↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
2/37

ウレ君 波乱万丈の弟子入り1日目始まる?!


ふわっふわっの感触が頬に当たる。

オカシイ。

僕の家は子沢山のせいで、群を抜いて貧乏だからぺったんこの布団に小さな兄弟二人と一緒に寝てるんだから。

あれ?


。。。



でも…。

頬に当たるこの感触は、まるで雲に触れてるみたいで。ずっと頬ずりしていたら頭の上から声がした。


「おや?目が覚めたかな?」


優しいその声は、知らない声だ。

両親ならば、声をかける前に手や足が出るからな。


いったい誰だ?

えーと。


アレ?

何か忘れてる様な…あーーーーー!!!!!


かばっと起き出した僕が見たモノは、夢ではなかった。

。。

噂は本当だった…よ。

憧れの人はオカシイ格好をした男の人だったよ?


「ん?

なんだい?そんなにじっと見て。

やっぱり、訪ねる所を間違えたのかな?

あー、だから人物査定はいい加減なんだよ。

よりによって俺が憧れとか査定屋希望とかあり得ないのに…。」


わぁーーー!!!

彼の話す内容に、思わず僕の耳がピンと立つ。


「本当だったんだ。

もう、そんな事までわかるなんてやっぱり…」と言いかけて怒声に遮られた。


「わぁ!!!

やっぱり馬鹿だ。

アレ(警戒網)を抜けるのは何故か馬鹿ばっかりだからな!!

いいか小僧!!ここはなお前さんの様な…ああ…シンさん!!!

そんな奴に…」


慌てて怒って絶句する人を見て僕はようやく思い出した。


ここは、まさかの『スーパー中路』??

そしてこの人こそ…


「あ、ごめんごめん。

初めまして。このお店の主人で中路信太郎と言います。

うーん。

発音出来ないよね?

シンで良いから!!

ね、それよりコレを食べよう」


何に驚いたらいいのだろう?


見た事もないテーブルの上のご馳走?

それとも、得体の知れない僕にご馳走してくれる伝説のシンさん?



いや、そうじゃない。

目の前でずっと僕を睨んでるのはたぶん…


バタン!!!


「あーー!!!!

やっぱり、アレを破った奴がいたかぁ。

サテさん。ごめんな。

俺の力不足だな」


!!!!!


あの人は…


「良いよ。

シンさんだもの。俺たちの力なんて敵うはずもない。何度挑戦しても、難しいんだよ…」


「ブヤンさん、いらっしゃい。

今日は珍しいや。サテさんにブヤンさんまで。お客さんが少なくて困ってたから嬉しいよ!!今日の査定は何かな?

お役に立てると良いんだけど…」


やっぱりだ。

ブヤンさん。


虎族の最強戦士としても有名だけど、ギルドのSSSランクとなればこの世界でも数人しかいない。


本物かな?


近づいて来てはっきり理解できた。


間違いない!!


本物だぁ。。。


だって、身体中の毛が逆立ったもの!!

さっきから身体も震えるし…。

どうしても止められないよ。

どうすれば…


「あ、ごめんごめん。

えーと。犬族のウレ君。コレを飲みなよ。

栄養失調だから、身体が震えるんだよ。ほら!!」


優しいシンさんの差し出したコップの中には真っ白な湯気が立つ。

甘い匂いにお腹がぐぅーとなる。


コクン。


お、お、美味しい!!!


甘くて美味しい。こんな飲み物見た事も聞いた事もない。

身体中がホカホカ温まって震えも治るなんて。


恐怖で震えてたと…??


「いいか?

彼のくれたその飲み物は『グーテ』だ。

そうだ、聞いた事はあるな?

さあ、そのまま飲め。彼の好意を無にするなよ?良いな?」


小さな低い迫力のある声で僕に釘を刺すこの人が本当にサテさんならば…。


あのサテさんかも?


豹族の王族に生まれながらも、世界を旅して一大商会を作った。

世界で知らぬ者の無い大商人!!


この世界で商人をするのは、冒険者より難しい。冒険者としてのかなりの腕前がなければ、商売すら出来ないからだ。


サテさんは、ギルドの用心棒が要らない達人でありながら商人としも超一流。

彼の商会で扱えぬ物はない。と言う。。。


でも、一つだけ。

その本拠地は謎に包まれているんだ。


もしかして…。


チビチビ超絶凄技な栄養ドリンクとして有名な『グーテ』を飲んで皆さんを眺めた。

飲んだ人は、瀕死の状態でも助かる。

そう言われる『グーテ』。。


本当かなぁ。

でも、身体から力が湧いてくるし。。


目の前では、三人の仲良さそうな風景が見える。


シンさんにご馳走をよそうサテさんは、慣れた手つきだ。

それに手を出すブヤンさんはさっきから叩かれていた。



コレ…夢だ。

こんな良い夢を見れるなんて…。



「ふふふ。ウレ君面白いね。

コレは夢じゃないよ?

そうだ!!

ね?行くところがないなら、暫くココに住んだら良いよ。

でも、一つだけ。

約束してくれる?

あの扉だけは開けないでね。

まぁ、鍵が閉まってるから大丈夫だと思うけど…ん?

サテさんてば。こんな可愛い犬族の子をそんな風に言わなくても。

え?ブヤンさんまで??

大丈夫だよ。

この子、良い子だし。

え?

査定??


したよ…まぁ人物査定だからあまり当てにならないけど」


僕は必死に何度も頷いた。

シンさんは笑顔で「良かった」と呟いていた。


他の二人は凄い勢いでシンさんに食ってかかる。 

。。。

三人の言い合いは僕には難し過ぎたけど、一つだけ確かな事が分かった。


夢が…


僕の夢『『伝説の査定屋』に弟子入りする』は今、叶ったんだ!!!



感謝と混乱で僕は気づかなかった。



ブヤンさんが鋭い目つきで僕を観察していた事を。

そして、見た目狐族の格好のシンさんの顔がお面みたいに少しズレている事に。





こうして、僕の弟子入り1日目は波乱の中で始まった。。。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。