33話
日間2位になりました。
すごいです。たくさんの方に読んでいただいて、評価もしていただけるとは。
引き続き33話をお楽しみください。
朝は7時。天気は晴れ。出発日和だ。
出発前に父さんが3人分のナイフをくれた。
ノールはかなり喜んでいた。前から欲しがっていたしな。
「また来てね、ノール君、アイラちゃん、アイビスちゃん。」
母さんの声は少し寂しそうだ。父さんも表情が暗い。
「おー、また来るよ!」
「はい、絶対行きます」
「……わかったわ」
アイビスは母さんの表情を見て、折れてくれたみたいだ。
「それじゃあ、行くよ。次いつ帰るかは分かんない。」
これだけは本当にわからん。そもそも、アイビスの親はどこにいるんだ?
ノールとアイラはある程度分かるんだと。
困ったなぁ。
「そう。アイラちゃんとアイビスちゃんが無事ならそれでいいわ。」
俺とノールはいいの?
「ちょ、おばちゃん!俺はいいのかよ!?」
ノールが食いつく。そうだ、言ってやれ。
「ノール君は男の子だから大丈夫よ。放っておいても生きてるわ。」
「え~?そうかぁ?」
そうだそうだ。
「ネクは生きてるじゃない。もしかしたらもう死んでるんじゃないかって心配してたのよ?
でもネクは生きてるわ。だから、ノール君も大丈夫。
むしろ、アイラちゃんとアイビスちゃんを守ってあげて。」
「まぁ、おばちゃんがそう言うなら」
丸め込まれるな。変なことしか言ってないぞ。
「ありがと、がんばってね」
「気を付けていくんだぞ……」
父さん涙目じゃん。もう一人こさえたら?女の子できるかもよ?
「じゃ、行ってくるよ」
「いってきまーす」
「いってきます」
「行ってきます」
我が家に背を向けて歩き出す。2回目の出発だ。
「んで、どこ行くの?」
と、ノール。
「いうの忘れてたけど、馬車なくなってたんだよ。どこ行ったんだろうな?」
「え?」
「はい?」
「なっ!?」
大丈夫だ諸君。
「何やってるの!いくらすると思ってるのよ、あれ!」
やべ、怒ってる。アイビスのじゃないじゃん。
アイビスが持ってきたんだけどさ。
「や、だってよ。フツーに考えたら盗まれるよ。
おいてきたって言っても、放置だから、放置。欲しい人はたくさんいるから。」
盗みを肯定するわけじゃないけどさ。あれは不用心すぎた。
「……だったらどうするのよ。歩いていく気?何カ月かかると思ってるの?」
落ち着いて。Be cool.
「商隊についていく。紹介状も書いてもらった。面識もあるから大丈夫だ。」
「……しょうがないわね。次から気をつけなさいよ。」
「わかったよ」
東側防壁へ移動して、恰幅のいい(デブ)のザックさんを発見し、声をかける。
「ザックさん、お久しぶりです。覚えていますか?」
「ああ、ネクロ君ですね。以前は助かりました。」
覚えてくれてた。結構嬉しいもんだ。
「それで、今日はどうかしたんですか?」
「東の町に移動したいんですが、以前と同じように移動手段がなくて。
カイラさんに頼んだら、ザックさんが今日その町に出発すると聞いてきました。
これ手紙です。」
受け取りながらザックさんもしゃべる。
「なら、今回も護衛をお願いしてもいいですか?今回は騎士団の付き添いもありますが、戦力は多くて困ることはありません。」
元々そのつもりだ。異論はない。
「はい。それでお願いします。紹介します。ノール、アイラ、アイビスです。」
「ちゃんと護衛するから安心しな!」
「よろしくお願いします。」
「よろしく」
アイラしかちゃんと挨拶してない。敬語くらい使えよ。
ザックさんちょっと心配そうな顔しちゃってるじゃん。
「ザックさん、大丈夫です。3人とも俺より強いですから。」
言ってて悲しい。年下より弱いなんて。
「それはすごい。『スキル持ち』なんですね。道中の安全は保障されたものです。」
「おっちゃん、任せとけ!」
ちょっと黙っててもらえない?元気があっていいけどさ。
「商隊の構成はどうなっていますか?騎士の人数は?」
「商人は私を含めて5人。ネクロ君みたいに同行を願い出た人が10人程度います。
騎士も5人ですね。ただ、新人のようです。」
同級生か?知らぬ存ぜぬで通すか。
しかし、全員新人なのか?
「騎士は全員新人ですか?」
「一人ベテランがいるみたいです。経験を積ませたいのでしょう。」
ベテラン1、新人4か。
「ネクロさんは商隊全部を守ってください。と、言いたいところですが。
私を最優先にしていただきたい。命に順序を付けるつもりはありませんが、一応雇っている立場です。
これだけを守っていただければ、あとは自由にしてください。」
それはしょうがないだろう。自分で雇っておいて放っとかれたら堪ったもんではない。
「騎士がいるので安全だと思いますが、途中オーガが多発する地域があります。
万が一の場合は頼みましたよ。」
オーガか。見た目が鬼のようだという魔物だ。
知性は低いが数と力で押してくる。危険な魔物だ。
「わかりました。ザックさんを最優先で守ります。」
「ありがとうございます。私の馬車は最後尾ですので、自動的に殿になります。
先頭は騎士になるので、あしからず。」
「皆そういうことだ。わかったな?」
「「「はーい」」」
アイビスも素直なことで。
感想とレビューの受付をいったん止めました。
自分勝手ですがすいません。
これからも読んでいただけると嬉しいです。




