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リリーナ

リリーナとエルザの部屋に、ステラとルカが入ってきた。

「今日はアイデア会議よ。」

「アタシ、この日を待ちに待ってたわよ。」

「リリーナの従姉妹として、私は誇らしいです。」

「そんなぁ…。それほどでもぉ…。」

「それほどよ。

神の奇跡に匹敵する貢献よ。」

「はやく、アレを見せてちょうだい。」

リリーナはコクリと頷き、ベッドの下から

黒い布に包まれた何かを取り出した。

黒い布から出てきたのは木の箱。

ガンテツにお願いして作ってもらった精密な木の箱だった。

「じゃ、開けますね。」

ゴクリ。

ステラ、エルザ、ルカの3人はつばを飲み込んだ。

そしてリリーナが蓋を開けようとすると、

まばゆい青い光が漏れ出した。

蓋を完全に取り外すと

青い光の中心には青いクリスタルがあった。

まばゆく青く光り輝く聖なるクリスタル。

「凄いです。」

「どうにかリリーナの機転で隠しおおせたから本当に良かったわ。

アタシじゃあ、慌てるだけだったはずよ。」

「とりあえず、しまいましょう。

リリーナ。大きさは3cmくらい。重さは50gくらいよね?」

「合ってると思いますぅ。」

リリーナは箱の中に入れ、黒い布に包み込んだ。

・・・

青く輝く聖なるクリスタルは、

青く輝くお湯から作られた結晶である。。

以前ウノが、気合をいれた掃除スキルで浴槽を掃除し、

気合を入れた洗濯スキルで洗濯魔法を使い、

さらにヒールとキュアをかけた結果、

偶然に出来た青く輝くお湯。

ルカはパーフェクトポーションと推測している。

女性陣4人が実験的に入浴して効果を確認した後、

あまりにも凄すぎる効果の情報を秘匿するために

リリーナが浴槽からお湯を抜いた。はずだった。

しかし、リリーナは浴槽からお湯を抜く直前に、

なんとなく「水浄化」スキルを使ってみた。

その結果、お湯は透明になり、リリーナの手の中に

青く輝くクリスタルが残った。

本来、水浄化スキルは「汚れた水」を浄化するスキルである。

「パーフェクトポーション」に水浄化スキルを使うなど、

普通に考えたらありえない行動だった。

リリーナは驚いたが、風呂場にクリスタルを置いて

ダッシュで自分の部屋に戻り

布をかき集めて風呂場に戻りクリスタルを包んだ。

おかげで青い光はさほど目立たなくなった。

浴槽の透明なお湯を抜き、布で包んだクリスタルを抱えて

ダッシュで自分の部屋に戻ってベッドの下にしまい、

お風呂場に戻ってすっとんきょうな声をあげたのである。

「あー!間違えてお湯を抜いちゃったぁ!」

エルザでさえ驚嘆するリリーナの決断力と行動力であった。

・・・

「このクリスタルを使えば、化粧品か薬ができると思うわ。

実験してみてうまくいったら、エルフの里で商品化したいの。」

ステラがこのアイデア会議のテーマを語った。

「誰かアイデアを思いついた?」

「アタシは外反母趾の治療クリーム。

アタシもそうだったからわかるんだけど、アレってなると痛いのよ。

女性で悩んでいる人、多いと思う。」

「私はニキビ対策クリームですぅ。

お年頃の女の子はニキビに悩んでると思うなぁ。」

「私は、肩こり用のクリームです。

今は毎晩ウノから肩もみしてもらっているから大丈夫ですが、

あの時は、お風呂でも肩こりが解消したので、

きっと出来るはずです。」

ステラは強く頷いた。

「みんなのアイデアは凄くいいと思うわ。まとめると、

クリームに配合するということでいいかしら。」

「あら。そうね。」

「なるほどぉ。」

「足の親指に塗れば外反母趾が治り、

ニキビに塗ればニキビが治る。

肩に塗れば肩こり解消。ヤバい薬ですね。」

「万病に効くと思われそうで、ヤバいですぅ。」

「薬効がちょっと過剰ね。」

「どうすれば、万病に効くわけではない、と思わせられるかしら。」

「うーん。」

みんな腕を組んで黙考モードになった。

「書かれている用途以外には使う気がしない。なんてのはどう?」

エルザがアイデアを出した。

「書かれている用途って?」

「例えば水虫よ。」

この世界にも水虫という病気がある。

特に冒険者は、ダンジョンの中で革靴を脱ぐことは無いため

水虫になる者が多い。

「ちょっと化粧品にしてはイメージが悪い気がします。」

「薬として販売したらいいのよ。」

「それだとやっぱり万病に効くって方向性にバレる可能性が

出てきそうな気がします。」

「それは…、そうね。」

「かかとのガサガサはどうですか?」

ルカは少し恥ずかしげだ。

「かかとぉ?」

「リリーナは気にしたことがないかもしれないけど。」

女性陣4人組は盛り上がった。

・・・

「じゃあ、かかとのガサガサ対策クリームですね。」

「万病に効くとは絶対に思われないようにしたいわ。」

「そうですね。万病に効いたら大騒ぎです。」

「飲んだり食べたりできないようにすればいいのよ。」

エルザが自信ありげに言う。

「どういうことですかぁ?」

「例えば、おがくずを混ぜるとか?

そしたらもう食べようとは思わないでしょ。」

「えーっ?おがくず入りのクリームですかぁ?

なんか普通じゃないというかぁ。売れなさそうですぅ。」

「確かに実際に食べられなくなると思います。

でも他のウノシリーズに申し訳が無いというか、

足を引っ張ってしまうというか、そんな気がします。

言葉が悪くてごめんなさい。」

ルカがエルザに謝りつつも、本心を語った。

ステラはエルザに笑いかける。

「ルカに悪気は無いのよ。ウノっぽくなってきただけ。」

「分かってる。おがくずを混ぜるなんて

ちょっと突飛すぎると思ってたわ。」

「方向性はぼんやりと見えてきたわね。

でも今日決めるのは無理そう。」

みんな頷いた。

「だったら提案があるわ。さっき思いついたの。

今晩のお風呂のお湯に、リリーナの青いクリスタルを溶かすの。」

ステラの言葉に3人は驚き、そして笑う。

「それはいいですね。」

「今日もあのお風呂に入れるのかぁ。嬉しいですぅ。」

「やっぱ、アタシたち自身が輝かないとダメよね。」

「入浴が終わったら水浄化スキルをお願いね。」

女性陣4人組は仲良く笑いながら、

ウノに風呂掃除を頼みにいった。

修正:お風呂場でのリリーナの行動を細かく記載。

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