祖父の告白
同じ頃、学校の上空は灰色の雲に覆われていた。何か尋常ならざることが、今にも起きようとしているかのように。
校舎の塀のそばに、一人の老人が現れた。奇妙な風貌で、皺だらけでありながらその顔つきは鋭く、両目には賢者のような狡知の光が宿っていた。
彼は辺りを見渡した後、静かな足取りで脇門の一つへと向かった。そこでは、リカ先生が遠くから生徒たちを見守って立っていた。
老人は彼女に近づき、しわがれた声で言った。
「ここで教えているのかね?」
彼女はためらいがちに彼を見た。
「ええ……でも、あなたは誰?何のご用ですか?」
老人は謎めいた微笑みを浮かべて言った。
「そんなことはどうでもいい。聞きたいのはただ一つだ――オズミという名に、聞き覚えはあるかね?」
先生は少し戸惑ったが、正直に答えた。
「ええ……私の生徒の一人です。」
突然、老人は大きな吉報を受け取ったかのように跳び上がり、杖を遠くへ放り投げ、子供のような喜びで叫んだ。
「ははっ!やはりな!やはりあの子は生きておったのだ!」
リカは、老人の奇妙な熱狂ぶりに驚いたが、それ以上尋ねる余裕はなかった。空に恐ろしい震動が轟いたからだ。まるで大地そのものが悲鳴を上げたかのように。
リカは空を見上げた。髪が風に舞い、直感が震えていた。
老人と先生は一度だけ視線を交わした。そこに言葉は必要なかった。
老人は突然、まるで歳月が何の痕跡も残していないかのような軽やかさで駆け出した。
リカは黙ったまま、用心しながら後を追った。心臓は激しく脈打っていた。
二人は打ち捨てられた倉庫の外れにたどり着いた……そこの瓦礫と煙の只中に、オズミが地面に倒れていた。意識を失い、体は動かなかった。
二人は同時に叫んだ。
「オオオズミいいい!」
二人は彼のもとへ駆け寄った。
老人は膝をつき、そっとオズミの頭を持ち上げて膝の上に載せた。その目からは、声もなく涙が流れ落ちていた。
打ちひしがれた声で、彼は囁いた。
「この馬鹿者……この愚か者が……なぜだ?なぜ、今なのだ?」
リカは彼の傍らにひざまずき、黙ってその様子を見守っていた。心の中では、戸惑いと悲しみが入り混じっていた。
言葉を交わす時間はなかった。ただ、心だけが、沈黙の中で語っていた。
やがて老人はしっかりと立ち上がり、オズミの体を腕に抱え上げた。まるで、過去の一部を抱えているかのように。その過去は、再び彼の目の前で砕け散るために戻ってきたのだ。彼は戦場から遠ざかるように歩き始め、リカは黙ってその後に続いた。
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老人とリカ先生は急ぎ足で学校へ戻った。すでに夜が空に帳を下ろし、世界を重い静けさで包んでいた。
二人の足音が地面に響き、まるで焦りと不安を囁いているかのようだった。
二人は急ぎ足で保健室に入った。老人はオズミを静かにベッドに寝かせたが、その目には深い悲しみが宿っていた。かつて同じ光景を目にしながら、あの時も、そして今も、何もできない者の悲しみだった。
彼は横たわる弟子を長い間見つめた後、先生の方を向き、鋭い口調で言った。
「出血を止めてくれ……急いで。あとは私がやる。」
リカは道具を用意しに駆けていき、一方老人はポケットに手を入れ、古びてぼろぼろになった一枚の紙を取り出した。そこにはかすれた記号が記されており、ほとんど読み取れなかった。
彼はオズミの頭の側に立ち、意味のわからない言葉を呟いた。時間そのものよりも古いかのような言葉で。
呪文を繰り返すにつれて、オズミの左手がかすかな黄色い光を放ち始め、それは次第に強まり、部屋を神聖な輝きで満たしていった。
リカは目を見開き、少し後ずさりした。かつてオズミの手に貼られたあの紙は、アラシを封じるためだけのものではなかったのだ……
それはまた、守りの封印でもあった……彼と呪いとの間に立つ、最後の門だった。
突然、彼の手から強い緑の光が放たれ、体中へと広がっていった。そしてオズミを静かにベッドから持ち上げた。まるで見えない何かが、彼の内側で目を覚まし始めたかのように。
オズミは宙に浮かび、その体は魅惑的な緑のオーラに包まれ、周囲の闇を呑み込まんばかりだった。
アラシのエネルギーが、容赦ない力で体中に広がっていく。まるで死と競い合いながら、彼を救おうとしているかのようだった。
オズミは無理やり目を開けた。その両目は、燃えるような緑に輝いていた。
体が震え、それから髪が変わり始めた。淡い緑の輝く糸に覆われ、毛先は黒い束へと溶け込んでいった……それは、これまで見たことのない姿だった。
その光景は恐ろしかった……まるでアラシが、彼に最後の機会を与えると決めたかのようだった。
オズミは、この呪われた力と完全に一体化した。それを使うためではなく……避けられぬ運命から彼を救うために。
光は次第に収まり、彼の体を包んでいた緑のオーラは薄れていった。まるでアラシが務めを果たし……そして内側へと退いていったかのように。
オズミの体は徐々に力が抜け、ベッドの上にそっと降りていった。長い夢から落ちてきた者のように。表情は静けさを取り戻したが、変化は明らかだった……はっきりと。
アラシは消えたが、彼の髪は輝く緑色のままだった。起きたことの、否定しようのない印だった。
胸の致命傷は、不思議なほどに塞がっているように見えた。まるで何かが、体の肉を織り直したかのように。だが、それでも……
アラシの紋様――あの絡み合った奇妙な記号が、胸や両腕、さらには首にまで現れ始め、模様のように這い進み、体全体を覆っていった……顔だけを除いて。顔だけは、まるで運命が彼の幼さの一片を残したかのように、清らかなままだった。
老人は部屋の隅に座り込んだ。疲労に打ちのめされ、頭を垂れ、壁にもたれて眠りに落ちた。まるで、生涯の歳月がすべて、一度に肩の上に崩れ落ちてきたかのように。
一方リカは、ベッドの傍らに立ち、黙ってオズミを見守っていた。起きたことのすべてを理解していたわけではなかったが、胸の内に何かを感じていた……恐れと、感嘆と、憐れみの入り混じったものを。
時間はゆっくりと過ぎていった。
そして朝の光が保健室の窓から差し込み始めた頃、オズミのまぶたがゆっくりと動き……目を開けた。
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リカは素早く近づいた。その顔には驚きと喜びが入り混じっていた。軽やかな、しかし感情に満ちた口調で言った。
「お帰りなさい、色男さん……」
オズミは、虚ろな目で彼女を見つめた。まるで周囲で起きていることが理解できていないかのように。その表情は穏やかだったが、生気がなかった。まるで内側の何かが……壊れてしまったかのように。
彼は一言も発しなかった。
自分がどこにいるのかも尋ねなかった。
起き上がろうとすらしなかった。
まるで自分の終わりを受け入れていたかのようだった。だが、彼が求めたわけでもない新たな命が、彼に与えられたのだ。
リカは軽く声を上げ、後ろを振り向いた。
「ご老人!オズミが目を覚ましたわ!」
老人はゆっくりと目を開け、それから……突然、その目が大きく見開かれた。年齢にもかかわらず素早く立ち上がった。まるでその瞬間、若さが戻ってきたかのように。そして、自分が望んでいたことを、その目で見た。
彼はベッドに駆け寄った。涙が恥じらいもなく流れ落ちていた。そして傍らに座り、オズミの肩に手を置いて、詰まった声で囁いた。
「オズミ……」
少年は呆然と彼を見つめた。何も言わず、涙一つ流さずに。その表情は、こう言っていた。「あなたたちは誰?何が起きているの?」
だが老人は深く息を吸い、真剣な口調で言った。
「時が来た……もうお前に隠し事はせん。」
それから彼の目をまっすぐ見つめ、付け加えた。
「お前はもう子供ではない、オズミ……真実のすべてを知らねばならん。」
深い静けさの一瞬が流れた。老人の目の中には、多くの感情が漂っていた。やがて彼は熱いため息をつき、ためらいがちな口調で言った。
「私は……名をキサラ・シンジという。キサラとだけ呼んでくれてもよい。」
彼はオズミを見つめながら、しばらく黙った後、かすれた、打ち砕かれた声で続けた。
「私は、お前の祖父だ、オズミ。」




