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前編

 私に嫌な思いをさせた者は例外なく皆揃って滅んでいった。


 命を落とすまではいかずとも痛い目に遭い。

 誰もが二度と嫌がらせなんてできない状態にまで追いやられた。


「メリッサ・アイーネ! お前との婚約は本日をもって破棄とする!」


 ――目の前で婚約破棄宣言してきている彼もきっとそうなるだろう。


 婚約者である彼ブリーブは以前から私を良く思っていない様子だった。

 というのもたびたび嫌がらせをしてきていたのだ。

 私という存在が不快なのならそもそも婚約しなければ良かったじゃないか、といつも思っていたのだけれど、彼の思考はそういうところへは巡らないようだった。


 だが、ついに、婚約破棄すると言い出した。


 これは大きな変化だ。

 そして私にとっても悪い変化ではない。


 ……婚約破棄宣言だけであれば。


「前から思っていたんだ、お前は俺に相応しくない女だ、と。だがそういうことは言ってはいけないことだからと思いずっと我慢してきていた。しかし! もうこれ以上耐えられはしない! 我慢の限界だ!」

「は、はぁ」

「俺はな、もっと魅力的で可憐で忠誠心のある女じゃないと結婚したくないんだ。分かるか? お前では話にならないんだよ。魅力はない、可憐でもない、忠誠心もない。そんなお前と結婚? そんなのは、たちの悪い罰ゲームだろう。冗談でも笑えない」


 婚約破棄を告げられただけであったなら、私は大人しくそれを受け入れたと思う。だが彼はそれだけでは止まらなかった。婚約破棄を告げた後も、執拗に、私の存在を否定するような言葉を並べてきた。ここまであれこれ言われるとさすがに不快だ。


「それに、お前は髪が綺麗じゃない。そこも減点だ。俺の妻となるなら髪のケアにももっと気を遣ってもらわなければ。そんなふっつーっな髪質では話にならない。俺が愛でるのは最高級の髪質の女だけなのだから」

「……それは初めて聞きました」

「当たり前だろう! こんなこと、わざわざ言うものか! 男の好みや主義に気づき対応するのも女の役割だろう。そういうことがきちんとできて初めて女と言える。言われるまで分からない、言われるまで動かない、そんな女、俺は女と認めない! 絶対に、認めはしない」


 いやいや、それはさすがに無茶言い過ぎだろう……。


 全知全能の神ではない。


「あと、目の色が地味なところも減点だな」

「目の色なんて変えられませんよ……」

「黙れ! 口ごたえをするな! 少しでも好みに近づけるよう日々努力しろよ。それでこそ妻となる女だろう。俺の妻になりたいならお前はもっと努力するべきだった、ということだ!」


 ちなみに、過去私を傷つけ滅んでいった人たちの例をいくつか挙げると。


 五歳か六歳くらいの時に虐めてきていた近所の子たち。数人いて、女子も男子も複数いたのだけれど、その子たちは私をたびたび仲間外れにしてきていた。遊びにも入れてくれなかった。また、出会うとそのたびに「ぶっさいくー」「くさそうなフェイスすぎ」などと絡んできて、さらには勝手に『めっさダサ子』『ぶさ』などといった失礼極まりないあだ名を付けてきていた。


 そんな彼ら彼女らは、皆、十歳になるまでに痛い目に遭った。


 ある女の子は大好きだった父親を事故で亡くした。

 ある男の子はボール遊びをしていて山の中に入り込んでしまい二度と戻ってこなかった。

 またべつのある女の子は可愛がっていた犬をうっかり踏んでしまい結果的にあの世へ送ってしまうこととなり。

 またべつのある男の子は不審なおじさんにつきまとわれ心を病んだ。


 ……といったように、彼ら彼女らには様々な形で天罰が下った。

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