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バッタ駆除2

ガーベラはルカの子だよ。たまちゃんのいもうと。

よろしくおねがいします。

えーっとね。

好きなものはウノのもみもみ。

ずっとむかし、ガーベラが小っちゃかったときね。

たくさんあそぶと、ふくらはぎがいたくなるときあったんだ。

そうすると、よる、ねむれないんだ。

だけどウノにね?ふくらはぎをもんでもらうと、いたくない。

すごくすごくきもちー。すぐにねむっちゃう。

ウノはき用なんだって。

小っちゃいのにすごいね。

あとね。

たまちゃんが大好き。たまちゃんをもみもみするときもちー。

たまちゃんもきもちーから、うぃんうぃん。

え?

うぃんうぃん?

うぃんうぃんっていうのはね。

しょうぶみたいなんだけど、負けがないんだ。

だからいつもかち。

りょうほうがかちなの。

りょうほうがかちなら、それが1ばん。

負けたらくやしいでしょ。

かったらうれしい。負けがないから、いつもかちで、いつもうれしい。

りょうほうがうれしいんだよ。

だから1ばんいいの。

ガーベラがシロをもふもふするのも、うぃんうぃんだよ。

すごくきもちー。

シロの毛ってふわふわなの。

こんどさわってみて。

シロもさわられて、きもちーって言うんだ。

ガーベラにはそしつがあるんだって。

そしつがあると、ウノみたいにかみさまになるってルカが言ってた。

でもね。

ガーベラはかみさまには、ならない。

もっと大きくなったらゲイルのおよめさんになる。

ゲイルにはもうおよめさんとしてリリーナがいるけど、

きちんとリリーナにおねがいしたら、だいじょうぶだって。

もっと大きくなったらねって、えがおで言ってた。

だからはやく大きくなりたい。

…。

…あのね。

ほかにも好きなものがあるよ。

いいよ。いちばんの大好きをおしえてあげる。

…あのね。

いちばん大好きなのはルカ。

ルカにだきしめられるとふわーってなるの。

ふわーってなるのはルカが1ばん。

だから大きくなったらルカみたいになりたい。

ガーベラはルカみたいにやさしくなるんだ。

これはないしょだよ。ルカに言ったらだめ。

だって、はずかしーでしょ。

だから、ひみつ。

ひみつにしてね?

・・・

ん?

ガーベラと話しているのは…。

雨の神と土の神と雪の神と霧の神か。4柱が笑顔だ。

ガーベラが自慢げだ。

4柱は笑っている。

きっとガーベラは家族団らんを自慢しているのだろう。

バッタ駆除中であっても、カムナビ温泉での家族団らんは大事にしているからな。

ふふふふ。

はははは。

はーっはっは。

「それはいいけど、バッタはどうするんだい?」

(コレデハ埒ガ開カヌゾ?)

(…何か工夫が必要だな。)

…うん。

氷の神、宝石の神、草の神。

ここ数日は800万匹ペースで駆除してるけど、

みんなが頑張っているだけで、みんなの疲労も大きい。

工夫が必要だ。

たとえばさ。

もっと単純に考えてさ。

ミラに頼んで、トリプルマキシマイズドインフェルノで

燃やし尽くすというのは…。

(却下ダ。バッタハ駆除デキテモ草原ガ焼ケ野原ニナル。)

…そうだね、宝石の神。

オレもそう思ってた。

宝石の神は肩をすくめた。やれやれという感じ。

殺虫剤を撒くのは…。

「植物由来の毒だとしても、橙鶏が病気になるような毒じゃダメだね。」

…そうだね。氷の神。

氷の神はニコッと笑った。分かってるくせにという感じ。

じゃあさ。

バッタの天敵、昆虫病原糸状菌エントモファガ・グリリの効果は…。

(効いてはいる。だが時間がかかるのだろう。バタバタ死ぬわけじゃない。)

…そうだね。草の神。

バッタの天敵だからと言ってバタバタ殺すわけじゃない。

草の神の眉がピクッとした。何をバカなことをという感じ。

…すみません。

後で、神々を集めてみんなで会議しよっか。

べつだん良いアイデアじゃなくてもいいんだ。

アイデア同士が組み合わさることで、

まったく新しいアイデアに化けることがある。

これってマーチの考え方だけどね。

完全にパクリだ。

いい考えは真似していいんだ。

・・・

カムナビ温泉でアイデア会議。

会議開始の宣言はガンテツだ。

「うむ。アイデア会議を開始するぞい。

良いアイデアでなくても構わん。

皆が隠し持っているアイデアを語れい!ガッハッハ!」

むん!とふんぞり返るガンテツ。

そして謎の筋肉アピール。

あのさ。

ガンテツが自らアイデアを出してもいいんだぞ。

「ワシのアイデアは皆のアイデアを組み合わせるというもの。

それこそが究極のアイデアじゃ。ガハハハ。」

はーい。

了解です。

異論ありません。

最初に口を開いたのは霧の神だった。

(…天候操作魔法を使うべきです。私も手伝います。)

聴き取れないほどの小声だ。

霧の神のパートナーである鍛冶の神がフォローした。

(天候操作魔法か…。霧の神は大丈夫か?バッタは苦手だろう?)

霧の神は一度頷いて、その後、フルフルと首を左右に振った。

大丈夫。バッタは苦手だけれど心配しないで。

そういう意味だろう。

「…霧の神、無理なさらずとも。」

「ルカ姉さまの言う通りです、霧の神。無理してはいけません。」

ルカとリリーナは霧の神を心配している。

2柱は霧の神と周知の仲だったのか?

知らなかった。

「ええ。霧の神は人間の街の冒険者ギルドのギルド長ですから。」

ルカが頷いた。

え?元からそうだったの?

後付けの設定じゃなくて?

リリーナが首を左右に振って否定した。

「ギルド長が存在感を希薄にして、スタッフを輝かせる方針なのです。」

そうなんだ。へえー。

戦略の神リリーナがそう言うなら、すべて戦略的なんだろう。

そう。すべてが戦略的なのだよ。

オレじゃなくて、霧の神や戦略の神リリーナはね。

ここにはいないけど、ビジネスの神ステラもね。

「ギルド長が神と知ったのは、神界に初めて赴いた時ですが…。」

「私も驚きました。ギルド運営ボードは秘宝アーティファクトなのも納得です。」

スタッフにも秘密だったんだね。

そうだ。

霧の神がギルド長ならさ。

人間の街の冒険者ギルドは、大変なんじゃないか?

「大丈夫です。ギルド長がいなくても冒険者ギルドは回ります。」

「それが冒険者ギルドの目標ですから。

ゲイルと私のハンターギルドも、そうなりたいものです。」

すげえ。

それってつまり、社長がいなくても会社は回る、的な。

むしろ社長がトイレ掃除してるくらいがベストみたいな。

まさにそれじゃん。

まあ、料理漫画で得た知識なんだけどね。

しかも霧の神とトイレ掃除は無関係だしね。

まったくもって失礼。

…ゴホン。

えーと。

天候操作コントロールウェザーっていうのは、

風の神が開発した上級魔法だっけ。

どういう魔法なんだろ?

天候を操作するってのは知ってるけどさ。

天候をどう使うのかな。

(…まずは霧、そして雨、さらに雪。その後は…。)

霧の神は言いよどみ、氷の神と宝石の神をチラリと見た。

「なるほどね…。その後はもちろん。」

(我ラノ出番ダナ。)

氷の神と宝石の神が頷き合う。

「ガッハッハ!アイデアが組み合わさったようじゃな。

ワシにもわかるように詳しく説明してくれい!」

ガンテツが満足げに髭をしごいた。

オレにもわかるようにお願いします。

・・・

翌朝。

夜明け前に、広い草原に霧が立ち込めた。

空気が変わった。

霧に気づいたバッタは地面から草の上によじ登った。

さらに空気が変わった。

広い草原に小雨がシトシト降り始めた。

シトシト…。

シトシト…。

気温が急激に下がる。

さらに空気が変わった。

広い草原に雪が降り始めた。音は無い。

シンシン…。

シンシン…。

雪が積もり始め、更に気温が急激に下がった。

全てのバッタは動きを止めた。

もうバッタは動けない。

凍る寸前だ。

霧の神、雨の神、雪の神のトリプル・コントロールウェザー・コンビネーション。

3柱が協力することで1柱では不可能な超広範囲での天候操作が可能になる。

それが霧の神のアイデアだった。

シャリーン!

シャリーン!

シャリーン!

広い草原中に何度も響き渡る鮮烈な音。

オレはこの音に聞き覚えがある。

氷の神の必殺技だ。

・・・

氷の神のオリジナル上級魔法。

絶対零度アブソリュートゼロ

氷の神に近づくだけでモンスターは30%の確率で即死する。

-273度に凍てつき動けなくなる。

電気抵抗がゼロになる。超伝導だ。

・・・

グゴゴゴゴ…。

グゴゴゴゴ…。

グゴゴゴゴ…。

広い草原中に重低音が響き渡る。

オレはこの音にも聞き覚えがある。

宝石の神の必殺技だ。

・・・

宝石の神のオリジナル上級魔法。

超圧縮スーパーコンプレッション

5万気圧を超える超高圧に押し込められる。

あらゆる物質は電気が流れるようになり金属的性質を示す。

この極限環境では木炭がダイアモンドに変貌する。

・・・

それからしばらくして。

今ここに。

数億匹のバッタから生まれた金属的物質が2つある。

オレの鑑定スキルには「???」と表示されている。

これはバッタ由来の石だ。

そう。ローカスト・ストーン。

ロカストーンだ。

すると、オレが命名したせいだろうか。

オレの鑑定スキルには、今は「ロカストーン」と表示されている。

数億匹のバッタ駆除完了。

そしてロカストーンが2つ出来た。

これはすごい。

霧、雨、雪、氷、宝石の5柱がコラボレーションした結果、

何かわけが分からないことになった。

…いや。

わけは分かっているんだ。

数億匹のバッタが駆除され、2つのロカストーンが出来た。

単純明快。うん。

あまりの凄さにオレの頭が混乱しているだけだ。

ただただ凄い。凄すぎる。ただそれだけ。

「さあ。魔法の神ミラ。トリプルマキシマイズドフォージの出番だ。」

氷の神に頷いたミラが、すっと前に出た。

え?

三重極大化したフォージ?

ロカストーンを燃やすの?

え?えええ?

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