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2月14日 バレンタインデー

 朝から緊張していた。

 何も複雑な事はない、今日がバレンタインデーだからだ。

 友達2人とチョコを競い合っていた俺は、ロビー活動も万全で今日という日に備えていた。

 少なく見積もっても3は固い。

 上手くいけば6というところだ。

 一方、友人達は楽に媚びていない。

 この勝負は今後のヒエラルキーに大きく関わってくるということを理解していないのだろう。

 まぁ、いい。


 俺は不安と期待を抱きながら下駄箱を開けた。


 ー入ってる……いる!

 入っている!入ってる!一個だが入っていた。

 裏面を見るとAと書いてあった。

 クラスで実は人気のあるAからだった!

 テンションが上がるのを無理やり抑えながら、教室に向かう。

 何食わぬ顔をして、机の中を探る。


 ー手に感触が。


 ゆっくりとその中のものを取り出す。

 入っている!!

 入ってる。入っている。宛名はBだ。

 そこそこ人気のあるBからだった。


 結局はそれ以外チョコは貰えなかった。

 予想していた人から貰えず少しテンションは落ちつつも友人に自慢できる時を待っていた。


 放課後。

 俺はニヤける口を押さえながら聞いた。


「チョコどうだった?」


 友人2人は浮かれない顔をしながらかぶりを振った。


「俺は2個だけどね!」


 そこからトコトン自慢し切った。

 延々と話していると下校時間になった。

 それでも話し足りずに一緒に帰ろうとしたが二人は用事があるらしく、別々で帰ることになった。



「なぁ、どうするよ。」

「なにが?」

「俺らの用意した2個だけだったじゃんあいつ。」

「まぁ、不機嫌になるよりいいでしょ、それにお互い彼女に頼んで義理チョコ作ってもらったんだから、嘘じゃないし」

「でも、あんなに浮かれていたら複雑な気になるよ。」

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