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パーティを追放されけれど、助けた聖女と共に冒険者として生きていくことにした  作者: 巴 雪夜
幕間 リングレットの転落

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34/51

こうして彼らは周囲から疎まれる

「あー、だりぃ。簡単だったわー」



 ツンツンと跳ねた金髪を弄りながらリングレットはだるそうにテーブル席へと着いた。どかっと椅子に座って足を組むと「弱い奴ばっかり」と愚痴る。



「ゴブリンとか他のやつにやらせればいいんだよ。あんな弱い奴、俺様の相手にもなんねぇぜ」



 声大きめにそう言うリングレットを遠目から他の冒険者が見遣る。ギルドに集まる彼らたちの目は何処か冷ややかだった。


 そんな視線などに気づかずにリングレットは愚痴る、あいつら使えないと。



「俺様たちと一緒にいたパーティ、つっかえねぇの」


「邪魔だったわね」


「リングレット、ミラ、そんなこと言ったらダメよ?」



 慌ててアンジェが注意するも、二人は「本当のことじゃん」と返した。


 今回のゴブリン退治は別のパーティと合同だったのだが、組んだ相手が足手纏いだったとリングレットとミラは感じていたようだ。


 アンジェはそうではなかったようで、「皆さん頑張ってたから」と言うも、二人は意見を変えない。



「ゴブリンごときに遅れを取っている時点でだめだめだろ」


「逃げ腰だったし」


「それは……」


「ふざけんなよ、お前ら!」



 三人の会話に入るように男の声がした。振り返れば、それは先ほど組んでいた相手だった。軽鎧の男が怒ったように声を上げてテーブルを殴る。


 男に着いていた魔導士の女と軽装の男が「落ち着けって」と制止しているが、怒りは治まらないようだ。



「何が簡単だっただ! お前らのせいで戦況が悪化したんだろうが!」



 軽鎧の男は言う、お前らが勝手に動いたからだと。


 リングレットたちはゴブリンを甘く見ていたらしく、彼らが仕掛けた罠を悉く踏み、そのたびに軽鎧の男たちのパーティに迷惑をかけていた。


 それだけでは飽き足らず、ゴブリンと戦う時は「お前ら邪魔だから」と言って勝手に前に出たのだ。


 おかげでゴブリンは暴れてチームワークなど乱れてしまった。それだというのに責任は自分たちに無いというのだから男の怒りも治まるわけもない。


 軽鎧の男の主張にリングレットは「俺らは悪くねぇし」と言い返す、お前らの動きが悪いせいだろうがと。



「罠を踏み抜いて危険に晒したのはお前だろうが!」


「あれぐらいの罠で騒いでるお前らが初心者ってだけだろうが」


「はぁ! 危険な行為をしている自覚はないのか!」


「だから、俺らはあれぐらい平気なんだよ。なめんなよ」



 これだから初心者はとリングレットが毒づけば、軽鎧の男は我慢の限界だと殴り掛かろうとする。それを慌ててパーティメンバーが止めに入った、暴力はいけないと。


 何、意地になってんだと言いたげに見つめてくるリングレットに軽鎧の男は「ふざけるのも大概にしとけよ!」と吐き捨てるとギルドを飛び出していった。


 メンバーがその背を追いかけていくのを見て、リングレットは笑う。



「よっわー。あいつら馬鹿なんじゃねぇの。だから初心者はいやなんだよ」


「ほんっと、馬鹿よねぇ」



 ミラは呆れたように言いながら果実水を飲んでいた。アンジェは言い過ぎた気もしなくないのではと感じたが、あそこまで怒ることではないだとうと思っているようで「怒鳴らなくてもいいのに」と呟く。


 リングレットは「放っておけ、放っておけ」と言う。



「あんなのに構ってたら俺らの品格が落ちってもんよ」


「そうよね、気にしちゃだめよね」


「そうそう」



 リングレットは「次の事を考えようぜ」と話を変えた。そんな彼らを遠目に見ていた冒険者たちは溜息を吐く、彼らは何も分かっていないと。


 冒険者たちはリングレットたちとは関わりたくないと思った。何も分かっておらず、周囲に迷惑をかけるだけのパーティになど付き合いきれない。


 そろり、そろりと彼らの周囲が開いていく。近寄りたくもないといった冒険者たちの心情などリングレットたちには届かない。


 誰も異変に気づくことなく、彼らは別の話で盛り上がっていた。



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