表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ローカル航路エプリオン線の嗟嘆  作者: 紫 和春


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/130

第20話 可能性

 隕石が地上に降り注ぐ可能性はどれだけあるだろうか。

 まず、隕石の大きさごとに惑星に到達する確率は変わる。

 10mクラスの隕石の場合、10年に一度と言われている。これが大気圏内に突入すると高確率で粉々になる。それを加味した上で、地表に到達する確率は1500年に一度と言われているのだ。

 勿論、隕石の大きさが大きくなれば、この確率は低くなる。地表に影響を与える程の大きさになる500mクラスの隕石が地表面に落下してくる確率は、15万年に一度となる。しかもこれは、陸上海上まんべんなく落下する場合を想定している。そのため、陸上に落下してくる可能性のある隕石の落下確率は、少なく見積もっても45万年に一度程度しかない。

 それに、確率は低いものの、500mクラスの隕石が空中で爆発するような事が起きた場合、地上に降り注ぐ確率は下がる。

 つまり今回のように、都市に対して直接的な被害が起きる惑星災害が発生する確率は、はっきり言って皆無に等しい。

 しかし、現にこのような災害が発生してしまっている以上、今後もこの手の災害が発生しないとは限らないのだ。となると対策を講じるしかない。

 宇宙空間を自由に移動出来るようになった時代においては、それは簡単なことに見えるかもしれない。

 しかし実際には、数mクラスの隕石はレーダーに映らない可能性もある。しかし、そんな隕石は大気圏で爆発、破壊され、地表に落ちてくる可能性はない。

 問題は数十mクラスの隕石だ。これらは高速で移動している上に、岩石で構成されている場合、レーダー上に表示されない可能性がある。


「やはり、この隕石の出所を調べるべきだと思う」


 そう発言したのは、第13艦隊司令部の提督であった。

 それは災害対策本部が示した一つの結論である。


『被災地周辺の監視カメラ等の映像を解析演算した所、隕石はラサイド連邦から飛翔してきた可能性が高い』


 このような報告が第13艦隊司令部に上がってきたのだ。


「ラサイド連邦と言えば、先の銀河戦争以来、何かと我が国を目の敵にしている。その当てつけとして、恒星間兵器でも開発したのかもしれないな」

「しかし、そんな兵器が開発可能だと思いますか?」


 部下からの指摘が入る。

 それもそうだ。銀河戦争が終結したことで、ラサイド連邦は多額の賠償金を負うことになった。その金額は、共和国の通貨リエン換算で、150京リエン程だ。金1g7000リエンとすると、約214万tに匹敵する。競技用プールに換算すれば44.5杯程度だ。

 たったそれだけとも思われるが、惑星一個辺りの金埋蔵量が競技用プール4杯にも満たないと考えれば、どれだけ巨大な金額かお分かりいただけるだろう。

 勿論、そんな金額を賠償金としてせしめる以外にも、様々な技術が流出したり、締結した条約によって禁止されていたりする。また、ロクシン共和国とギャリオ帝国の監視が現在進行形で入っているのだ。

 そんな状況で、新兵器を開発することは困難に等しい。

 しかし、ラサイド連邦の国民は、特殊な生態をしている。なぜなら彼らはレプティリアンであるからだ。薄暗い洞窟の中は、彼らにとって住み心地の良い環境である。

 もしそんな、監視の目が行き届かない場所で技術の開発をしているとなれば、これは重大な問題に発展する。


「そのためにも、今回の災害の主たる原因である隕石の出所を解析し、今後の防衛に役立てるのが一番だろう」

「しかし提督。ラサイド連邦は、無条件降伏文書にも署名をしています。これ以上の兵器開発は不可能ではないでしょうか?」

「それは分からんぞ。もしかしたら秘密の研究室で密かに研究を続けている可能性だって否定出来ないからな」

「しかし、司令部が勝手に調査を行うのは、それこそ問題になるかと思われます。そのためにも、まずは災害対策本部に対して情報のさらなる調査を続けるべき旨を伝えるべきかと」

「災害対策本部にか?……確かにその考えは一理ある」

「これは高度な政治問題に発展する可能性もあります。しかるべき場所にしかるべき情報があるのが定石でしょう」

「うむ……。分かった。早速通達を出してくれ。もし、この件で軍が必要になった場合、我々は協力を惜しまないことも付け足してくれ」

「分かりました。そのように通達します」


 そういって部下は席を外す。


「さて、肝心の災害派遣はどうなっている?」

「現在陸軍10個師団が中心となって、被災地の復興に尽力しています」

「そうか、宇宙軍でも何か出来ることがあればいいんだがな」

「被災者の居住区問題はいつの時代も出てくることであります。なので仮設住居の建設はどうでしょうか?」

「それはありだな。準備をしておいてくれ」

「了解」


 そういって、また一人席を外す。

 そんな事もありつつ、共和国軍は災害派遣に尽力するのであった。

本日も読んで頂きありがとうございます。

もしよろしければ下の評価ボタンを押していってください。

また感想やブックマークもしていただけると幸いです。

次回もよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ