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4月23日 サンジョルディの日

 早朝の教室。

 誰もいない事を計って僕は教室に潜り込んだ。


 今日はサンジョルディの日。

 本と薔薇を贈る日だ。

 自信作の自著をクラスの全員分印刷してきて、机の中に入れておく。

 これが俺の陰キャからの脱出作戦だった。

 きっとこれを手に取った皆は賛嘆してくれるはず。

 そう思っていた。


「え。」

「あ。」


 教室には僕と同じクラスのカーストで最下位にいる級友がいた。

 お互い挙動不審になっていた。

 クラスのカースト最下位同士でお互いを見下しているのは感じていた。

 そいつの手元を見ると薔薇が握られていた。


「サンジョルディ。」

「え?」


 知らずに声を出していた。

 相手も僕が手に握っている本に気がついたようで意気投合して話をした。

 相手は手芸が趣味で薔薇の造花を人数分用意してきたらしい。

 その造花はうまくは見えなかったが、心がこもっているように感じて僕は好きだった。

 話もそこそこに僕たちは机の中に造花と本を入れていった。


 朝になり、それに気がついたクラスメイトの反応はここには記さないがかけがえのない友人が一人はできたのは事実だった。

 それからの学校生活もほんの少し良くなった。

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