理想
ルカとステラの部屋にガンテツが呼び出されていた。
「ガンテツさんとルカさんに相談があります。」
「さんは不要じゃ。仲間なんじゃからのう。」
ステラも頷いた。
「はい。わかりました。それでですね。
女神アイアからまだ連絡がありません。」
「うむ。そうか。仕方ないのう。」
「なにか神界でトラブルに巻き込まれているのね。」
「トラブル…?」
「結界に幽閉あるいは封印じゃろうな。」
「封印…?。それは、すごく困ります!」
「あなたはウノのアシスタント役を立派にこなしているわ。」
「そうじゃな。」
「でも。これから何かあったらと思うと心配です。」
「何かあったら、ワシらも手伝う。」
「ええ。」
ルカはそれでも困った顔をした。
「私は、今後は、アシスタント役を立派にこなせそうにありません。」
「何かあったのかのう?」
「私がウノを…、いえ。えーと。
ウノが私を好きだということに気づいたからです。」
「嘘よ。」
「え?」
「逆よ。ルカがウノを好きだということに気づいたのよ。
だって、ウノがルカを好きだというのは、
最初から今までずっとダダ漏れだったのだから。」
「うう…。」
「好きとか嫌いとかは、仕方のないもんじゃ。
そういうものはコントロールが難しい。」
「でも、それじゃあ、アシスタントとして失格です。」
「そうかのう?」
「理由が聞きたいわ。」
「あの。その。理由はわかりません。
でも、女神アイアのクローンである私は、
女神アイアが持つ知識のうち、
基礎的な部分は与えられています。
理想的なアシスタントは冷静に客観的に判断し、
ベストな行動を伝える。そういう知識があります。
私は冷静に客観的に判断できません。」
「そういうことね。」
「理想的、のう。
ウノにも、理想的なアシスタントとは何か?
聞いてみたらいいんじゃ。
アシスタントを求めているのはウノなんじゃからな。」
「そうでしょうか?」
「それが一番だと思うわ。」
「ウノ自身に聞く…。
理想的なアシスタント…。
ええ。それなら出来そうです。」
「迷いが消えたようで良かったわい。」
「そうね。」
・・・
オレはルカに呼び出された。
「あのね。私は、ウノのアシスタント役になりたいと
思っているの。それが私の使命なの。」
おお。
すごく嬉しい。
でも、なんか違和感があるな。
オレの方としては、
オレがみんなのサポート役に
なりたい気持ちがあるんだよ。
「ウノがみんなのサポート役…?」
そうそう。
オレって僧侶だからさ。土魔法使いだし。
サポート役にアシスタントがいるってのも
なんか変だろ?
それにオレとルカが2人パーティなら
リーダーはルカだぞ。リッチと戦った時もそうだったろ?
「じゃ。じゃあ、ウノにとっての
理想的なアシスタントというか。
この人に助けてもらいたいと思うのは、どういう人なの?」
ルカだな。
「え?」
ルカっぽい人じゃなくて、ルカだな。
ルカに、パワーオブマナで、オレを助けてほしい。
オレだけでなく、ロードの力でみんなを助けてあげてほしい。
「アシスタントは私でいいの?」
ルカでないと困る。
これからもずっと、オレを助けてほしい。
オレだけでなくみんなを助けてほしい。
「私、ウノの助けにならないかも。」
そうか?
じゃあ、オレに関しては、1個だけでいい。
パワーオブマナに集中してくれ。
戦闘中に頼む!って言ったら、
パワーオブマナをしてくれると嬉しい。
「それでいいの?」
ああ。それが一番だ。
「///。」
なんかルカが赤くなってるが、
オレ、なにも変な事言ってないぞ。
戦闘中にMP切れになったら、オレは戦力ゼロだからな。
あ。
毎晩マッサージを頑張るからさ、
ご褒美的にパワーオブマナを希望したいな。
そしたらぐっすり眠れるんだ。
オレは信仰心の厚いノームの僧侶だし。
煩悩は少ないし。たぶん。




