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3月30日 マフィアの日
子供の頃は悪いものに憧れるもので俺もその例外ではなくマフィアに憧れていた。
貧困地であるここで唯一携帯を持っていたのがマフィアである人だった。
両親も親戚も地域の大人は皆その人を悪く言っていたが俺からはただの僻みに見えた。
俺は友人の中で将来マフィアになると言って憚らなかったし、友人の何人かも将来マフィアになりたいと言っていた。
マフィアごっこと称して、家から銃を持ち出して撃つ真似なんかもしていた。
友達との集まりをこっそりファミリーなどど読んでいたらしていた。
そんなある日のことだ。
遊び帰りに喧騒が聞こえてきた。
楽しいことなの喧嘩しかないと思っている俺達は急いでその場へと走っていった。
そこにいたのは、町でも貧乏で有名な叔父さんとマフィアの青年だった。
叔父さんを何度も殴打したのだろうか。
青年が握るハンマーからには血が滴り落ちていて、叔父さんも歯が欠けていた。
僕たちは言葉を失った。
青年が羽織っている高そうなコートがより残虐さを引き出している様に感じた。
翌日から僕だけはマフィアを目指すのをやめていた。




