4話
義勇兵になる宣言から1週間、何の成果も出せずに焦っていた。
「クソ!6年間だめだったのに、1か月で成果だすとか無謀だったか!?」
周りの話を聞いても、最初から『スキル持ち』の人間が多く、全く参考にならない。後天的にスキルが発現するのはよく知られていても、実際『スキル持ち』になれるのには、果てしない努力が必要であった。
ネクロも6年努力しているが、本人の適正にあっていないのか、努力の方向性が間違っているのではないかと感じていた。
そんなことを考えながらサウロ達3人組に蹴られていると、突然鐘が鳴り響いた。
「なんだ!?」
誰が言ったかは分からないが、この場にいた全員がそう思っていた。
学校での座学で、鐘のなり方で情報伝達を行うというものがあり、今回の情報は。
『敵襲』
『ゴブリン』
『キング』
というものだった。
このとき、町にいる全員に激震が走っただろう。
ゴブリン自体は強くない。適正レベルは10程度であり、スキルなしのネクロでも頑張れば倒せる程度である。しかし、『キング』が出た時点でその考えはなくなっただろう。
過去、ゴブリンキングが大軍を率いて街や城、国まで落としたことは有名な話であった。今回それが、この町を襲ってきたのである。
適正レベルは30~の任務になることは、この瞬間分かったことである。
人間のレベルは自分の年齢より高ければ優秀とされ、30以上は学生にはいなかった。18歳のネクロがレベル13であり、学校の中でも見下される対象となっているのも、これが一つの原因である。
『3000』
次に送られてきた情報は、総数3000ということだろう。これならば、上位ゴブリンは相手にせず、下位ゴブリンのみ相手をすれば、学生でも十分生き残れるだろう。
騎士団の常駐戦力は1000に満たない程度であったが、最初に弓矢や魔法で相手をすればなんとかなるだろう。上位ゴブリンやゴブリンキングに対しては少なくない被害を覚悟しなければならないが、街が壊滅する危険性は低いだろう。
そう考え、3人組は送られてきた情報から、東側の防壁に急いでいた。
ネクロはその場でうずくまっていた。
やばい!動けない!行きたいが、どんどん気が遠くなっている。『剣術』持ちのサウロが今日に限って、木刀を持ってやがって、いつもよりダメージが大きて、動けねぇ。
意識も遠くなり、気絶してしまった。
あれから数時間が経ち、ゴブリンたちも残り500m程度の位置まで来ていた。当初の総数3000より多くなっている。近場にいたゴブリンたちが、行軍に加わっていると考えられた。しかし、加わったと言っても下位ゴブリンなため、そこまで大きな戦力増加には至らないだろう。
と、マッカー騎士団長は考えていた。身長は180㎝、金髪の偉丈夫である。着用している鎧は多くの傷が入り、歴戦を物語っている。
「味方は1000人だが恐れることはない!!たかがゴブリンである!全員これまでの訓練の成果を遺憾なく発揮し、街を護れ!!」
「「「「「「「オオッ!!!!」」」」」」」
「最初は弓、尽きれば魔法で戦う!!魔力が切れれば白兵戦となる!全員気合を入れろ!!!!」
「「「「「「「オオッ!!!!」」」」」」」
「弓を構えろ!!……………撃てえぇ!!!」
のちに、街の名前から「パレス決戦」と呼ばれる戦いの幕開けであった。
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