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勇者タカユキと魔王の戦い~異世界パンツ英雄譚~  作者: 月見七春
第五章 エルサレン、ペロリ動乱
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第二十二話

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 ビスチェとレオタードが一体になった服の脱がし方がわからない。

 身体の前面にある結び目をほどいても、別になんにもならなそうだしなあ……。


「ルカルー、すまん」


 一言謝って(無駄だろうけども)ルカルーの身体をうつぶせにした。

 冷たくて固い身体の感触は正直もう二度と触れたくないレベル。

 背中をよく見るとファスナーがついている。下ろしてみれば、お尻の付け根の尻尾穴まで続いていた。

 あとは肩紐を下ろしてズリ下ろすだけ。

 なんとも、まあ。すごい服だな……。

 レオタードの切れ込みがえぐい分、拘束が緩んで一気に股間やお尻が丸見えに。

 重たく感じる身体をあげてずり下ろすと、切り込みのえぐさに負けないスケスケの紐パンが。

 レオタードの内側にあって目立たなかったのは、サイドで結びをつくるタイプじゃなくて、文字通り紐のようなパンツだったからだ。

 股間の部分、毛が通り抜けないようにしっかり縫われた布地になっている。

 けどそんなに分厚くない。レオタード越しにラインが浮かぶような感じではなかった。

 恐る恐る匂いを嗅いでみると、なぜか柑橘の匂いに混じってクルルとは少し違う女の子の香り。

 匂い袋とかで香りをつけているのかな。俺たちの気づかない範囲で、いそいそと?

 意外に乙女だ。


「考えている場合じゃないな」


 触れてみればはっきりとわかる死体を放置してはいられない。

 渦中の俺からしてもゆるい展開でまぎれているだけで、生き返ってもらわないと困るのだ。

 クルルのパンツはかぶるとして、ルカルーのパンツは……とりあえず腕に巻き付けてみよう。


「さて、どんな武器が出る?」


 右手を振りかざして念じてみた。「出ろぉ!」

 瞬時に筒が出てきた。大剣の時と同じで、大した重さは感じない。


「うん?」


 筒の先端にはモリの先端みたいなものといかにも押してくださいと言わんばかりのぽっちがついている。

 周囲を見渡して、とりあえず先端を井戸に向けてみた。


「えいっ」


 ぽっちを押した途端、モリの先端みたいな金属が発射された。

 中から吐き出されていく金属のチェーンがじゃらじゃらと音を鳴らす中、先端は井戸にそのまま突き刺さり、


「おおーー……おおお!?」


 感嘆をもらす俺ごと一気に引き寄せた。

 踏ん張りがきくんじゃないか、なんて甘い考えをもっていた時期が私にもありました。

 今?


「へぶっ」


 井戸に激突したよね。

 最弱の戦士が栽培野郎に攻撃されて地面に激突してそのまま死んだようなポーズで。

 言ってよ。気をつけないと痛い目を見るって。

 説明書とかくれよ。


 ◆


 つまり、これはあれだ。

 いわゆる一つのフックショット。

 俺の失われた記憶がそう言っているからきっとそんな感じ。

 雑でもいいや、使えるもの。

 ただ気をつけなきゃいけないことがある。

 まずその一、わかりやすい武器じゃないから、獲物は結局大剣縛り。

 その二、ボタンを押したら長さの限界まで勝手に伸びて、勝手に戻ってくる。細かい調整が利かないんだ。

 唯一の救いは、数メートルはありそうな城壁の上まで届くところだ。重力に負けない発射力も魅力的。


「よし、行くか」


 棺は置いたままにして、城壁の上めがけて発射。

 案の定痛い目を見たが無事、侵入に成功した。

 城壁の上にある通路には狼人間が歩き回っていたので、これを大剣で撃破。

 ルカルーの時のように、毛だけが焼き切れて裸のケモミミ尻尾つき人間に逆戻り。

 一面と一面を繋ぐ場所に築かれた尖塔をのぼり、教会の位置を改めて確認する。

 クルルがいてくれたなら、あのロリが教会に今もいるのか確かめることができたかもしれないのに。

 もし無理でも軽口を叩いて気が紛れるのに……今は一人。

 改めて実感するな。異邦の者は、世界に属する誰かと繋がっていないと孤独だ。

 なんて俺にしては詩的なことを考えてしまうのも、一人のせいだ。

 早くなんとかしないとな。ここへきて真面目な方向性に路線変更されても困る。

 えろいこと込み込みで笑っていたいぞ、一男子としては。


 ◆


 クルルが一万人はいると言ったように、エルサレンは大きな街だ。

 教会が見えたはいいが、道中には魔物がうじゃうじゃいる。

 住民の全てが魔物になっていたとしてもおかしくはない。

 それを現実の物にしたのが、魔王に唆されたロリっていうんだからたまらない。


「スニーキングミッションだ」


 なんて呟きつつ、実行したのはフックショットと普通のジャンプ力を駆使した屋上移動。

 魔物には大した知恵がないようで、屋上を警備して仲間に知らせる、みたいな行動を行っているヤツが一人もいない。だからバレる心配なし。

 落ちたりしなければ大丈夫、大丈夫……。

 そう言い聞かせないと、無理。

 どうせ出るならフックショットじゃなくて、剣で切ろうとしても切れないような蜘蛛の糸を出せる何かであって欲しかった。


「……よっと」


 フックショットによる設置時に足を壁に向けて衝撃を我慢する(裸足で)。

 感覚が麻痺してきた頃になってようやく教会に到着した。

 外壁の整備用だろうか。

 壁面を移動していて見つけた扉をそっと開ける。

 魔物がいたら倒せばいい。

 大剣を握る手に力をこめて、意を決して中にもぐりこんだ時。


「……おう」


 湯を張った浴槽を前にして、ロリが裸で着替えをしていた。

 俺に背中を向けて「ふんふふんふーん」とご機嫌な鼻歌を歌っている。

 ロリの裸について詳細な表現は省くが、そこに杖はなく。

 完全無防備なロリの裸を前にして、俺の脳裏に浮かぶこと。

 それは――


 コマンド たたかう

      おどす

      (自主規制)


 さあ、どうする?

 表現と倫理の限界に挑んじゃう?

 いやいや、ないない。さすがにそれはない。

 それじゃ勇者じゃなくて鬼畜だ。

 落ち着け、相手はロリだ。

 たとえその嗜好に目覚めたらたまらないであろう体躯や肌色、色素があろうとも。

 相手はロリなんだ。

 なので、俺は無防備な背中から抱き上げて、


「ふぁ!? な、なななななな、なに!? なにー!?」


 ぷりんぷりんのお尻めがけて、手を――あとはわかるだろ?

 全力で振り落としたさ。


 ばちーん!


「あいーっ!?」




 つづく!

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