始まり

お待たせしましたぁ!

1週間ぶりです。遅筆大将えんたです。

いつも読んで下さる皆様、ありがとーごぜぇます。


さぁ、平常運行ですよ。

久々の4,000字以内ですよ!

もうね、最近くそ長かったですからね、1話1話がね。アホかってね。


今回は久々のユーキちゃん視点でのお話です。

では。

 残照を背にレイベウロスと死闘を繰り広げるロワ。

 黒の河となったアゥトルムセクトが艶やかに光りながら大地を波打ち、闇魔術の妖しき輝きが宙を彩る。


 見ようによっては幻想的とも言える光景だが、それは見掛けだけ。実際、そこにあるのは殺意と、暴風のように吹き荒れる圧倒的な破壊の力だけだ。ついでに言うなら、それを受け止める化物の存在もあるが。


 そんな殺伐とした雰囲気に包まれているその場所で、時折「王ヨ!」と悲鳴のような声があがるが、状況確認を優先して無視しておく。

 頑張れ。ロワ。


 それにしても━━


「なんか色々あったんだなぁ。お疲れぇ。」


 シェイリア達からの空白の三日間の話しはえらく長い物になった。話の最初は俺が突然倒れた所からで、話の終わりは俺がここに来るまでだった。


 俺が寝てる間、皆頑張っていたみたいだ。

 ヤヨイも俺からの魔力供給が切れていた筈なのに、ロイド達を守り逃がす時間だけは稼いでくれたようだ。


 安否確認の為にヤヨイに呼び掛けて見れば、元気そうな反応が返ってきた。「主様!」って叫んでる気がする。大きな怪我もしている様子もなさそうで一安心だ。

 よし、後で誉めてやろう。


 それにしても、話の節々に岩熊野郎がちょいちょい入ってくるのがすげぇ気になる。寝てる俺の元に来てないのね?怖いんだけど。大丈夫だよね。俺の純潔、守られてるんだよね?


「・・・そう言えば、話の中に殆んどシェイリアいなかったけど、何してたの?」

「はい!私はですね、ユーキ様が床に伏せられてから、魔物を蹴散らしに出掛けるまで、基本的にユーキ様の近くに待機させて頂きました!枕元の近くでユーキ様のおでこに置く濡れタオルを、ひたすら交換するのは私の仕事でしたので!」


 そうか、やっぱりそうか。

 俺の知ってるシェイリアはやっぱりそうするよな。

 起きた時に居なくて、寧ろ驚いたしな。


「じゃぁ、メイドさんに聞いていた通り、街に入った魔物を退治しに行くまでは俺の側にいたのか。」

「そうなります。」

「ふぅん。」

「街に入った魔物を始末しながらここまできたのですが・・・。」

「突然あれに襲われたと?」

「はい。ロイドが駆けつけて来るまで、例の襲撃者と気づかずに、訳も分からず闘っていました。」


 俺がシェイリアからロイドに視線を向けると、さっと羊皮紙の束を出してきた。


「俺はシェイリア達とは別行動しててな。その行動中にこれを見つけた。とある魔術研究資料の一部だ。」

「魔術研究・・・。」

「ある魔術師が馬鹿な事をやらかしたらしい。資料は一部しか見つからなかったが、今回の件に関してならバッチリ書いてあった。」


 差し出された資料に目を通してみる。

 暗号にしか見えない。

 さっぱり、分からん。


「・・・・その資料に書かれてんのは死霊術についてだ。特に蘇生術を吐き気がする程研究してる。この資料を纏めてた奴は、死んだ奴を生き返らすのに固執していたらしい。」

「その資料にレイベウロスの名前があったんだな?」

「まぁ、そう言う事だ。唯一の成功例の検体として、絵と一緒に色々書かれてた。」


 唯一の成功例ね、分からねぇ話だな。

 蘇生術と言う物がどんな物か知らないが、あり得ない話だ。


 俺は死んだから分かるが、死んだら命の核である魂は直ぐに記憶を消されまっさらな状態で転生されてしまう。

 よりにもよってレイベウロスは何百年も前の人物だ。魂なんて欠片も残って無い筈なのに、蘇生なんて成功する訳がない。

 それとも、俺みたいにどっからか借り物の魂でも持ってきてるのか?

 もしくは、残っていたのか?レイベウロスの魂が・・・。



「・・・・まあ、いっか。あれが本人なのかどうかは分からないけど、あれが強いってのは間違いないしなぁ。そうだ、ロイド!」

「あ?」

「街におかしな奴等がいるみたいなんだが、なんか知ってるか?あそこで闘ってるロワが言うには、化物みたいな人間が街で暴れてるらしんだ。」

「あ!?本当か、それ!?ちょっと待てよ!」

「今はロワの黒い虫が抑えてるから大丈夫だけどな。敵か?」

「ちょっと待て!直ぐに分かる。たしか━━━」


 化物人間の話を聞いたロイドは俺から羊皮紙の束を受けとると、パラパラとめくり始めた。少し見えた羊皮紙の内容は文字や幾何学模様がびっしりだった。あんなもん真剣に読んだら頭痛くなりそうだ。

 その様子を見て、隙を伺っていたユミスが俺とロイドの間に首を突っ込んでくる。


「化物みたいな人間?」

「俺は直接的見てないから知らんけどな。」

「そっか。・・・・って、そこにいただけって訳じゃ無いんでしょ?その化物人間。」

「ロワが抑えるまでは街人を襲ってたって。」

「ちょっ!本当!?それが本当なら、あたしここでのんびりしてる訳にはいかないんだけどっ!!」


「あぁー!うるせぇ!こっちは調べものしてんだよ!少しは静かにしろ!」

「ひゃぅ!?」


 ロイドがユミスにキレた。

 なんやかんやロイドがキレる所は初めて見るな。


「おちび。間違いなくとは言えないが、一つ可能性がありそうな研究資料はあった。その化物共、死将兵かもしれねぇ。」

「死将兵?」

「見掛けだけ人間の化物。死体から継ぎはぎして造ったアンデット、この資料によれば一種のホムンクルスって事になってるけどな。」


 ホムンクルス?錬金術で造る人造人間?

 いやいや、どっちかって言うとフランケンシュタインよりだろ。モンスターだよ、モンスター。


「簡単な命令は訊けるみたいだが、複雑なのは無理そうだ。誰かを襲わせる程度なら出来ない事もないだろうが・・・。」

「その死なんたらは勝手に動くのか?」

「いや。蘇生したレイベウロスと違って死将兵が動くには魔力を外から供給する必要がある。魔力が無けりゃただの肉人形だ。だから、誰かが死将兵に魔力を注いでるって事になるな。」


 話しているロイドの目には珍しく苛立ちのような物が見えた。

 普段は飄々としてる癖に、何をこんなに怒ってるんだか?


 俺の視線に含まれる物に気づいたのか、ロイドは困ったような表情を浮かべ頭をかいた。そして腰を落とし俺と目線を合わせる。合わせた視線はいつになく真剣な眼差しで、何だか変な感じがした。


「その誰かは知らんが、この資料は[赤の魔導師]アルベルト・バートンの研究室から持ってきたもんだ。」


 マジかー。あの銀縁眼鏡。

 ロワからの話で既にアルベルトの奴が胡散臭い奴だと思っていたけど、これはじっくり話を聞く必要があるな。

 事と次第によっては、ワンパンの刑に眼鏡かち割りの刑を追加だな。うん。


「そうか。ならコレは、アルベルトがやってんのか?」

「さぁな。実行犯である可能性はこれ以上無いほどに高いが、断言までは出来ねぇよ。状況証拠は見つかったが、実際にあいつが何かしてたのを誰か見てた訳じゃ無いからな。」

「ふぅん。━━━むっぅ?」


 ロイドの話を聞いていると、不意に真上から何か違和感を感じた。気になって目を向ければ、街のはるか上空に赤い光の軌跡が見える。良く見れば、その光の軌跡は一本の線で無く夥しい程の文字で構成されている事が分かった。


 光の文字の羅列は弧を描くように進み、最後には街がすっぽり収まるような1つの大きな円になった。

 そして空に浮かび上がった文字の円はその輝きを強め、大地を赤く照らし始めた。煌々と、真っ赤に。


 その時点になって、空に浮かび上がったソレが俺の良く知る物と似ている事に気がついた。

 そう、俺の良く使う召喚陣に、魔方陣に、だ。


「なんだあれはっ!?」


 誰とも知れない呟きが辺りに響いた。しかし、誰一人として答える者はいない。

 誰も分からないのだろう。今起きている事も、あれが何なのかも。


 ロイドは思い出したように羊皮紙に目を落とし、シェイリア達は一様に空を見上げていた。






 ━━━だが、俺にとってそれが何なのかなんて事は、もうどうでも良く思えた。



 それより何より、俺は気づいてしまったのだ。

 見上げていたソレから感じるある感覚に。

 恐らく俺だけが気づく事が出来るある事に。


「・・・・クソ野郎がっ、それは、その魔力は俺のだろうが。何勝手に使ってやがるっ!!!」


 浮かび上がったその魔方陣から発せられる、魔力の波動。

 それは確かに、俺の物だった。

 俺の魔力だったのだ。


ユーキちゃんがぐれるってよ

の

コーナー



ユーキ「ぶぅおん、ぶぅおん。」パラリラパラリラ

ロイド「・・・・おう。どうしたおちび」


きっぃー!ぶるるるん!


ユーキ「上等だぁこら!!」ヤンノカコラー

ロイド「おう、おう。落ち着け。意味分からん。なんだその棒切れ。その両手で掴んでる棒切れに何の意味があるんだ。あと、その掛け声なんだよ?」

ユーキ「いてこますぞ、ごらぁ!!」ドツクゾコラー

ロイド「ちょ、分からん。分からんから、落ち着いて話せ、なっ?」


シェイリア「ぶぅ、おおおん。ぶぅおおおん」パラリラパラリラ


ロイド「増えたっ!?」


きっぃー、ぶるるるん!


シェイリア「い、いてこますぞ、わりゃぁー」ガオー

ロイド「お、おう。お前もか。何なんだよそのノリ。あとその棒なんだ、気になんだけど」


シェイリア「ぶっとばすぞ、わりゃー」ガオー

シェイリア(ハンドル、と言う物らしいです)ヒソヒソ

ロイド「ハンドルって、手綱的なあれか?またなんで・・・」


シェイリア「あぁん?!やんのかこりゃぁ!」ガオー

シェイリア(久々の登場なのに、戦闘がなかったので、荒れているそうです。ハンドルは反抗心の現れだとか)ヒソヒソ


ロイド「うん。分からん」



ユーキ「盗んだバイクで走るぞコラァ」パラリラパラリラ


ロイド「スッキリしたら止めるだろ。少し、放って置くか」

シェイリア「そうですね、コラァ」ガオー


◇━◇


ルゥ「バイクってなんですか?」


ユーキ「思春期の魂だな」テキトー

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