第2話 異世界で女の子と知り合った
初めての異世界!
お金の単位はM=ミールです。
俺は眩しさで目をつむっていたが、空気が変わるのを感じた。
体に風を感じて目を開ける。
・・・・? どこだここは?
目の前に草原が広がる、北海道? と思うが後ろの方で声が聞こえてきて振り返る。
町? いや規模的には村か?
村の入口があった。門には『リーン村』と書いてあるらしい。
文字は読めなかったが、頭の中に言葉浮かんできた。
確かリーン村は『ソード・ブレイカー』のスタート地点だ。
完全に夢だと思った。だってゲームの中に入れるわけがない。そんなのはラノベかゲームのストーリーだ。まあ、夢なら楽しくやるかと思う。
一応、夢かの確認で頬をつねってみた・・・ 痛い。
そういえば少し前に聞いたのは、夢でも痛い時は痛いらしい・・・ 意味無いじゃん!
俺は気を取り直して、記憶を辿りゲームスタート時のイベントを思い出す。
えっと門を進んで、交差点を右に曲がると占い屋があって、そこで初期のイベントが開始されるはずだった。
進んでみると確かに占い屋があった。
「すみません!」
一言挨拶をして中に入る。
中には一人の女性が水晶の前に座っていた。
あれ? 俺の記憶の占い師と違う気がする。かなり前にやったイベントなので気のせいか? この占い師は最初のイベントが終わると姿を消して二度と出てこない。だから印象が薄いので覚えていないのかもしれない。しかも、フードを被って口元を布で隠しているので表情も分かりにくい。
「アキラさん、お待ちしておりました。お願いしたい事がありますが、まだ準備が整ってないようですね。このお金で装備を揃えてから、もう一度来てください」
「わかりました」
そう言ってお金が入った袋を貰い外へ出る。
袋の中を見ると『1000M』と書かれたコインが1枚入っていた。
このお金を使って剣と鎧を買って、装備を整えるのが最初のイベントだ。だが、装備を買ってから占い師の所へ行くと、手紙を残していなくなっている。しかもこの後のイベントでも出てこない。結局謎の人物として攻略サイトにも載っていたはずだ。
とりあえず装備を買うために、村に一軒だけの武器と防具の店に入る。
中に入ると、鎧や兜などの防具が置いてある。奥の方に武器が見える。1000Mで買えるのは『革の鎧』と『ショートソード』だけだったはず。
最初に目に入った革の鎧っぽい物を持ってみる。すると、頭の中に『革の鎧』と浮かんでくる。ちょっとびっくりして横にあった帽子を持ってみる『革の帽子』となっていた。
「すみません。この革の鎧はいくらですか?」
「ああ それなら500Mだよ」
「そうですか、じゃあこの鎧をください。あと剣が欲しいのですが、500Mで買えるのはどれですか?」
「そこの目の前にある棚に並んでいる剣か、この樽に入っている中古品だな」
あれ? 中古品? 中古品なんて物はゲームには出てこないはずだ。どうせ夢だからこんなもんだろうと思い剣を選ぶ、新品はショートソードしか買えないし、掘り出し物があるかもしれないので中古品を見てみる。
やっぱり綺麗な剣がいいなと思いできるだけ良さそうな物を持つと『ロングソード』だった。一つランクが上の武器だ。他の武器を持ってみる少しボロイが『鋼鉄の剣』となっていた。ランクが上がったがこの刃で斬れるのか?少し刃こぼれが目立つ。結局、最初のロングソードにしようかと考えていたが一番ボロイ剣が凄く気になってくる。何かわからないが引き付けられる。無意識に手を出して剣を握っていた。
俺の手に握られていたのは『レーヴァテイン』だった。
え!? 魔剣? こんなボロイのに?
「この剣って売り物ですか?」
「ああ それか。少し前に赤い髪の女が売りに来たんだ。ボロボロなんだが何か他の剣とは違う気がするんだよな・・・。でも、研いでも変わらないんでそこに入ってるんだ」
「そうなんですか」
本物か? 赤い髪の女って、あの女の子か? 気にすればするほど、気になってくる。考えているとある事を思い出す。最初の剣はどれも攻撃力が低いので、能力がほぼそのまま攻撃力となる。ふと俺の能力は? と考えると、頭の中にステータスが浮かんできた。Lvマックスで能力値カンストだった。
迷いが無くなって、『レーヴァテイン』と『革の鎧』を購入した。
店を出て占い師の所へ向かう。どうせ手紙を読むだけだが、読まないとイベントが進まない。
「すいません!」
占い師は居ないのだが、一応他人の家なので挨拶をして入る。
「はい!」
あれ? 返事が返ってきた。かなり驚いた。
「えーと 装備を買ってきたんですが・・・」
「はい! 分かっています。やっぱりアキラ様は私を選んでくれたのですね!」
「アキラ様!? 選んだ!?」
「そうです! 私のご主人様として相応しい方です!」
最初の武器屋で手に入るレーヴァテインは本物?
占い師は何者?
って感じで次回へつづく