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洗濯の問答

時はほんの少し遡る。

オレがマッサージ術スキルを、セイヤ、オインク、ラビィ、

クルマニー、ポピー、土方、坂本の合計7人に付与した後のことだ。

オレはセイヤ以外の6人を返し、セイヤにだけ残ってもらった。

セイヤ。

セイヤは教育の神エルザの生徒だったから掃除スキルを持っている。

いつも掃除を手伝ってくれてありがとう。

助かってる。感謝してる。

あのさ。

セイヤは洗濯スキルをゲットしてみせると言ってたよな。

それではセイヤにひとつ問いたい。

洗濯とは何か?

「俺にとっての洗濯でいいですか?」

もちろん。

セイヤにとっての洗濯を聴きたい。

「洗濯と掃除は似ている。好きな人に病気になってもらいたくない。

洗濯すれば俺が安心します。だから、洗濯とは安心です。」

…わかった。

そういうことか。なるほど。

オレにとっての洗濯は、日課という答えだった。

安心ね。思い当たる。

比較すればオレの日課という答えはバカみたいだな。

くうぅぅ…。

オレはちゃちゃっとステータス画面を操作する。

セイヤにマッサージ術スキルを付与した時と同様に、

セイヤが青く強く光り、そして光が消えた。

セイヤ、ステータスを確認してくれ。

おそらく洗濯スキルを持っているはずだ。

「…あります。」

セイヤ、勉強になったよ。

ありがとう。

「…どういたしまして。こちらこそありがとうございます。」

セイヤは柄にもなく深々と頭を下げた。

そしてなぜか恥ずかしそうにしながら、オレの元を去った。

・・・

オレは自分のことを振り返った。

オレが洗濯スキルを取得したタイミングは、

ダンジョンの一室で、おがくず入りの大タルを爆発させる

練習をしまくった時だった。

何度も何度も実験を繰り返したせいで

ダンジョンの床や壁が煤や灰で汚れたんだ。

あまりにも汚して真っ黒にしたままで放置するのは

マズいと思ったオレは拭き掃除した。

そのうちパーティのみんなが拭き掃除を手伝ってくれるようになって、

それでウェスがどんどん減って足りなくなった。

仕方なくオレは大タルに水を張ってウェスをぐるぐる回した。

ウェスを洗って再利用。

雑巾の利用は、本来はオレのポリシーに合わない。

だがそうするしかなかった。

ならばせめて、きれいな雑巾にしたいと思って一生懸命洗濯した。

その時に洗濯スキルをゲットしたんだ。

懐かしいなぁ。

当時のオレはパーティのみんなに病気になってもらいたくないと

考えて掃除したり洗濯したのだろうか?

なぜ、汚して真っ黒にしたままで放置するのはマズいと思ったのか?

なぜ掃除したのか?

なぜ洗濯したのか?

オレはあまり深く考えず直感的な回答を出した。

日課だから。

くうぅぅ…。

恥ずかしい。

バカみたい。

…あのさ。

オレはバカみたいだけどバカじゃないよ。

まあ、バカは自分をバカだと思わないだろうけどさ。

論理的にも分かっている。オレの左脳は答えを導き出せる。

掃除=清潔。

洗濯=清潔。

清潔でいれば病気になりにくい。

命の洗濯=浄化。

オレが

(洗濯!)

と叫べば死者は塵と化す。

オレの洗濯スキルは神聖魔法ターンアンデッドと同じ効果を持つ。

仮説と検証。

論理的だろ?

だがオレの右脳は違う。

オレの右脳は別の言葉を拾い上げた。

日課。

…問答って深いね。

あ。

後日、セイヤに殺菌、消毒、防疫についても問答しよう。

一応オレは医療の神だし。

様々な視点を知っておけば、恥ずかしい思いをしないで済む。

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