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4月19日 乗馬許可の日
侍になりたいと言う願いは、農民のオラには余りにも大きすぎる願いだと言うことを重々に理解できているつもりだった。
それでも馬に乗っていいと言われて、士農工商という見せかけだけでもある身分制度が揺らいでいる現在を見ると嫌でも希望を抱いてしまう。
今や朝敵扱いされている新撰組や幕末志士の奇兵隊たちは農民だったらしい。
オラが村にも募集はあったが、その募集に乗ることはできなかった。
だから、目の前で自由に乗ってもいいと言ってくる自由に商人の誘いを断ることはできなかった。
思い切って飛び乗ってみる。
いつもとは目線がまるっきり違う。
その事が怖くてオラはすぐに馬から降りてしまった。
きっとオラはこれから馬に乗る事も侍になる事もない。
ただ、いつでも侍になる事ができるという事実がこれからオラを何度も励ますだろうとそんな考えが頭によぎった。




