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召喚士されし者 82・ユーキのいない三日間その4

お待たせ、お待たせ、お待たせいたしました!

スランプに悶え苦しむえんただよ( *・ω・)ノ


くそぅ、くそぅ!どうしてこんなに、書けないんだ!国語か、国語さぼってたからなのか!?それとも現国か、現国さぼってたからなのか!?

なんてもがきながら、書き上げました。


いやぁー、年内にエルキスタ編にケリつけようと思っていましたが、こら、無理ですわ(泣)


ついこの間のクリスマスは、皆さんいかがお過ごしでしたでしょうか?良いことありました?

え?俺ですか?


俺はささやかながら、クリスマスにいちゃつくカップルが欠片でもはぜるように呪いをかけてました。はぜたかな?


今回は変態岩熊ガンレイさんのお話です。

では。

 俺様の嫁ことユーキが床に伏せてから三日がたった。

 ユーキの容態、自称レイベウロスの件も含め、事態の進展は未だない。


 街の喧騒も三日前のような楽しげな賑やかさでは無く、襲撃事件の余韻を引きずっているかのように混沌とした物に変わっている。宿の一室から覗く風景から、今日も逃げるように街を出ていく連中が目につく。


 枕元に用意しておいた水差しからコップに水を注ぎ入れていると、コンコンとドアをノックされた。


「ガンレイ殿。お早うございます。」


 声の主は付き人であるキュドンの物だった。どうやら律儀にも起こしに来たようだ。

 いつもの事なので「おう」と一つ返事を返すと、「失礼します」と一声掛けてから部屋に一礼して入ってきた。


「朝からなんだ?武祭もこの調子じゃ開催は出来そうにねぇ。特にやることもねぇんだろ?寝ててもいいじゃねぇか。」

「そうは言いますが、健康は日々の生活からです。規則正しい生活は強者の嗜みとして身につけて頂きたいのです。何時なんどきも、強者であれ。当主様からのお言葉、忘れた訳ではありませんでしょう。」


 親父である当主の言葉なんぞ、俺様はろくに覚えてねぇから頷けねぇよ。本当に良く覚えているもんだ。まぁ、キュドンは親父大好きだからなぁ。

 精々覚えている事なんて、修行中に掛けられた怒号と発狂する声しか覚えてねぇ。しいて言うなら「殺すぞ」とか「死にたいのか」とか「立て糞餓鬼」とかだな。


「旦那、入るぜ?」


 キュドンから少し遅れて、一人の男が部屋に入ってくる。

 金髪のひょろ長い、野暮ったい顔した男だ。


 背中に2本の剣を背負っている所から剣士である事はわかるのだが、どうにも見覚えが無い。

 知り合いでも無い男の来訪に眉を潜めていると、キュドンが口を開いた。


「護衛です。」

「護衛、か?」

「護衛です。キリシマ拳術を狙う輩がいるのですよね?その護衛です。」

「あのな。俺様が、そんな輩に遅れをとると思ってんのかよ?」

「キリシマ拳竜術家、現役当主である御方が遅れをとったのですよね?稀代の天才であらせられるガンレイ殿が、同じように遅れをとるとは私にも思えません。ですが万が一、億が一、次期当主であるガンレイ殿に何かあるといけませんので、その保険です。大人しく守られてください。」


 拒否は認めないと言わんばかりキュドンが睨んできた。


「まぁ、そう言う事だから。気に入らないだろうが、旦那はおれら[赤金の剣団]に守られてやってくれよ。あ、おれグロンダムっつんだ。よろしくな。」

「・・・・・はあ。」


 めんどくせぇな。

 たく。



 ◇━◇



 俺様はキュドンから押し付けられた護衛の存在を何とか納得し、グロンダム達を引き連れ暇潰しにと街へ繰り出した。

 お節介焼きのキュドンは、親父であるキリシマ拳岩術当主と今回の件で相談する事があるそうで宿に留守番している。


 暫く散策していると見知った顔を見掛けた。


「お、フリークじゃねぇか。暇そうだな。」


 俺様に気づいたフリークは、「よぅ」と片手を挙げた。


「暇そうなのはお互い様だろ。・・・・てか、なんだそれ。ゾロゾロ、ゾロゾロ。偉くなったなぁ。」

「うるせぇ。こっちだって不本意だっつうの。付きの奴が煩くてな。仕方ねんだよ。」

「あぁ、あの子か。もう尻に敷かれてんのか。・・・・良かったなぁ、いつでも嫁に出来るな。」

「・・・あのな。キュドンは一応従妹だからな。」

「従妹なら全然大丈夫だろ。旅先で色々見たが、兄妹での婚姻だって在るとこには在るぞ?」

「うるせぇ。つーか、それ以前に嫁はもう決めてら。」


 そう、俺の嫁はあいつと決めている。


「・・・・脈はないと思うぞ。」

「はっ、今はな。その内、他に目がいかない位惚れさせてやるさ。」

「どっからその自信がくるんだよ。」


 少しでいいからその自信を分けてくれ、とフリークがぼやく。


「旦那。わりぃんだが、この人は?」


 後ろに控えていたグロンダムが訊ねてきた。


「フリークつって、流れの用心棒(バウンサー)だ。昔っから何かと縁のある奴でな、警戒する必要はねぇよ。」

「あぁ、フリークだ。よろしくな。」

「わりぃな。一応仕事だもんでよ。」


 申し訳無さそうに頭を掻くグロンダム。

 まぁ、こいつは警戒する相手の事も知らんから仕方ないか。


「それでよ旦那達の間に出てくる嫁ってのは、さっきのお嬢じゃねぇのか?」

「あぁ?ちげぇよ。」

「似合いだとは思うんだけどな。隣にいるとしっくりくるしな。」


 似合うだと?

 そりゃ似合いもするだろうよ。ほぼ四六時中一緒にいるからな。

 俺様もキュドンがいねぇと、「あれ?」ってなる事あるくらいだからな。


「そうかぁ。勿体ねぇ話だな。あんなにいい女なのになぁ。旦那にベタ惚れだぜ、あの嬢ちゃん。」

「?そりゃ勘違いだろ。キュドンの奴は俺様の親父が好きなんだよ。餓鬼の頃からずっとな。俺様の世話焼くのも、親父の餓鬼だからだろ。」


 何かと親父の事を引っ張り出すしな。


「フリークの旦那ぁ。」

「言うなよ。元からこんなんだ。」


 なんだその面。

 なんかむかつく面だな。


「で、その旦那がご執心の嫁さんは何処の誰さんなんだ?」

「あ"ぁ"?」

「止めとけ止めとけ。見たら引くぞ。」

「あ"ぁ"?!ユーキのどこが引くってんだぁフリーク!目が腐ってんのか、あ"ぁ"!?炎のように鮮烈に染まった美しい赤髪をたなびかせ。吸い込まれそうな程大きな瞳は、海より青い深みのある青銀の輝き。きめ細かく柔らかそうな肌は陶器のように純白。神々に愛されて産まれたような美の化身でありながら、竜に匹敵する豪傑まで持ち合わせているユーキの、どこが引くってんだ、お"ぉ"!?」

「・・・それで、子供じゃなきゃな。」

「えぇ!?子供っ!?」

「問題ねぇ!」

「問題ねぇ!?」

「問題あるだろ。」


 問題なんざある分けねぇ。

 婚姻事態は子供を産めるようになってからで構わないし、それまで指一本手を出すつもりも無いのだから。

 それに、婚姻も男として惚れさせてからの話だしな。


「おれが警戒しなきゃなんねぇのは、旦那の方なんじゃ・・・。」

「かもなぁ。」

「あんだとコラ。」


 ふざけろ。

 誰が危険人物だ、コラ。



 ◇━◇



「そういや、フリークよ。お前あんな所で何してたんだよ。」


 なんだかんだと昼飯を共にしているフリークだが、本来なら闘技場で警備の仕事をしている時間の筈だ。


「なにも。この間の騒ぎのせいで闘技場も休業中なんだよ。」

「あぁ。成る程な。本当に暇だったのか。」

「しかも、この調子だと武祭は中止だろ?俺は武祭の為に雇われた臨時の警備だから、いよいよお払い箱だよ。これからずっと暇だ。」


 なんだ、コイツ。

 無職になったのか。


「なら、俺様の所に来るか?客員として飯くらい食わせてやるぞ。」

「・・・・ああー。まぁ、考えとく。」


 来ねぇな、この反応は。


「どこ行くのも構わねぇがよ、お前あの女はどうなんだ?」

「はぁっ!?なんだよ突然!」

「拳刀の・・・なんつったっけ。シェなんとか。」

「シェイリアさんな。シェなんとかってなんだ、ふざけんなよ、ぶっ飛ばすぞ。」

「おう、おう。やってみろ。女一人に告白も出来ねぇヘタレの拳なんざ怖くねぇ。」

「くぅっ。」


 コイツ、昔っから女の事となるとヘタレるからな。


「お、俺はな。その、根なし草だろ?だからよ、こう、下手に付き合ったりしたら、その、な!責任が持てねぇっつーか。相手にも失礼で、な!」

「家の門下生と恋仲になりそうだった時もそんな事ほざいてたな・・・・。たく、そこは甲斐性の見せどころだろうがよ。お前、人間と付き合う気あんのか?」

「くぅっ。」

「甲斐性の欠片も持てねぇなら犬とでも番ってろ。」

「んだとコラっ!」


 食っていたミートパイを握り締め、フリークは怒鳴り声をあげた。


「それが嫌なら少しは甲斐性くらい持てよ。お前だって、女に興味が無いわけじゃないだろ?それとも一生独り身か?」

「・・・・いや、そうなんだけどよ。まぁ、今回はいい。まだ時期じゃねぇ。」

「お前の時期って何時なんだよ。前のシーズンは他の男にもってかれてるぞ?」

「・・・・うっせぇ。」


 まぁ、別に構いやしねぇんだがよ。

 結局の所、他人事だしな。


「・・・それにな、まだ俺には早ぇんだよ。他の事にうつつ抜かすにはな。━━もっと、強くなりてぇ。」

「それは俺様も同じだ。だがよ、それとこれとはまた違う話だろ。」

「違わねぇよ。同じだ。少なくとも、俺の中じゃぁな。・・・あの人の背中に追いつくには、まだ、まだ、足りねぇんだよ。」

「そうかい。好きに━━━━」



「旦那」


 俺様の言葉を遮るように、グロンダムから声が掛けられた。


「話を遮っちまって悪いな。」

「構わねぇよ。なんだ?」

「緊急依頼があったみたいなんだ。状況がはっきりするまで、宿に戻っててくれねぇかな?」

「緊急依頼だ?」


 グロンダムが神妙な顔つきで自分の背後を指差す。

 指の差された方向を見ると、街の外、北の山間から一本の赤い狼煙が上がっていた。


「何があった?」

「わからねぇ。ただ監視所が狼煙を上げるのは、相当ヤバイ時だけだ。それに北から上がってるってのが、さらに格別に不味い。あの方向は飛竜の棲み処があるんだよ。」


「━━飛竜の?」


 割って入ったフリークの言葉に、グロンダムは頷く。


「ああ。北に山を二つ越えた所に飛竜の谷ってのがある。文字通り飛竜達が縄張りにしている場所で、地元の奴等でも迂闊に近寄らねぇ。飛竜自体もかなりヤバイんだが、北の方に生息している魔物もこのうえなく厄介でな。もし、あの狼煙が、魔物の集団暴走(スタンピード)の知らせだとしたら・・・・」


 喉を一つならしたグロンダムは顔を真っ青にして言った。


「ここもただじゃ済まねぇ。」


 俺様とフリークはしかめっ面で互いに目を合わせた。そして、どちらともなく北の方角にあがる狼煙に視線を移した。


 赤い狼煙は高く登っていた。

 不規則な風に煽られ、怪しく揺れながら。


ユーキちゃんクリスマスを語るよ

コーナー


ユーキ「俺の地元には、冬の決まった日にクリスマスって言う祭を開いてたんだ。」トオイメー

ロイド「へぇ」

シェイリア「へぇ。どういうお祭りなんですか?」

ユーキ「神の子が産まれた奇跡の日を祝いつつ、目障りなイチャイチャカップルを片っ端から爆発させる祭」ハゼロー

ロイド「それが本当なら、狂気そのものだな」



ユーキ「その日は神様の子どもが産まれた日らしい。馬小屋で」

ロイド「何故に馬小屋」

ユーキ「母親の趣味」テキトー

ロイド「失・礼」


シェイリア「あ、周りの人からみたら馬小屋だっただけで、本当はお家だったのでは?」

ロイド「それもそれで、失礼な話だな」

ユーキ「かもな。初めて見た時のロイドも変態に見えたけど、話してみたらただのヘタレだったもんな」タシカニー

ロイド「待て、待て、待て。なんだその納得のしかた。変態からヘタレってなんだ?悪口から悪口へ華麗に称号チェンジすんな、泣くぞ」



ユーキ「実はその日、他にもイベントがあるんだ」

ロイド「爆発以外で?」

ユーキ「爆発以外で」ウンウン

シェイリア「裂ける?」

ユーキ「惜しい」ザンネン

ロイド「惜しいっ!?」



ユーキ「サンタって言う、赤と白の服を着た恰幅のいい白髭爺が、鹿みたいな動物にソリを引かせて空を飛び回り、デカい袋を背負って煙突からやって来ます。夜」ドドーン

ロイド「化物だな」

シェイリア「魔術師ですね」

ロイド「その上、裏の人間だな」

シェイリア「殺し屋ですね」


ユーキ(こう言うと、サンタさんって危ない人にしか聞こえないんだなぁ)ザンネン



ユーキ「寝ている子供達にプレゼントを配ります」ドヤァ

ロイド「爆弾か」

シェイリア「爆弾ですね」


ユーキ「最初の話は一旦忘れて欲しいんだけど」




結局、適当な話をしたユーキがプレゼントを貰う事はありませんでした。



まとめ

クリスマスは黙って家族で過ごす日。

byユーキ



ユーキ「お前クリスマスは、・・・あ、いや悪い」ザンネン

ルゥ「ちょ、なんですか、その生暖かい目は!?ありますよ!予定くらい!イチャイチャだって・・・!本当ですよ!ちょっ、止めて、そんな目で見ないで!!」

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