さよなら地上
初投稿です。拙いですがよろしくお願いします。
あ、この話は読まなくても次の話に支障はありません。
船内の喧騒から逃れて船の展望デッキに出て手すりにもたれかかる。今日はわたしが幹事を任せられた会社の忘年会が行われていた………めっちゃ疲れた………。
いや、いいんですけどね???急遽元幹事だった人が感染症で企画出来なくなったから代役を頼まれ、「1年の終わりだから豪華な感じでよろしく!」っていわれたからヤケクソで船貸切忘年会を企画したのはわたしだから文句はないんですけど???「幹事が歌わなきゃ誰が歌うんだよ!君歌得意だったでしょ?」と歌が苦手な上司にマイク押し付けられまくった時はほんとどうしてやろうかと…ゲフンゲフン。
「はぁ〜〜〜〜〜〜………」
ようやく落ち着きはじめた会場から抜け出して海を眺めていると、疲労とも安堵ともつかないため息がもれていく。
海は好きだ。今年も何度行ったか分からない。今いる職場も生活圏内に海水浴場があるから選んだといっても過言ではない。
「今年ももう終わりか〜…。明日は泳ぎ納めに行こっかな〜」
今日で仕事納めとはいえ、我ながら呆れるような計画だ。海が1番好きだが、水の中にいるだけで落ち着くわたしは冬の間も時間と気力がある時は近くの公共室内プールで浮いて泳いで潜って浮いてと漂っている。
そんなわたしが仕事で一年を締めて良い訳が、ない(断言)。というわけで、毎年飽きもせず両親も他界して帰省の必要もないわたしは諸々終わらせたあとは、最後にプールへ行って1年を終わらせている。
「はぁ〜あ、つかれた…。水の中に沈みたい…」
ボソリと呟きつつ水平線を眺めていると何やら水面が波立ち始めた。
魚でもいるのかな?と覗き込んだその時、水の中、というよりは水そのものがいくつもの手のような形となり、わたしに覆いかぶさる。
身体が氷のような冷たさに包まれ「おいで…」という囁き声が聞こえた時には───
───ボチャンと勢いよく水に入る感覚と共に意識も闇に呑まれていった。




