第6話 サクサク プレイ
やっと戦闘です。
ついに出た!
モンスターだ!
敵の方を見ると、頭の中に『レッドスライム』と浮かんでくる。
便利だこの機能は! うまく使えば討伐クエストも楽になりそうだ。
目の前にいるレッドスライムは1匹でサイズは大型犬ぐらいだろう。
俺はとりあえず魔剣で力いっぱい斬りつける。
サクッ
ジュブブブ
斬ったという感触がほとんど無かった。勢い余って地面に刃が入ったがその感触も少ししか無かった。
恐ろしいほどの切れ味だが、これならクエストもすぐにクリアできそうだな。
サクッ ジュブブブ
サクッ ジュブブブ
南の森へ向かいながらスライムをどんどん倒していく。
サクッ ジュブブブ ポン!
いままでと違う効果音がして、スライムがいた場所に何か残っていた。
俺は近付いて拾う。『スライムの粘液』と頭に浮かんだが、見た目では瓶詰の蜂蜜みたいに見える。色は赤いが・・・。あと、この瓶はどこから出たんだ? ゲームだからか?
まあ・・・ いいか。
確かこの素材を他の素材と組み合わせると様々なアイテムに変わる。
ただ、このアイテム単体では効果は無い。
効果は無いけど俺の頭にイケナイ考えが浮かぶ。粘液ということは、ぬるぬるだよな。やっぱりあれだよな。今晩・・・。
いや、スライムの粘液なら体に害があるかもしれない。ちょっと確かめよう!
俺は安全を確認するために、瓶の蓋を開けた。
シュポン!
蓋を開けた瞬間にアイテムが消えてしまった。
あれ?
「ご主人様! そのアイテムは単体では使用できません。無理に使おうとすれば消えてしまいます!」
「あ そうなの?」
「はい!」
俺の残念な行動にレイが説明を入れてくれる。
ちょっと思考がエッチな方向に向かう事が多くなってきたので、気持ちを引き締めよう!
ヨシ! クエスト中はエロい事は控えよう!
そう心に強く決めたのだった・・・。
あの後レッドスライムを何匹か倒して、特にトラブルも無く森の入口まで辿り着いた。何個かレッドスライムがアイテムを落としたが、袋にどんどん入れていった。
この森には道が一本だけある。その道を進んで行けば泉に着くはずだ。
「よし! 入るか!」
「はい!」
俺は気合を入れて森へ入って行く。
周囲を警戒しながら道を進む。木の高さは20メートルぐらいはありそうだ。
そんな事を思いながら歩いていると、道の真ん中に2メートル程の木が立っていた。
俺の頭に『ミニトレント』と浮かんだ。いや 擬態しているのだろうが、そんな所に居たらバレバレだぞ・・・。
潜入任務でヘビさんがダンボーる・・・ いやいや なんでもない。
俺は躊躇せず間合いを詰めて一閃する。
サクッ バタン
こいつも斬った感触がほとんど無い。倒れた後に姿が消える。
その後も警戒を続けながら進むが、ミニトレントが立っているのは常に道の真ん中だった・・・。まあ ゲームだしな・・・。ミニトレントだ落とすアイテムも、何個か袋に入れた。
どんどん道を進むと開けた場所に出た。
「泉についたな!」
「はい! 順調でした!」
「まあ、簡単なクエストだしな。さて、目的のモンスターは・・・」
見える範囲には敵はいないようだ。だが、ここには『ドラゴンもどき』がいる。
泉に近付くと、水の中から何か出てきた。
俺は出てきたものを見る。『ドラゴンもどき』と頭に浮かぶ。
ドラゴンと名前がついているが、大きなトカゲだ。長さは5メートルほどか?
トカゲは俺に気付いたのか、キバを見せつけるかのように威嚇してきた。
俺は身構えてジリジリと間合いを詰める。
「グワッ!」
トカゲが吠えて突進してきた。姿の割にかなり早い! イノシシと同じぐらいだろう。
だが、俺にはまだまだ遅い! 余裕で右に避ける。
ブン!
俺が避けてすれ違う瞬間にトカゲが尻尾を振り回した。現実の俺なら間違いなく尻尾の一撃でダウンだろう。だが、今の俺は違う!
サッ! と余裕で躱して、剣で斬る。
ドシュ! シュゥー・・・
こいつも一撃だった。血を吹きだして動かなくなったあと、消えていった。
1匹を倒すと、更にもう1匹出てきた。
そういえば、ここに来るまで何も技を使わなかったな・・・。
まあ、使う必要もなかったがな。
とりあえず、俺が好んで使っていた技名を思い浮かべる。
頭の中にイメージが浮かんできた。これはいけそうだ!
「ソニック スラッシュ!」
技名を叫び、剣を素早く横に振る。
剣先が加速した! 目で追うことが出来ないほどの速さだ!
剣の軌跡の形で衝撃波が飛んでいく!
ブシュッ!
見るとトカゲの首が飛んで血が噴き出していた。
おお! すごい! と思っていると。
ダン! ダン! ダン! ダン・・・・・
大きな音と共にトカゲの後ろにあった木々が倒れていく。
あれ? ゲームでは敵しか斬れないはずなのに・・・。
100メートルほど先までの木々が倒れていった。
まあ 実際に使うとこうなるのだろう・・・。
よし! この技は封印しよう! 技の範囲内に人がいたらシャレにならん!
俺が技の封印を心に決めていると、次は泉から3匹出てきた。
だが俺の敵ではない!
ドシュ! ドシュ! ドシュ!
一気に間合いを詰め、技を使わず一刀ずつで仕留める。
トカゲ3匹が消えた場所に一つの赤い石が残る。
あれ? こいつは何もドロップしないはずなんだが?
俺は拾い上げる『竜玉(未)』となっていた。
「竜玉?・・・」
「はい そうですね。ドラゴンですから!」
「え? 『もどき』だから偽物じゃないの?」
「いえ 本物のドラゴンですよ。まだ未成熟なだけです」
「ああ! その(未)か。じゃあ成熟したら何ドラゴンになるんだ?」
「1000年大地の力を吸収すると『グランドドラゴン』になります」
グランドドラゴンは地龍の最強種であり、SSクエストのエリア『龍の聖地』に出てくる龍だ。まさか、もどきが進化して最強龍になるなんてな・・・。しかもこんな設定はゲーム内では出てこないので分かるはずもない。
「グランドドラゴンとは凄いな・・・」
「そうですね。ただ、1000年を生き延びる竜は殆どいないようです」
「そうなのか?」
「はい! 1000年経つまでこの強さですから・・・」
「なるほど・・・」
よく理解できた。この強さで1000年は無理ゲーだろう。たぶん1000年分の力を竜玉に溜めて、満タンになったら進化できるのだろう。グランドドラゴンが落とすアイテムは『大地の龍玉』だしな。
全ての討伐を終えた俺たちは、来た道を戻り森の入口へ着いた。
クエスト完了です。
モンスターとかの設定は難しいですね・・・




