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第八章:最大の試練
転生から1ヶ月が経った頃、王国に危機が訪れた。
隣国が国境を侵犯し、小競り合いが始まったのだ。
戦争の噂が広まると、人々はパニックに陥り、食料の買い占めが始まった。
貧しい人々は真っ先に困ることになる。
宮廷会議では、戦争回避のための使者を誰にするかで議論が紛糾していた。
「殿、私が行きましょう」
老宰相が申し出た。
「いや、武人の私が」
騎士団長が言った。
その時、ドアが開き、二人の女性が入ってきた。エレナ(悪役令嬢の身体)とクラリッサ(聖女の身体)だ。
「殿下、私たちに行かせてください」
一同が驚く中、エレナが進み出た。
「私は……いえ、この身体の元の持ち主は、隣国との外交経験があります。また、交渉術も学びました」
クラリッサが続けた。
「そして私は、人々の心に寄り添う方法を知っています。武力ではなく、対話で解決できると信じています」
アルベール王子は悩んだ。危険すぎる。しかし、彼女たちの目には本物の決意が光っていた。
「……わかった。だが、護衛はつける」




