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【完結】知識チートで目指せ独立国家〜王家とのご縁は遠慮します!〜  作者: 花日


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エピローグ

 あれから――


 教会の調査員立ち会いのもと、公正な事実確認と厳しい追及が行われ、交易台帳の不正書き換えの主犯が宰相だったと明らかになりました。


 宰相とそれに加担した二人の貴族家当主は、あのときの王の宣言通り、処刑。三家は分家筋への当主交代を条件に辛うじて存続を許されたものの、家格を大きく落とされ、院政家からも除籍処分となりました。


 そして、すべての責任を「知らぬ存ぜぬ」で押し通せるはずもなく、王もまた退位を余儀なくされたのです。


 驚いたことに、王位を継がれたのは皇太子殿下ではなく、第四王子殿下でした。


 身体が弱いと噂されていた第四王子殿下ですが、それは幼少の頃の話に過ぎず、今では体調に不安はないとのこと。


 それに、病床で多くの書物に親しまれた第四王子殿下は、幼い頃から国のあり方に疑問を抱かれ、成長されてからは国政を学ぶため勉学に励まれていたそうです。


 本来なら後ろ盾の弱い第四王子殿下の即位などあり得ないはずでした。しかし、殿下の秘めたる資質を見抜き、王位への道を開いたのが、自ら後見役に名乗りを上げたダグラス様だったといいます。


 これでケルファも少しずつ、変わるかもしれませんね。



 一方カーハインドは、『カーハインド国』と名を改め、独立国として歩み始めました。


 元々交易を行っていた国々との友好をより深める一方、新たな国々とも国交を結び、その輪は着実に広がっています。

 また、画期的な産業や特産品は瞬く間に近隣諸国へと広まり、カーハインドの名は広く知られるようになったのです。


 一つ悩みがあるとすれば、カーハインドに隣接するケルファ領――ヒエや粟の種を分けた縁があり、現在は下請け作業をお願いしている領地が、カーハインドへの編入を望んでいることです。


 ケルファの新王からは、「カーハインドが望むのであれば、賠償としていくつかの領地を割譲してもよい」とのお言葉をいただきました。


 しかし、国の規模が大きくなれば、それだけ統治の難しさも増します。


 今これ以上の領地を抱えて、本当に隅々まで目を行き届かせられるのか。新たに迎え入れた領民との間に軋轢は生まれないか。


 そんなさまざまな可能性を考えながら、慎重に検討を重ねているところです。


 ――そうそう、聖王国からの横槍は、カーハインドの独立を境にピタリとなくなりました。


 どうやら教皇聖下が、


「もし教会が聖王国に総本山を置き続けることで国の発展を妨げているというのであれば、移転もやむを得ません」


 と、聖王に特大の釘を刺してくださったようです。


 さらに、カーハインドへの異端審問会を強行したケルファ王都の大神官が、その身分を剥奪され、見習い神官として地方の教会へ移されたこと。審問官として同席していた他の神官たちも、降格や異動を余儀なくされたこと。


これにより、今後は権力を笠に着た異端審問会が開かれることもなくなるでしょう。


 教皇聖下には本当に助けられてばかりです。

 教会の皆様のご負担が少しでも減るように、汚れ落としの魔道具をたくさんお贈りしておきましょう。


 ――魔道具といえば、カーハインドでの魔石研究の成果を、近いうちに世界へ向けて発表する予定です。


 魔石の性質や、魔力を充填できるという事実、そして効率的な充填方法まで、できる限り公開したいと考えています。


 この方針には、「カーハインドの優位性を高めるためにも秘匿すべきではないか」という意見もありました。


 しかし、知識とは独占するものではなく、多くの人々に共有されてこそ発展するものです。それは、ポーションの件が証明しています。


 そして、一国だけが知識を独占することの危うさも、私たちは身をもって学びました。


 だからこそ、公開できる知識は広く世界へ伝えていこう――それが、私たちの出した答えです。


 知識は受け継がれ、磨かれてこそ価値があります。この小さな一歩が、誰かの新たな発見につながれば嬉しいですね。



 そして――


「今日も見事な手腕だったな、ローラ」


 定期的に「外交と視察」の名目で国を訪れる帝国の美しい皇太子殿下は、今日も公私混同とも取れる甘い笑みを浮かべながら、私の隣を陣取っています。


「レオ様……またそんなに頻繁にお越しになって……。帝国でのお仕事は大丈夫なのですか?」


「なに、ローラを迎え入れるための準備は完璧に済ませてある。あとは君が決意してくれるのを待つだけだ」


 お父様やお兄様たちの嫉妬混じりの熱い視線をものともせず、レオ様は私の手を取り、優雅に指先へ口づけを落とします。


 ――あの日以来、レオ様の態度は大胆になる一方です。


 触れられた指先からじわじわと熱が広がり、瞬く間に顔が火照っていくのが分かりました。


(もう……こんなの、心臓が持ちません……!)


「……レオ様の意地悪」


 真っ赤になった顔を隠すように俯きながら小さく呟くと、レオ様は満足そうに、けれどどこか愛おしさを噛み締めるような、優しい笑い声を漏らしました。



 国としての新しい歩みと、少しずつ動き出す私たちの未来――


 賑やかで愛おしい日々は、これからもきっと続いていくことでしょう。



 完

これにて完結です。長らくお付き合いいただき、ありがとうございました!

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― 新着の感想 ―
捕縛されている王都大司教とその手下どもの処罰も明言して欲しいですね。 降格と辺境送りぐらいで済んだのか、それとも破門されたのか…。
すっごく面白かったです。 一気に読ませてもらいました。いや嘘です。途中、お母様の輿入れの話に浮気して先にあちらを読了してから、こちらに戻りました。 一気に話が進んで、もう少し内政のお話や飛行艇誕生の話…
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