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人魚冒険譚  作者: マコト
2/22

こんにちは海!

連続投稿2話目

と、いう事があり、地上のくたびれ海好きOLの「わたし」はユーラとして生まれ変わったのだった。


なぜ、前世の記憶を持っているかは分からないし、名前も忘れてしまった。が、ユーラは神様に感謝していた。それは、前世の記憶がなければ今ほどこの環境にありがたみを感じられなかっただろうからだ。


そう、今、ユーラは海底にある人魚の国に、人魚として、生まれ変わっていた。


成長するにつれて徐々に記憶を取り戻し、その喜びは天井突破し続けている。水中で過ごすためのエラ、水中をスムーズに移動出来るヒレ、低体温症にならない体!あぁなんと素晴らしきかな人魚!とニヤニヤ笑いが止まらず両親に心配された事もあった。


そんな興奮がある程度落ち着いた頃には5年たっていた。なんか早くない?とも思ったユーラだったがどうやら人魚は長生きで、ユーラは百何十年ぶりに産まれた子どもだった。長生きするから時間感覚が早いのかな〜とユーラは納得したが実際にはそんな事はない、ユーラが喜びのあまり時間をわすれていたからだ。


人魚の国はそこそこの広さがあるが、それ以上に海は広大で寛容である。そこら中に食料(魚、海藻)はあるし素材(岩や砂)もある、という訳で人魚達はその日の食べる物を集めたあとはそれぞれの趣味嗜好のもと自由に暮らしていた。


ユーラは久々の子どもということもあり周囲の大人達からそれはもう可愛がられた。


「ユーラ!一緒にご飯取りに行くぞ〜!」


「ユーラちゃ〜んお姉さん達とおうた歌いましょ〜」


「ユーラ!ほらこれ凄いだろ!」


ユーラは魚のとり方や特殊な歌、ちょっとした小技まで、と、時間が有り余っている大人達が得たものを色々と教えてもらっていく。


ユーラは見た事の無い技術が面白く熱心に聞いて練習し、教えて貰った事を次々と身につけていった為、素直さがかわいいと大人達は次々に連れ回して色々な事を教えていく。そのうち、ある程度知識を教え終わってユーラも連れ回される事が減った。


それをいい事にユーラはその日の食料を調達した後は他の大人にならって気ままにゆーらゆーらと名前のごとく水に漂う生活を満喫していた。


そんなある日。


「ユーラ〜、ユーラ〜どこにいるの〜」


と穏やかな声で探す声が聞こえてくる。のんびりおっとりした声の持ち主はユーラの母親だった。


「なぁーに?お母さん。今日のご飯はもうとってきてあるよ〜」


ユーラは気づいていないが、自分自身も負けず劣らずのんびりとした調子でこたえる。


「ちょっとこっちきてくれる?あの方がいらっしゃってるのよ。」


いつになく真面目そうな顔の母親にきょとんとしながらも置いていかれないように慌ててついていくユーラ。到着した先には父親と近所に住んでいる大人たち…の他になにやら仰々しい鎧をきた兵士らしき人達を引き連れ、ヒラヒラとした高価そうな服を纏った女の人がいた。ユーラは隣にいる母親とコソコソと話す。


「あの人だれ?」


「あの方はこの国の女王様だよ。あなたが大きくなったから様子を見に来てくださったの。堅苦しい方では無いけど丁寧に挨拶なさい。」


マーメイドプリンセスならぬマーメイドクイーンの登場にユーラは驚く。おろおろしていると母親から背中を押され「なんとかなるか…」と観念して前にでた。


「お、お初にお目にかかります。ユーラと申します…。な、なにとぞ、よろしくお願いします。」


と、カチコチになりながら絞り出された挨拶を聞き、女王は微笑ましいものを見たと笑いながら返す。


「ふふふ。そう固くならずともよい。そなたも…何世代になるかは忘れたがわしの子孫が産んだ子じゃから家族なのじゃ。それにしてもやはり、幼子はかわゆいのぅ。」


女王はユーラに近づき頭をなでる。ユーラは「え〜!この人いくつ?!?!どう見ても生前の私より若いんですけど?!」と心が荒ぶっていたが優しい手つきにだんだんと落ち着いてくる。


「だがのぅ……。これからそなたはしきたりに従い、しばらくの間地上で暮らさなければならない。」


そんな爆弾発言にユーラは再びカチンと凍りついてしまったが。

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