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ブヤン…修行のやり直しを決意する?!


何という事だ。

これほどの努力の末に守ってきたこの店に小僧がひとり紛れ込むとは…。


今や相棒となったサテの奴もかなり悪巧みを考えてるに違いない。

ま、普通なら見抜けないがな。

奴は生粋の商人。腹の中は決して見せないのだから。


「ならば!!

俺も住み込んでもいいでしょう?

前から何度頼んでも絶対良いよって言ってくれないのに、こんなぽっと出に…」


完全にバレてる変装のシンさんは、恐らく苦笑いだろうなぁ。

素顔も素性も全く分からないシンさん。


でも、ひとつだけ分かる事がある。

それは、底抜けにお人好しな事!!!


そりゃもう、異常な世界だよ?!

あの能力であの謙虚さも、ある意味変人の域だよ!!



やっぱり、断れているな?

シンさんのサーチ能力の裏をかく真似はこの世界の誰も出来ない。

あのサテでも…な。


「分かった!!

サテさんの熱意が本気なのは理解出来たよ。

でもね、ここに住むのは…ね?

また、お店に訪ねていくから!!」


今度ばかりはサテも諦めがつかない様だ。

珍しくシンさんを睨んでる?!


!!


腰にある大刀を抜いてドアの前に立つ。

サテも懐から物騒なモノを半分出して構えている様だ。


異様な気配は、森の中ほどまでに達した。

俺の仕掛けを超えるのは、俺以上の能力者であるのが必須だ。

(もしくは完全なる阿呆か…)


全てが薙ぎ倒される…そんな感覚になるのは何時ぞや振りだ?


俺は背筋に走るゾワゾワ感と血が踊る様な興奮を同時に味わっていた。

そう。

まるで赤龍に対峙した時の様な感覚に近いかな。


サテを振り返れば、隣にいるのんきなシンさんを庇う位置取りで抜かりなく構えていた。


うん。アレならば大丈夫だな。

俺が、本気で向かってもこの家もシンさんも防御出来るだろう。


よし!!!


行くぞー!!!


ドアから飛び出そうとしたその時、シンさんの一言で全員が固まった。


「ん?

お客さんだ。

今日はいい日だな、久しぶりのお客さんが沢山来るし!!」


お客さん?!


サテと顔を見合わせる。

奴も首を横に振る。無論、俺もだ。

警戒は最大レベルのまま、大きな気の塊が近づくのを待つ。


「ボウさん!!

ちゃんと変身して入ってね!!」


家自体がビリビリと空気振動で震え出し、固唾を飲む俺の目の前でシンさんの珍しく怒り声がした。


『えーー、

もう。久しぶりなのにいきなりツンデレですか??ま、そこがシンさんですけど…』


!!!


久しぶりに完全に虚を突かれた。

森半ばにいたはずのあの異様な気の塊が隣に立っていたのだ。


しかも…あり得ない姿で…。


「特別なんだよ?

このコスプレ道具は販売してないモノなんだから。ボウさんのたっての願いだから、叶えたんだから!!」



 この異様な自体に際して、完全なる通常運転のお客さんに話すシンさんを目が点の状態のサテが見ていた。


いや、理解出来るよ。

相手が相手だものな。


まさかの本当の竜族。

しかも、始祖の大竜族とは…。


滅びたとの噂と秘境に住むという説。

どちらも、確たる証拠はないまま、今だ。


それがだ。


何故あの姿で…。


熊族。

それで正解なのか?


やたらに白と黒の斑ら模様の変わったするだがな。。。



「ほら!!

これだよ。前にシンさんが欲しいっていってたから取ってきたんだ!!!」



差し出されたモノをみて犬族の小僧が倒れた。


ま、当然だわな。


喜んで手を叩いてるのは、シンさんのみ。


さすがのサテも、蒼白の顔だな。


まさかの海の魔物とは…。



「今晩はたこ焼きパーティーだね!!」


はしゃぐシンさんは、犬族の小僧が「子供だから寝ちゃったのかな?」なんてのんきな発言していた。



その晩、恐怖の食事会が奇跡の食事会と呼ばれるが。



取り敢えず、俺は今一度修行のやり直しの旅に出ると決意した…。







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