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じじいと普通の森

ロック鳥は不味かった

ギリ食えるけど好んで食おうとは思えん酷い味じゃった

それは兎も角無事に朝を迎える事が出来た

ロック鳥の匂いを恐れてか魔獣が一切寄り付かなかったのは幸いじゃった

『飛翔に必要な魔力は回復していませんがアイテムボックスの使用は可能になりました』

ガイダンスさんが教えてくれる

仕方がない、歩くかのぅ

やむを得ずワシは森を歩く事にした

「しかし、嘆きの森と違って何と空気の綺麗な事かのぅ」

ワシは誰も見ていないのでじじい言葉で独り言を呟く

嘆きの森は魔素が濃いので空気が淀んでおる

長時間居座ると人でも何かの化け物になりかねん恐怖を感じずにはおられん

『魔素の塊である魔晶石を体内に埋め込まない限り肉体の変化は起きませんが体調は崩す可能性はあります』

ガイダンスさんが教えてくれる

つまり化け物になってしまう可能性は有るのじゃな

歩いておると足元に数本の矢が刺さる

見覚えの有る光景じゃのぅ

「ここはエルフの縄張りだ、人間よ何しに来た?」

エルフを名乗る男がワシを威嚇する

確かにスミスと同じ様な風体をしておる

「ロック鳥を倒したのは良いのですが魔力が尽きて飛べなくなりやむを得ず歩いての帰宅中です、非常事態でしたので誰の土地とも知らず降りた事は謝罪します」

ワシはエルフの男に謝罪する

「嘘を申すな、お前の様な子供が浮遊魔法を使ったりロック鳥を倒せる等という世迷い言を信じる訳が無かろう」

エルフの男の言い分も尤もじゃがのぅ

「浮遊ではなく飛翔です、私は大賢人マナ・ライより魔法の手解きを受けております、ロック鳥の亡骸は向こうに転がっていると思うので確認してください」

ワシの言葉を聞きエルフ達が目配せをして一人が立ち去る

恐らくは確認にでも行ったのじゃろう

「エルフを拐いに来たのでは無いのだな?」

エルフの男が確認を取る

「皆さん美しいですからそういう不逞の輩も居るのは理解しますが、私がそんな事をすると思いますか?」

ワシの言葉に漸く納得したのかエルフの男達はやっとワシに向けていた弓を弛める

それにしても酷い連中も居たものじゃ

「私はラゴウ村の代官でこの一体の領主であるパーパス・ランスの子、カタナ・ソードと申します、エルフ誘拐の件は必ず父に報告し対応すると約束します」

ワシは彼等に高らかに宣言する

どうせアイツらの仕業じゃろう

等とやり取りをしておると先程立ち去った別のエルフが帰ってくる

「まさか本当にこの子供がロック鳥を倒したと言うのか…」

報告を受けたエルフの男同士驚愕の声を出す

「…そんな事よりもあんな不味いものよく食べようと思ったな」

エルフの男が呆れた様に言う

やはり食うものでは無かったらしい

距離を取っていたエルフの男が歩みよりワシに小袋をくれる

「疑った詫びだ、木の実が入っていて魔力の回復効果も有るからそれを食べて早々に立ち去れ」

エルフはそう言うと振り向きそのまま立ち去る

「ありがとうございます」

ワシはぺこりと頭を下げてエルフ達を見送る

エルフ誘拐犯、物のついでに潰して帰るかのぅ

ガイダンスさん、戦神の加護じゃ

ワシはガイダンスさんに戦神の加護というスキルの発動をお願いする

戦神の加護はこの世界に来る時に一番最初に貰ったスキルじゃ

望む相手と望むシチュエーションで戦えるというワシ好みのスキルじゃ

『誘拐グループのアジトでの大立回りで宜しいですか?』

流石はガイダンスさん、解っておる

『あまり強そうではありませんが人身売買グループのボスも居る様に設定しておきます』

ガイダンスさんが言う

至れり尽くせりという奴じゃな

さて、気持ちよくぶっ飛ばさせて貰うとするかのぅ


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