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勇者タカユキと魔王の戦い~異世界パンツ英雄譚~  作者: 月見七春
第十一章 ブリフト、天使と悪魔
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第五十五話

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 結論を言おう。

 腰が痛くて一回休み。

 あほかと。ばかかと。

 頑張りすぎちゃうんかと。

 でもしょうがないねん。

 いやでも二人揃って素直に仲良くすると、これがすごく可愛くてだな。

 どう見ても天使なクラリスは小悪魔衣装で奉仕してくるし。

 えっちになると小悪魔にもなるクルルは天使みたいな衣装で俺を翻弄する。

 ……つい。つい燃えちゃったんです。

 こんなことでペロリの力を借りたらもうあとがないので、治療は辞退。

 なんとか夜には動けるようになったと思ったら、今度はコハナに攫われた。

 クルルがしたのとはまた違う魔法で宿の部屋と外を遮断。

 あのメイド服を着て、卓越した技をもつコハナによるご奉仕プレイ。

 ……辛抱たまらん。

 結果に一つ追加な。二回休み。ぐだぐだか。

 と、とにかく。

 三日目はマジで身動きとれないくらいに身体中筋肉痛で、四日目にしてやっと旅立つことに。


「クラリス皇女、どうか思い直してはいただけませぬか」


 王国から来た妙に仰々しい格好をじいちゃんに「大臣、わたくしの気持ちはかわりません」と告げて、クラリスが宣言した。「いきましょう!」

 彼女はいま、新たな服装に身を包んでいた。

 王位をきちんと継いだわけではないが、現時点での王国の主である象徴として小さな王冠をかぶっている。

 その服装はタイトなミニスカートドレス。首筋と肩口は露出していて、胸元は大胆に開いていた。色は白。本来なら天使と人の血を継いでいるんだから、彼女に似合いの色は白に間違いない。

 アクセントに入る金や、いつもに比べれば少ないもののそれなりにつけられた宝石たちは間違いなく相応の身分を主張している。

 にしても……太もも見えすぎだ。紐で繋がったニーハイもちょっと趣味的過ぎる。


「クラリス様の衣装、いいでしょ? コハナが考えて用意したんですぅ」


 ……お前か。


「みなさんの衣装も新しくしちゃおうかなあ。好評なら、ですけど」

「そう言って俺の股間に触れてくるのやめてくれ」

「くふ★」


 絡みついてくるコハナを押し返して周囲を見た。

 街の出口には騎士たちがずらりと並んでいて、大臣と呼ばれたじいちゃんや街の有力者たちもいる。


「せめてお付きの者を」

「コハナを雇い、勇者様と我が国一の魔法使いがそばにいるのです。少数の方が動きやすい上、これほど頼もしい味方はおりません」

「う、ぬう」

「魔王を討伐すればこの島は動乱の元凶になりかねません。ですから、わたくしがいくのです」

「……そこまでお考えでしたか」

「またクルルにより定期的に連絡を行います。王国と密に連携を。あなたはここで窓口となるように」

「御意に」


 恭しくお辞儀をしたじいちゃんに頷いてから、クラリスは歩き出そうとする。

 けど俺は咳払いをした。


「勇者様?」

「ああ、その、なんだ。王国から馬は連れてきてないのか?」


 俺の言葉にじいちゃんははっとした顔をして、それから騎士に命じた。

 すると数分を待たずに騎士が白馬を連れてきた。手綱を預かり、クラリスのそばへ。


「あ、あのう?」

「いいから。王国を背負うなら、君はこれに乗るべきだ」


 クラリスの腰を抱いて持ち上げ、白馬に腰掛けさせる。


「で、でも。わたくしも歩かないと」

「いいから」

「でも」

「でもはなし。皇女として行動するなら、これくらい乗ってないと」

「う……」


 それを言われると、と俯きながらも不満げだ。まあ自分だけ特別扱いってのは疎外感あるしな。クラリスは旅に何か決意をもっているのかもしれないし、それなら出鼻を挫かれたみたいでいやだろう。

 とはいえどうしたもんか。


「じゃあ、そもそも馬車とかないのかな。あともう一頭馬がいれば言うことないかも」


 クルルの提案に、白馬を連れてきた騎士があわててがちゃがちゃと港へ走って行った。

 なんかすまん。


 ◆


「これでいいでしょ」


 街に眠っていた馬車を引っ張り出して、黒馬と白馬に繋いだ。

 自慢げなクルルと共に御者台に腰掛けた俺は想った。

 最初から準備してもらえばよかったって。

 すげえぐだぐだじゃない? 出口に集まってくれた人も心なしか「行くなら早くしてよ」って顔をしているように見えるような……被害妄想かな?

 ま、まあいいや。

 荷台を見ると物資と一緒にクッションに腰掛けるクラリスとコハナ、寝そべるペロリ、ルカルーが見える。すげえ快適になったな、俺たちの旅。


「じゃあ、とにかく行くか」

「そうだね」


 集まってくれた連中に手を振って手綱を引いて進み出す。

 ゆっくりと、けれど確実に街から離れていく。

 なのに一切疲れない。強いて言えばケツが揺れるたびに擦れるくらいだが、問題なし。


「……最初から馬車があれば楽だったのにな」

「それは今更言いっこなしだよ」

「それもそうだな」


 ここへきて本格的に旅らしくなった。

 歩きから解放された俺たちはきっと何が来て大丈夫に違いない。

 はっはっは! なんでもこい!




 つづく。

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